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日ごろ、過酷なスケジュールや顧客対応に追われるエンジニア。Ｔｅｃｈ総研恒例の「言い訳特集」も三回目を迎え、今回は年末ということで、特にビックリ仰天な言い訳を集めてみた。「意外とそれ使えるかも！」という言い訳から、「そりゃないだろ……」というありえないものまで、シーン別に一挙公開！追い詰められたエンジニアが発した、乾坤一擲の声を今年の自分を振り返りながら聞いてみてほしい。 （取材・文／総研スタッフ　タニー只野　イラスト／おざきしめじ）作成日:06.12.27

Ｔｅｃｈ総研では過去に二度にわたり言い訳特集を紹介している。実際、度重なる仕様変更による納期遅れや納得のいかないクレームが多いエンジニア稼業。言い訳ひとつで気持ちよく仕事を進めることができるなら、それもまたひとつの課題解決の手段だろう。過去の「言い訳特集」もぜひチェックしてみよう。

納期は魔物。仕様変更の嵐、上司の横暴、頻発するトラブルといった理不尽な理由から、当初の予定はもろくも崩れていく……。そして、納期が守れないと知ったとき、エンジニアたちが発したひと言とは？

顧客から容赦なく浴びせられる不条理なクレームの数々。「必死に頑張ってるのに」と思えば思うほど、言い訳はしどろもどろ。つい、ムキになって反論してさらに泥沼にはまってしまったり。そんなとき、いかにサラリと相手の怒りをかわせばいいのかのノウハウを考えた。

まずは言い訳の定番、遅刻や早退、欠勤の言い訳をご紹介。どうしても人間なら、「やる気はあるが、今日だけは仕事に行きたくない！」という日もあるだろう。そんな状況に立たされたエンジニアの、無謀な（？）言い訳をぜひ聞いてみてほしい。 その場は問題なかったが、後で弔電の必要性や葬儀の日程などを詳しく聞かれた。ウソの上塗りの必要性が出てきて、やっぱり葬儀を言い訳に使うのはまずいと思った。 寝坊して遅刻した際、遅刻の理由として、「向かい風が強くて……」と伝えた。 （36歳　男性　品質管理、製品評価、品質保証、生産管理） 職場はあ然としてました。 パチスロのイベントに行きたくて、鼻血が止まらないと言って休んだら、打ってて本当に鼻血が出た。もちろんコインもザクザク出た。 （29歳　男性　システム開発（Web・オープン系）） ゴメンナサイ。 深夜までの業務が連日続いていたとき、寝坊により遅刻。冗談のわかる上司に対し、「電車のタイヤが取れちゃって遅刻します」と電話。 （29歳　男性　システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系）） 普段めったに遅刻しないこと、また連日の深夜業務を知っていた上司は「電車にタイヤはついてねぇよなぁ」と突っ込みつつも、容認。冗談のわかる上司でよかった……。 忙しくて仮病でも休めない状況だったので、朝会社に電話し「駅で蜂に刺された」と言い、休みました。 （30歳 男性　システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系）） そのときは難を逃れたが、ほかの部署の人にウソがばれ、“伝説の甘い男”というあだ名がついてしまった 体調は問題なかったが、パソコンを使う仕事のため画面を見るのがつらくて、ちょうど当時野球選手が“指に違和感があり”試合に出ていなかったので、私も同じように「脳に違和感がある」と言って会社を休んだ。 （37歳　男性　サービスエンジニア） お前はバカかと言われたが、言い切った。

エンジニアはシステムに万能を求める営業やクライアントから無理な要望をされることも多い。納期や予算を含め要望を聞いているはずが、いつの間にか無茶な要望に変わることも多々あることだろう。この項ではそんな無理難題を押し付けてくる営業やクライアント、また自分の上司に放った言い訳を一挙ご紹介したい。

同僚はもともと積極的に仕事をするタイプではなかったので、上司は喜び、「お前は同僚思いだな」と褒められた。 「これ以上仕事したら家庭が崩壊する」 （30歳　男性　生産技術、プロセス開発） 「仕方がないなぁ……」。だってホントのことですから！ 自分が担当なのに、「担当の者は死にました」と言った。 （30歳　男性　研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理ほか） 二度と電話がかかってこなくなった 仕事が忙しくて、急きょ入った特注仕様を受けたくなかったので、「その仕様だと他社パテントに抵触するんじゃ？」と断った。全く関係ないです。 （36歳　男性　システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系）） 納得してました。 ソフトウェアとOSにからむバグ改善要望を「それはマイクロソフトのせいです！ビルゲイツに頼んでください！」とつっぱねた。 （33歳　女性　システム開発（Web・オープン系）） さすがに笑って提案を引っ込めた。 うだうだとした会議の際に「今日はすき焼きなので帰ります」と言い放ち、会議を終わらせた。 （（36歳　男性　サービスエンジニア） みんな大喜び。会議なんぞは時間を決めないとうだうだになるものです。

ここでは、約束した作業を忘れてしまったときに発した言い訳を集めてみた。そのなかでも多かったのは、「メールが見られなかった」という言い訳。見られなかった理由は「サーバやメーラーの不具合」から、「スパムに紛れた」まで多種多様。では、メール以外の言い訳とはどんなものがあるのだろうか？

「PC以外に媒体は持っていないのか」と言われ、かなり焦ったが、「社内のISMSを遵守するうえで、コピーファイルは持っていませんでした」と伝えたところ、猶予を１週間もらえた（結局は逃げられなかった）。 提出書類をすっかり忘れていて、催促にきた担当の人に「昨日取引先に行ったとき、その会社に家宅捜索が入って、一緒に書類も検察に押収されました」と言って提出期限を引き延ばしてもらった。 （29歳　男性　コンサルタント、アナリスト、プリセールス） 2、3日後、その取引先の人が所用で自社に来たとき皆の注目を浴び、質問攻めにあって当然ばれ、あえなく御用。 「死んでお詫びします」 （34歳 男性　システム開発（汎用機系）） 「手伝おうか？」と……。 「俺のハードディスクは揮発性だ」 （38歳　男性 研究、特許、テクニカルマーケティングほか） 事前に催促されるようになった。 「ほかの仕事でクリティカルなことが多くて」 （29歳　男性 システム開発（Web・オープン系）） 怒られました。 「いま××の業務で頭がいっぱいになってて、すっかり忘れてました。私もデュアルCPUにできたらいいんですけどねぇ」 （39歳　男性　ネットワーク設計・構築（LAN・Web系）） 「その前にメモリ増設したほうがいいかもね」と返された。

クレームに対する言い訳は大きく三種類に分かれた。「逆切れ系」と「もっともらしい説明系」、そして「別の担当者でっちあげ系」。相手が冷静でない場合は、そのまま対応せず、別の担当者を立てて一度時間を置く方法が有効なのか、「何とかなった」というコメントが目立った。

「それじゃ仕方ないね」と言っていたけど「××社も大したことないな」と、明らかにメーカーの信用を落としてしまった。今考えると悪いことしたと思い、そのあとの企業アンケートとかでは「××社は素晴らしい」と評価し続けて罪滅ぼししている。 「はい、その件で○○（自分の名前）は謹慎処分を受けて当分の間は自宅待機しております」と声色を変えて電話対応する。 （30歳　男性　システム開発（Web・オープン系）） 0.1秒でばれて怒られた。 自分が出したバグが現地で問題になっているのに、顧客に対して「当時の担当者が不在のため、解析に時間がかかります」と時間稼ぎをした。 （29歳 　男性　システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系）） 結果、迅速に対応でき、むしろ顧客満足度は高かったようです。 「あーそんな抜け道があったんですか？やっぱりユーザーさんのほうが実際に使う人だからいろんなことをしてバグを見つけてくれるから助かりますわぁ〜」と言って、どのような状況でバグが発見できたのかを聞き、話をずらしていく。 （31歳　男性　パッケージソフト・ミドルウェア開発） ユーザーって実際いろんな使い方するから、ちょっと本音。 資料が足りないとの指摘に対して、「指示どおり徹夜でコーディング＆テストを何とか終わらせたのに、これ以上は無理です。どうぞクビにしてください」と言った。 （33歳　男性　ネットワーク設計・構築（LAN・Web系）） 全員無言のまま1時間以上会議室が凍りついた。 「商品の性能が良すぎて、われわれの技術がついていけなかったんです」 （26歳　男性　サービスエンジニア） 「しっかりしてください」と言われた。

以前も特集した「納期遅れの言い訳」編だが、回答で多く見られたのが「スケジュール厳守が鉄則。納期遅れはありえない」というコメント。だが、現実はうまくいかないことも多い。度重なる仕様変更や無理な要望など、どうしても間に合わなかったときのエンジニアの魂の叫びを集めてみた。

珍しいイントネーションらしく、まねされながらも1週間納期を延ばしてもらったが、後からくどく「方言を教えてくれ」と迫られた。 どうしてもファームウェア開発の納期に間に合わず、「段階的に機能をリリースします」と顧客調整。最初のリリースに関しては、まったく機能が実装されていない空転するだけのファームウェアだった。 （29歳　男性　システム開発（マイコン・ファームウェア・制御系）） もともと納期に無理があったことは顧客も承知済みであったため、最終的には段階リリースで全機能を無事リリースできました。 「発注予定のメーカーが倒産するという情報が入り、代替のメーカーを探してたので、遅れてしまったんです」 （32歳　男性　生産技術、プロセス開発） 「事前にしっかり調査しないから、そんなことになるんだ！」と怒られた。 「チーム一丸となって不眠不休で必死にやっています」と精神論で訴える（実は普通に土・日は休んでいる）。 （34歳　男性　生産技術、プロセス開発） 「しょうがない」と納得してくれた。 納期に間に合わないとき、「本社がサイバーテロに攻撃されている」と訳のわからないことを言った。 （28歳　男性　システム開発（Web・オープン系）） 信じてくれて、「大変だね」と同情された。 「3月45日に収めます。3月中ですよね」と言った。 （31歳　男性　回路・システム設計） 笑って、「あと何日ですね」ときっちりと正確な納期を確認されてしまった。

これまでエンジニアたちの言い訳を一挙公開してきたが、「遅刻・早退・欠勤申告編」以外は、無茶な要望や過酷なスケジュールによるものが多く、仕方なく使った言い訳がほとんどであった。今回は年末企画らしく、Ｔｅｃｈ総研専属のお坊さんに来年のみなさんの開運を祈願してもらうことにした。

「私たちは、都合の悪いことや自分の失敗を、都合のいいように解釈をして思わずうそや言い訳をしてしまうことがあります。しかしながら、いいことも悪いことも、自分の発言はすべて自分の責任において跳ね返ってくるのです。従って、自分が現在得ている結果は、良い結果も悪い結果も自分がすべて原因を作っているということです。皆さんも知っている言葉だと思いますが、これを仏教の言葉で「自業自得（じごうじとく）」といいます。ですから、言い訳をしても回り回って自分に返ってくるかもしれません。良い結果も悪い結果も正しく受け取り、うそ・偽りのない素直な心をもって過ごしたいものです。エンジニアの皆様の新しい年が、より良い年になりますよう祈念いたします。」 桐生山　鳳仙寺　副住職 坪井良樹（りょうじゅ） というわけで、今回は読者のみなさんと、Ｔｅｃｈ総研用に開運のお札をいただいた。読者のみなさま、ご愛読いつも本当にありがとうございます。来年もＴｅｃｈ総研をどうぞよろしくお願いいたします。エンジニアのみなさまの2007年がいい年でありますように。

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