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大手メーカーの情シス部門がスカウトしたい人材とは・松下電器編(2) 社内SE『究極のレジュメ』自己PRはどう書く?
大手メーカーの次世代戦略を担う社内SE編の第二弾。今回は「希望条件」「自己PR」「キャリアプラン」について、情報システム部門のトップはどういうことが書かれていると魅力を感じるのか。スカウトしたい人材の「究極のレジュメ」を紹介しよう。
(取材・文/中村仁美 総研スタッフ/宮みゆき)作成日:06.09.27
 企業のビジネス戦略を担う存在である、ユーザー企業の情報システム部門。そこで求められる社内SEの人材像とは、どのような人物か。しかし、社内SEとひと口に言っても、さまざまだ。例えば、松下電器産業(以下松下電器)の場合、経済産業省が策定した「ITスキルスタンダード」にのっとり、同社独自の職種とスキル標準を定めている。
 各職種について、求められるスキル・経験に違いはあるだろうが、前回同様、大きく中堅層と若手層に分けて、求められる人材像を探っていく。ちなみに中堅層は業務部門のシステム開発におけるプロジェクトマネジメントやコンサルティングに携わる人材を、若手層に関しては、技術力を武器にシステム開発に携わる人材である。語ってくれたのは、松下電器産業(以下松下電器)コーポレート情報システム社SIセンター・CITA・DITA推進グループ・グループマネージャーの廣野俊弥氏と同IT開発センター開発基盤グループのグループマネージャー荒井勝氏だ。
 社内SEとして適している人材かどうかは、「自己PR」や「キャリアプラン」の記述内容からも、きっと見分けられるポイントがある。キャリア別にも関心を示す記述に違いはあるのか、明らかにしていこう。
取材協力 松下電器産業株式会社コーポレート情報システム社
事業概要 2000年4月に設立。松下グループ全体の情報システムの企画、構築、運用を担う。これまで松下では、事業ドメインごとにシステムが異なるため、情報システム部門を設置していた。しかしハード、ソフト、ナレッジ、要員などの経営資源を最大限活用し、開発スピードの向上とシステムにかかわるコスト削減のため、集結。
中堅・ベテランSE SIセンター
役割 IT革新テーマの総合マネジメントとして、CITAの整備などを行っている。
SIセンター CITA・DITA推進グループ グループマネージャー 廣野俊弥氏
SIセンター
CITA・DITA推進グループ
グループマネージャー
廣野俊弥氏
若手SE IT開発センター
役割 業務部門の要件をもとに、ソフトウェアを計画通りかつ品質良く開発し、業務部門の業務改革へ貢献すること。
IT開発センター 開発基盤グループ グループマネージャー 荒井勝氏
IT開発センター
開発基盤グループ
グループマネージャー
荒井勝氏
求める人材をレジュメに落としてみると……
希望条件 注目するのは希望業種と職種。メーカーを志向している人がやはり有利
中堅・ベテラン・若手SE
転職意欲 いいところがあれば会いたい
業種 総合電気(メーカー)
従業員数 1001〜5000人
職種 情報化戦略・推進(中堅)
社内システム開発・運用(若手)
勤務地 大阪市
年収 (中堅・ベテランSE)900万円
(若手)600万円
廣野俊弥氏  それなりに転職意欲の高い人に会ってみたい。ビジネスを継続させるためのIT戦略、変化する企業戦略に合わせ、それを実現するIT戦略について、じっくりと腰を落ち着けて取り組んでいける人材を求めているからだ。
 希望業種については、まずはメーカーを希望している人を優先したい。メーカーを希望している人は、メーカーにおける業務知識があると予想されるからだ。また職種は社内SE志向の人からみてみたい。中堅については情報化戦略・推進、若手については社内システム開発・運用を希望している人。社内SEは技術も必要だが、ビジネスへの関心が高くなければ務まらないなど、SI企業のSEと求められる資質が異なると考えられるからだ。
自己PR 貢献できる分野と自分の志向が書かれていると、好感をもたれる
中堅・ベテランSE
自己PR  現在、中堅電気メーカーで社内SEとして働いています。社内SEを志向するのは、技術とビジネス双方に関心をもっていたからです。技術という道具をうまく使いこなして、ビジネスに貢献する。それが実現した際に得られる醍醐味は、社内SEだからこそ味わえるものだと考えるからです。
 これまで、業務プロセスの改革を伴った、システム刷新プロジェクトのマネジメントを複数担当してきました。500人/月という大規模なプロジェクトも牽引したことがあり、PMとしてのスキルもかなり磨かれたと感じています。業務プロセス改革プロジェクトの遂行において、かなりの貢献ができると考えています。また、海外拠点でのシステム立ち上げにも、携わった経験もあります。その際は、現地との文化の違いにおけるコミュニケーションの難しさを、肌で感じましたが、ある程度のノウハウも身につけられたと思います。これらの経験・知識を生かして、グローバル展開企業など、より大きなステージにチャレンジしたいと考えています。
廣野俊弥氏  自己PRはあまり重視していない。しかし注意してほしいのは、自分の志望ばかりを記述しないこと。企業が期待するのは、どういう分野で貢献できると考えているのかという点。これまでの経験を根拠に、どういう貢献ができると思うのか、具体的に書いてほしい。また貢献できる分野を書いていることで、「この人は提案型の人材だろう」と判断することもできる。前回も記述したが、これからの社内SEは、受託型ではなく提案型の人材が求められているからだ。また経営改革に関心があることを、さりげなくアピールしていると、社内SEに向いていると判断できる。
若手SE
自己PR  得意とする技術はSAPソリューションの導入です。私はこれまで(現在も)、多数のSAPソリューションの導入に携わってきています。SAP R/3においては、ABAPによるプログラミングはもちろん、導入をする際に重要になるフィット&ギャップ分析、開発、テストなど一連の作業に携わった経験があります。そのため、SAPの導入を検討している企業においては、かなりの貢献ができると考えています。
 私が社内SEを希望するのは、自分がこれまでSI企業で培った知識を生かして、ビジネスへの貢献をより実感したいためです。また運用フェーズまで携わりたい。さらには変化していく企業戦略に合わせ、システムを変革していく手伝いをしていきたいと思うからです。
 これまで私が担当してきた顧客は、電気・電子・機械系の大手メーカーがほとんどです。モノづくりに関する業務知識についても、それなりに身についたと実感しているため、ユーザー企業に転身しても、やっていける自信があります。
荒井勝氏  自己PRでは、自身の経験の広さや深さをアピールしてほしい。経験の広さや深さは、情報システムの構築プロジェクトで携わった工程でわかる。例えばすべての工程を携わった経験のある人は、広さも深さも兼ね備えた人材だということだ。それが書かれているうえに、さらに固有の技術や専門がきっちり書かれていると好感をもつ。
 また、経営やビジネスに興味があるという印象を与えることも重要だ。さらにはリーダーシップを感じさせる記述があるといいかもしれない。業務プロセスを改革するためには、受け身ではなく、自らが改革するという強いリーダーシップを発揮しなければできないことが多いからだ。
 しかしこれまで魅力的な自己PRに出合ったことはないのも事実。あまり難しく考えすぎず書いてほしい。
キャリアプラン 将来は経営改革に参加したい、という思いが見えるプランを
中堅・ベテランSE
キャリアプラン  プロジェクトマネジャーとしてキャリアを極めていきたいと考えています。グローバル拠点とのシステム連携プロジェクトや、現地のビジネス習慣に合わせたシステム開発プロジェクトなど、日本とは異なる文化圏で経験を積むことで、さらなるステップアップを図っていきたいと考えています。
 小さな業務プロセスの改革については、これまでも経験してきました。今後はある業務の改革だけではなく、企業全体の最適化という点で、改革に取り組んでみたいと考えています。企業の将来を自分たちの手でつくっていく。将来的にはそういう役割を担いたい。
廣野俊弥氏  社内SEは技術だけではなく、ビジネスへの興味・関心のある人でなければ務まらない。「企業改革に参加したい」という、改革意欲が求められる。その改革意欲に加え、国内よりはグローバル志向で、仕事のスタイルは受け身ではなく提案型、リーダーシップがあり、ロジカルな思考のできる人であってほしい。キャリアプランにおいては、このような点が感じられるかどうかをチェックする。また自身が目指す方向性を明確にするとともに、それを実現するために常に努力を怠らないという姿勢も、示してほしい。
若手SE
キャリアプラン  現在はSI企業でユーザー企業のシステム導入の支援を行っていますが、今後はユーザー企業の社内SEとして、ビジネス戦略に合わせたシステムの企画・設計に携わりたいと思っています。最終的には企業の情報システム部門トップとして、企業変革にも参加してみたい。
 最新技術に携わるのも面白いことですが、技術をビジネスに適用し、その結果、ビジネスがどうなるかに関心があるのももちろんですが、システム自体の品質・生産性を高める業務も経験したいと思っています。最終的には、実ビジネスに貢献できるSEになることが理想です。
荒井勝氏  社内SEはシステム構築に携わるだけではなく、品質や生産性を組織として高める努力も求められる。つまり開発プロセスのアセスメントや品質レビューなどを行わなければならない。開発そのものをバリバリ追求するキャリアではなく、一歩引いた形で指導・改善を指示するキャリアを考えている人も、欲しい人材である。
 システム開発能力、プロジェクト管理能力、コミュニケーション、リーダーシップなどを生かして、システムの品質や生産性向上プロジェクトに携わりたい、企業組織の変革プロジェクトに参画したい、ということが記述されていると、興味をもつ。
技術だけではなくビジネスへの関心が高いことをアピールしているかがポイント
 社内SEはビジネス戦略を実現するIT戦略を考えていく人材である。したがって、より「ビジネス志向」が強くなければ務まらない。「自己PR」や「キャリアプラン」についても、職務経験よりは重視されないとはいえ、ビジネス志向の度合いは、この2つの項目で見られる可能性がある。社内SEになりたいと考えている人は、この2つの項目で、「自分だったら、これまでの経験を生かしてどのような貢献ができるか」「●●という技術を使って、企業をこのように変革したい」という記述をすることが得策だ。
 また今後、多くの企業が整備を進めると予想される内部統制も、情報システム部門が中心となって取り組む、全社挙げての一大プロジェクトである。これもまずは、どのような業務があり、それらの業務はどのようなプロセスをたどっているかを洗い出す作業から始まる。技術よりも、「業務」「改革」というキーワードを盛り込むことが効果的といえるだろう。 あとは、システムの最初から最後まで携わりたいという思い。それをアピールすることだ。
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  宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ  
宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
グローバル展開を進める大手メーカーが増えていますが、やはりそこで必要不可欠なのが、そのグローバル拠点をつなぐ社内SEの技術力とキャリア。今回取材にご協力いただいた松下電器をはじめ数々の大手メーカーが喉から手が出るほしいと採用ニーズが上がっているようです。ぜひ、スカウトに登録して皆さんの可能性も探ってみてくださいね。

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