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エンジニア給与“知っ得”WAVE vol.59 ネット銀行か株式投資か?エンジニア向きの財テク法は?
1000人のエンジニアに貯蓄額を調査したところ、平均貯蓄額は20代で507万円、30代で681万円という結果となった。だが、その貯蓄事情は人それぞれ違う。そこで今回は、多様化する銀行金利や、株式投資など、今どきの賢い財テク法についてエンジニアとの相性を探ってみた。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/kucci(クッチー) 撮影/加納拓也)作成日:06.09.06
【Part1】平均貯蓄額は20代で507万円、30代で681万円
 景気低迷で給与が低めに抑えられていた時期も脱し、ボーナス支給額も全体平均では増え始めた。また、低金利時代とはいえ、銀行の預金金利も多様化していて、金利で銀行を選ぶという人も増えている。さらにオンライン証券などで個人が株式投資を気軽に始められる環境も整ってきており、貯めるだけでなく増やすことへの関心も高まる。

 Tech総研が7月中旬に、20〜40代の1000人のエンジニアを対象に行った調査では、平均貯蓄額は20代で507万円、30代で681万円という回答が得られている。(DATA1)
DATA1 年代・職種別で検証!エンジニアの平均貯蓄額
職種分野
職種
20代後半
30代前半
30代後半
40代前半
ソフトウェア・
ネットワーク関連
コンサルタント、アナリスト、プリセールス 700万円 540万円 956万円 260万円
システム開発(Web・オープン系) 260万円 347万円 455万円 535万円
システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系) 164万円 506万円 674万円 383万円
システム開発(汎用機系) 249万円 613万円 516万円 736万円
ネットワーク設計・構築(LAN・Web系) 380万円 573万円 798万円 750万円
パッケージソフト・ミドルウェア開発 247万円 507万円 897万円 156万円
運用、監視、テクニカルサポート、保守 383万円 357万円 545万円 447万円
研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理ほか 324万円 860万円 956万円 833万円
社内情報システム、MIS 100万円 85 万円 233万円 893万円
通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系) 1200万円 425万円 715万円 450万円
ソフトウェア・ネットワーク関連 平均 
293万円 441万円 604万円 541万円
ハードウェア関連
サービスエンジニア 286万円 170万円 321万円 427万円
セールスエンジニア、FAE 567万円 767万円 850万円 467万円
回路・システム設計 539万円 524万円 771万円 358万円
機械・機構設計、金型設計 200万円 560万円 377万円 679万円
研究、特許、テクニカルマーケティングほか 300万円 888万円 773万円 1300万円
光学技術 - 433万円 433万円 367万円
制御設計 335万円 394万円 193万円 520万円
生産技術、プロセス開発 273万円 435万円 449万円 833万円
半導体設計 462万円 419万円 271万円 160万円
品質管理、製品評価、品質保証、生産管理 137万円 374万円 770万円 418万円
ハードウェア関連関連 平均 
321万円 500万円 563万円 667万円
全体平均 
305万円 472万円 584万円 618万円
【Part2】ファイナンシャルプランナーがエンジニアの貯蓄&投資を診断
 貯蓄法や、投資術などは人それぞれ。Tech総研のアンケートにも、「今、一番知りたい財テク法」として、株式投資を筆頭に、投資信託、外貨投資、不動産投資を挙げる人が少なくなかった。

 そこで、3人のエンジニアにご登場いただき、その貯蓄額や投資意欲など、その「蓄財」事情に聞き、より賢い財テク術について、ファイナンシャルプランナーのアドバイスをいただいた。
 けっして多くはない収入でも、なんとかやりくりしてしっかり貯蓄している3人。たんに貯めるだけでなくそれをいかに殖やすかの関心も大きい。そこで、ファイナンシャルプランナー・フェイシスの関根光氏に、それぞれの蓄財法を診断してもらった。
CASE1 100万円の銀行預金を2〜3年の短期で運用したい
 株式などリスクの大きい投資には興味はないけれど、投資信託は関心あり。例えば今の銀行預金から100万円を取り分けて、それを2〜3年の短期で運用するのに、もっとも利回りのいい方法は何があるでしょうか。
[貯蓄状況]
 銀行の積立預金(月額2万円+ボーナス時4万円)で240万円。そのほか、枕元の麦茶ボトルに毎日財布の中の500円玉などを入れて貯める小銭貯金が20万円ほど。

 1年以内に車を買いたいのと、あとは漠然と将来の結婚資金、生活資金を意識して貯金はしていますが、給料がなかなか上がらないので現状が精いっぱい。ただコツコツと500円玉を貯めて、大型テレビを買い替えるぐらいのお金は貯められたので、自分は案外貯蓄向きかとも思っています。

 ふだんの支出もアパート代4.9万円、飲み代が月2万円、食費もなるべく自炊を心がけるなど抑えめ。スキューバダイビングが趣味で、これまでは器材や旅費に数百万円は使ってきましたが、最近はなじみのダイビング・ショップと組んで、インストラクターをする代わりに全部お店持ちで潜らせてもらっているので、そこにはお金を使わなくなりました。
嵐山隆さん(仮名)
嵐山隆さん(33歳、仮名)

[プロフィール]
20人規模のシステム会社勤務のSE。客先常駐の形で、COBOLを用い汎用機システムの改修などを行う。独身。年収約400万円。
関根さんのアドバイス ネット銀行の定期預金は金利がオトク
関根光氏
 低金利の時代ということで、銀行定期預金の金利に関心を失っている人が多いんですが、実は今銀行によって金利差は大きく違っているんです。1年定期の標準金利だけを見ても大手都銀が0.25%なのが、イーバンク、ジャパンネット、ソニーなどのネット銀行は0.45〜0.6%と倍もあります。ネット銀行は店舗開設や人件費などの経費が少ないのでその分、金利に上乗せできるんですね。
 また、キャンペーンと称して表面上魅力的な預金が目に付くようになりましたが、こうしたキャンペーンには注意したいものです。例えば、「年率4〜5%の定期預金(但し、預入期間3カ月、外貨・投信を50%以上購入した場合)」といった利率過大表示の抱き合わせ商品や「年率1.5%(5年)、期間延長の場合年率1.6%(6年目〜10年)」といった当初金利は高いが銀行の判断で預入機間が延長され、途中解約ができないという商品もあります。

 一方、純粋にキャンペーン金利を提供している銀行もあるので、条件をよく理解してから預けるのが賢明ですね。多少の時間を惜しまなければ、預金金利を少しでも増やすことは可能です。尚、こうした銀行の金利比較やキャンペーン商品が簡単にチェックできるサイトとして、おススメなのが、「Ginkou.Info」(http://www.ginkou.info/)というサイト。銀行関連のニュース解説なども充実しています。
CASE2 利回りのよい定期預金と、リスクの少ない株式投資に興味がある
 定期預金の利回りはやはり気になります。それと、やはり上手な株式投資に関心がありますね。投資信託はあまり信用していないんですが、リスク配分という意味では検討する必要があるかも。
[貯蓄状況]
 毎月の給与から支出をさっぴくと月額2万円ほどの黒字。これを普通預金の形で蓄えている。これ以外に、結婚時に妻に300万円の貯蓄があり、それに自分の分とその後の追加分を合わせて計500万円の貯蓄がある。銀行定期300万円、郵便貯金100万円などの形で保有。残りの100万円を株式運用資金として確保。

 転職は自分の技術力の向上と会社の将来性にかけてのこと。3年前の転職時には年収が下がりましたが、今はなんとか以前の水準に上がりました。結婚前の妻の貯蓄をベースに、500万円まで貯蓄が殖えましたが、これをさらに殖やすかが自分の課題。まもなく子どもも2人に殖えるし、いずれは5000万円ぐらいのマンションを買いたいと思っています。家計の中での運用責任者としての私の責任は重大です。

 妻からは「投資はいいけれど、私がもってきた300万円を取り崩すのは絶対だめ」ときつく言われています。でも資産を殖やすには多少のリスクも必要と、株式投資を2年前から。一時は元手の100万円が400万円まで増えましたが、その後の暴落でまた100万円に戻っちゃいました。なかなか難しいものです。ふだんは弁当を持たされており、外食も週に1回程度。仕事がら技術書やコンピュータ費用は別枠ですが、月1万円の小遣いでなんとかやりくりしています。
安藤一郎さん(仮名)
安藤一郎さん(30歳、仮名)

[プロフィール]
3年前に基幹系システム開発の会社から30人規模のベンチャー企業に転職し、Javaでグループウェアの開発に従事。既婚、子ども1人。年収580万円。
関根さんのアドバイス 個人向け国債は元本保証で高利回り
関根光氏
 まずは先に触れたように、より高い固定金利を求めて銀行定期を組み換えるという方法がありますが、もう一つ考えたいのは定期預金以外の資産運用法です。定期預金以外に初めて資産運用を考える人が、安心して始められる一歩として勧めるのが「個人向け国債」の購入。日本国政府が利子と償還金を支払う債券の一種で、投資家を個人に限定したものです。「5年・固定金利型」と「10年・変動金利型」の2種類があり、とりわけ変動金利型は景気回復による長期金利の上昇という局面を受けて、最近、にわかに人気が高まっています。
 1口1万円から買うことができ、1年半以上保有すれば途中売却しても元本割れはしないという低リスク商品でありながら、最近の金利は1.1%と定期預金よりも高金利。低金利の銀行に預けるくらいなら、国を信用して国債を買ってみる、というのも一つの運用法だと思います。
CASE3 300万円の元手を、株式投資や投資信託などで増やしていきたい
 いずれは結婚をするでしょうが、今のところ予定はありません。30歳までに500万円を貯めて、キャッシュでBMWを購入というのが現実的な目標です。現在の貯金300万円をこれからどう殖やしていくか。株式だけではなく投信信託なども考えたほうがいいのかもしれません。最適な投資配分について教えてほしいと思っています。
[貯蓄状況]
 銀行の積立定期に月2万円ずつ。それが100万円貯まっている。ほかにオンライン証券会社に株式投資資金として200万円預けて運用し、それが現在300万円までになった。30歳までに貯金・株式合わせて500万円貯めるのが目標。

 今の時代、資産を殖やすのは株式投資が一番という話を聞き、今年の5月からオンライントレードを始めました。元手は200万円。まあ、今のところ順調に回っていて現在100万円のプラスです。銘柄選択はわりと感覚的。通勤途中などに携帯電話から注文を出すほか、帰宅後にも相場をチェックしています。

 普段の生活はそんなに切り詰めているという感じではありません。2週に1回ぐらいのペースで会社の飲み会にもつき合うし、格闘技を見るためにCS放送の契約もしています。給与を上げるためには、やはり派遣社員ではなく正社員のほうがいいと思っていて、転職のためにOracleのプラチナ資格の勉強を続けています。
久山晃一さん(仮名)
久山晃一さん(28歳、仮名)

[プロフィール]
以前は正社員だったが、現在は派遣会社に登録し、特定契約派遣の形でデータベースの保守・運用を担当。Oracle9i GOLD 取得済み。独身。年収340万円は少ないと思うが、職務経歴がまだ浅いので仕方がないと考えている。
関根さんのアドバイス ミドルリスクの投資商品「投資信託」の選び方
関根光氏
 もう少しリスクの高い商品には投資信託(投信)があります。株式投信、公社債投信などいくつかタイプがあり、株式投信も大きくインデックス型とアクティブ型に分けられます。これ以外にも、ETF型(株価指数連動型上場投信信託)という株式投信が最近注目されています。特定の株価指数に連動する運用成果をめざす点は、インデックス型投信と似ていますが、株式市場の取引時間中に価格を指定したリアルタイム売買が可能で、かつ手数料が安いという特徴があります。
 投資信託は銀行定期よりは利回りが高い一方、元金の保証はありません。自分で銘柄を選んで株式投資するよりは面白みは少ないが、分散投資である程度リスクヘッジがされている、などの特徴があります。

 要はお金を殖やしたいのか、減らしたくないのか、ということですね。殖やすにしても多少のリスク覚悟で多く殖やすのか、少しずつでいいのか、その判断が重要になります。
やはり大きく殖やすには株式投資が一番。株式市場は全般に活況を呈しており、この秋にも相場は本格的に反騰するのを期待されています。株を始めるにはいまが一番いい時期かもしれません。もちろん、同じ株式投資でも、よりリスクは抑えたいのなら、投信を検討してみてはどうでしょう。マーケットが上昇傾向にある間は確実に利益が出るはずです。
関根光氏プロフィール
フェイシス(株)代表取締役 ファイナンシャルプランナーCFP 社会保険労務士
1988年 早稲田大学政冶経済学部卒業。日興証券、アリコジャパンを経て、年金・保険を専門とする金融アドバイス会社として2000年にフェイシス株式会社を設立、代表取締役に就任。著書に『失敗しない株式投資 買い方・儲け方』(池田書店(共著))など。一般向けのマネースクール「100ten.school」を開講している。http://www.100ten.co.jp/
Part3 金利上昇、株価上昇局面は、リスク覚悟で資産を殖やせるチャンス
 銀行定期の利回り一つとっても実は勉強が不可欠なのだが、投信運用となるとますます金融や経済の仕組み、企業業績への勉強が欠かせなくなる。ふだん、システム開発やものづくりに一生懸命のエンジニアも、ときには経済新聞を熟読することで、新鮮な刺激を得られはず。そこで得た知識は、自分のこれからのキャリア形成にもきっと役立つはずだ。将来の生活設計のためだけでなく、将来の知識設計のためにも、エンジニアは貯蓄や投資にもっと貪欲になるべきなのかもしれない。ぜひ、自分の将来プランに合った財テク法を見つけていただきたい。
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貯蓄というとまず思いつくのが、銀行や郵貯の定期預金。今回取材にご協力いただいた3人とも額の差はあれ、日々の節約などでコツコツとかなりの貯金をされているのには感心させられました。ただ、比較的金利の高い新生銀行を選んだという安藤さん以外は、定期預金の金利にはあんがい無関心だったのも印象的でした。私もこの低金利時代では、どこの銀行でも金利はあまり変わらないだろうと思っていましたが、今は銀行によって金利もサービスもさまざま。これを機会にいろいろ研究してみたいなと思ってます。

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