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2006年転職トレンドは、技術に打ち込める安定経営と潤沢な開発資金 エンジニア3074人大調査!転職したい企業BEST10
Tech総研が、エンジニア3074人に向けて実施した転職に関する意識調査をもとにしたレポートを今回から2回にわたってお届けする。エンジニアが転職したい企業と、その理由は何か? 2年前の調査との比較も踏まえて考察していきたい。
(取材・文/荻野進介 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/kucci(クッチー)) 作成日:06.02.22
Part1 給与・待遇、技術力、職場環境……転職したい企業は“何”が決め手なのか?
 
 エンジニアが働きたいと思っているのはどんな企業か、そう考える理由は何か、ランキングはどうなっているか、それぞれの得票率はどうか……前回調査との比較を交えながら、現状を明らかにする。
DATA1  エンジニア3074人が転職したい企業ランキングBEST10 大発表!
1位 トヨタ自動車 444人(14.4%) 
  選んだ理由BEST3   (@給与・待遇がよさそう A高い技術力 B長期的な安定性
2位 ソニー 272人(8.8%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A研究・開発投資への熱意 B技術者が働きやすい環境・設備
3位 キヤノン 185人(6.0%) 
  選んだ理由BEST3   (@技術者が働きやすい環境・設備 A高い技術力 B給与・待遇がよさそう
4位 日本IBM 147人(4.8%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A技術者が働きやすい環境・設備 B給与・待遇がよさそう
5位 本田技研工業 143人(4.7%) 
  選んだ理由BEST3   (@技術者が働きやすい環境・設備 A研究・開発投資への熱意 B高い技術力
6位 松下電器産業 110人(3.6%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A給与・待遇がよさそう B技術者が働きやすい環境・設備)
7位 マイクロソフト 77人(2.5%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A技術者が働きやすい環境・設備 B給与・待遇がよさそう
8位 シャープ 46人(1.5%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A研究・開発投資への熱意 B技術者が働きやすい環境・設備)
9位 NTT 43人(1.4%) 
  選んだ理由BEST3   (@給与・待遇がよさそう A技術者が働きやすい環境・設備 B高い技術力
10位 日本電気(NEC) 42人(1.4%) 
  選んだ理由BEST3   (@高い技術力 A給与・待遇がよさそう B長期的な安定性
エンジニアが会社に望むのは、安定した経営・業績と、高い技術力、働きやすい環境
 日本を代表する大手の技術系企業がそろい踏みした。1位トヨタ自動車、2位ソニー、3位キヤノン。大手の中でも特に話題性が高い企業群だ。しかも、それぞれは異なる観点から評価されている。2年前の前回調査では、1位ソニー、2位トヨタ自動車、3位日本IBM、4位キヤノン、5位本田技研工業の順であり、顔ぶれは変わらないが、今回、順位が若干入れ替わった。

 前回調査では、1位のソニーが全体の21.3%という高得票率だったが、今回1位のトヨタ自動車のそれは14.4%。前回2位のトヨタ自動車の得票率は10.8%で、今回2位のソニーは8.8%。前回3位の日本IBMが6.3%、今回3位のキヤノンは6.0%となっている。つまり、前回の調査ではソニーが圧倒的な評価を得ていたのに対して、今回のランキングでは評価が伯仲してきたといえる。

 もちろん、いずれの企業も技術力に定評があること、エンジニアとしてより優れた技術を学び、発揮できるフィールドを目指したいと願うことは当然で、それは、選択理由に必ず「高い技術力」が含まれていることからもわかる。しかし、評価の優先ポイントを順位付けると、観点の差が浮かび上がってくるのが興味深い。選んだ理由のうち、最も比率が高いものを見ていくと、トヨタ自動車は「給与・待遇がよさそう」、ソニーは「高い技術力」、キヤノンは「技術者が働きやすい環境・設備」となっている。

 ハイブリッド・カーや燃料電池、さらにITS(高度道路交通システム)ともからんだ自動車の電子制御化の加速など、技術的なトピックスには事欠かない自動車業界。かつては異業種からの人材流入があまりなかった業界だが、そんな事情も最近は一転。さまざまな業界出身のエンジニアへの採用意欲も高まっている。「次世代」に向け、世界的にも競争もいよいよ激しいが、そんな中でも強固な地位を築いているトヨタへのエンジニアの「信頼感」が、この評価に現れているように思える。

 一方で、今回は2位となったものの、「技術のソニー」。例えばAIBO撤退などの残念なニュースはあったが、AV分野を中心に、常に「新しいモノ」を世に問い続ける同社の姿勢に対するエンジニアの期待感は堅いと言えるだろう。次いで、3位となったのがキヤノン。注目度の高い製品を次々に生み出している点ではソニーと同様だが、こちらは技術者にとっての「環境・設備」が最大の評価ポイントとなった。これは、研究開発活動に熱心であるとともに知的財産を重視する企業風土、研究体制の充実などが「定評」となっていることを伺わせる。
ベストテン入りを狙う新興IT企業の追い上げも
 前回13位から8位に躍進したのがシャープである。選択理由で最も高い項目が「高い技術力」である。テレビなど、家電分野でのヒットの連発が評価を後押ししていると思われる。日本電気も前回12位から今回ベストテン入りと健闘している。選択理由の3番目に「長期的な安定性」があがっているのはトヨタ自動車と同様だ。

 日本IBMとマイクロソフトは両社とも外資系だが、「高い技術力」「技術者が働きやすい環境・設備」「給与・待遇がよさそう」の順で評価されている点が共通している。一方、同じ日本企業でありながら、本田技研工業と松下電器産業は対照的な評価だ。前者が「働きやすい環境」「研究開発への熱意」「高い技術力」の順に評価されているのに対して、後者は「高い技術力」「給与・待遇」「働きやすい環境」

 両社とも、日本における技術系企業の立志伝中の人物と言える創業者を持った企業である点は共通だが、片や自らも一エンジニアとして技術開発の現場に立ち続けた本田総一郎氏、片や技術を広く世に普及させることをモットーに、ユーザーオリエンテッドな思想を貫いた松下幸之助氏。そうしたそれぞれの「技術」への、エンジニアそれぞれの志向が、このランキングの前後する両社に現れているように思える。

 一方、ベストテンには惜しくも洩れたが、グーグル(12位)、ヤフー(15位)、楽天(17位)といった新興ITベンチャーが、ランキング入りを虎視眈々と伺っている。ネット系ベンチャーに対する逆風となっているニュースはあるものの、それは技術そのものの将来性への否定ではないことは、エンジニアなら当然承知のこと。さらに、「新しい技術的提案」を持って、ベンチャー企業が生まれ躍進することは、健全な企業社会の姿でもある。3社ともに「自由な風土」を評価する率が高く、来年以降、確実に台風の目になることが予想される。
Part2 年齢?スキル不足?エンジニアはなぜ転職活動に踏み切らないのか
 
 上記で具体名を挙げてもらった企業への転職活動はどの程度行われているのか、活動中の人はともかく、その他大部分の人が転職活動に踏み切れない理由は何か、そもそもどんな条件の企業なら転職したいのか、探ってみた。
DATA2 「働きたい」と名前を挙げた企業への転職をどう思うか?
DATA2 「働きたい」と名前を挙げた企業への転職をどう思うか?
2年前から倍増!10人にひとりが転職を考え、あるいは実際に活動中
 働きたいと思っている憧れの企業への転職活動を実際に行っている人は、全体の2.4%、50人にひとりの割合である。「転職したいと思い現在検討中」が7.4%で、この2つを足すと、約1割が転職を視野に入れ、あるいは実際に動いていることになる。

 この数字を高いと見るか、それとも低いと見るか。ちなみに前回の調査では、活動中が1.4%、検討中が3.7%、両者をあわせると5.1%だった。今回、その数字が倍増した。景気の回復と企業業績の改善による求人増が、転職意向の後押ししていることも考えられる。

 一方、転職はしたいが何もしていない、あるいは、考えていない潜在転職層が3割半ば、転職は不可能、あるいはしたくない、という諦め・拒否層が5割半ばとなっている。
20代後半、30代前半、同後半、40代前半という年代別に見てみると、年代が上がるごとに率が高まるのが「転職はしたいが不可能だと思っている」と「現実には転職したくない」である。逆に年代が高まるにつれ率が低くなるのは、「転職はしたいが現在は何もしていない」。年齢や経験を積むうちに、良くも悪くも、自ら背負うものが増える。「転職は若いうちに」という意識は相変わらずあるようだ。
DATA3 なぜ実際の転職活動を行わないのか?
DATA3 なぜ実際の転職活動を行わないのか?
転職のハードルはどんどん下がっている
「スキルが足りない」「現状に特別な不満がない」「年齢が高すぎる」の3つがほぼ同じ割合で「転職活動に踏み切らない理由」のトップ3を占める結果となった。職種別に見ると、憧れの企業に転職するだけの「スキルが足りない」と感じている率が高い職種は、上から順に、光学技術、ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)、通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)、パッケージソフト・ミドルウェア開発、システム開発(Web・オープン系)、サービスエンジニア。
「現状に特別な不満がない」職種は、セールスエンジニア、FAE、ネットワーク設計・構築(LAN・Web系)、運用・監視・テクニカルサポート、保守、運用、監視、テクニカルサポートだ。同じく「年齢が高すぎる」と思っている職種は、サービスエンジニア、制御設計、光学技術、品質管理、製品評価、品質保証、生産管理である。

 年齢別に見ると、これは当然だが、若いほど「スキルが足りない」と思っている層が、逆に年長になるほど「年齢が高すぎる」と思う層が増える。20代後半で「スキル不足」痛感派は34.7%、40代前半で「年齢超過」派が37.5%となっている。

 こうした現状に対し、リクルート ワークス研究所主任研究員の豊田義博氏は話す。「いまはエンジニアにとって未曾有の売り手市場です。労働力人口の減少はすでに始まっていますし、団塊世代の大量退職もそこまできています。スキル不足、年齢超過は、転職を妨げる要因にはなりません。みなさんが思っているより、転職のハードルは想像以上に低いと考えたほうがいいでしょう」。
DATA4 どんな企業だったら転職したいと思うか?
DATA4 どんな企業だったら転職したいと思うか?
休みと余裕がほしい! でも自分の技術は存分に生かせる会社にいきたい
 技術進化の早さ、短納期化による労働時間の増加など、エンジニアにとって「日々の仕事に追われる現実」は、これまでTech総研でも幾度となく取り上げてきたテーマである。こうした最近の状況を考えると、「何にはともあれ、休みやゆとりが欲しい!」と多くのエンジニアが思うのも当然のこと。「最新の技術を習得する機会の多い企業」のウェートが相対的に下がっているのは、その表れと見ることもできる。

 とはいうものの、やはり「技術」あってこそのエンジニア。単に“後追い”ではなく、やはりその企業なりの――ひいては自分なりの独自性や新規性を発揮したいという、技術や仕事に対する貪欲な姿勢は衰えていない。「技術開発のウェートが高いなど、技術指向が高い」「受託開発だけでなく、自社製品を作っている」が1、2位を占め、その得票率が前回より目立って増えている。。

 前回と比べて大きく変わったのは、「技術力や仕事を正当に評価してくれる」の得票率が5ポイント以上下がり、順位も2位に落ちたことだ。この現象を先述の豊田氏は「2年前は新しい評価制度である成果主義が各企業に入ったばかりで、ちょうど、運用に関する不満が続出していた時期にあたりました。現在はいくつかの問題がクリアされ、どこの企業も評価に対する不満が出にくくなっているからでしょう」と分析する。「実力に見合った権限が得られる」という項目が得票率を減らしているのも、成果主義導入によって引き起こされた現場のマネジメントにおける混乱が、ひとまず落ち着きつつあるから、という見方もできる。
エンジニアにとって風は追い風。悩む前に跳んでみては
 どんな企業に転職したいのか。実際の転職活動の状況は。なぜ活動しないのか。そもそもどんな条件の企業に転職したいか。今回は、こうした4つの切り口で、「エンジニア転職の現在」を明らかにしてみた。

 最後に強調したいのは、現在、転職に関して、かなり強い追い風が吹いているということだ。「エンジニアに限っていえば、多くの企業で人出不足の状態が続いています。最近は特定の深いスキルを身につけている人よりも、幅広く技術がわかるマルチタスクのエンジニアを求める傾向が強まっています。35歳転職限界説がまだ根強いようですが、成果主義の導入で年功主義も薄まりましたから、年齢が気になる人でも挑戦してみる価値は十分あります」(豊田氏)。

 厚生労働省の発表によれば、2005年12月の有効求人倍率が1.00倍となった。1992年9月以来、13年ぶりの1倍台への復帰だ。こうしたマクロ数字を見ても、現在はバブル崩壊以後、最大の転職市場活性化の時期だということがわかる。

 といっても、忙しくて転職活動をする暇がない、という声が聞こえてきそうだが、そういう人はネット上にレジュメを登録しておくだけで、他企業の評価が測れるリクナビNEXTスカウトを活用してみてはいかがだろう。
  調査概要
 有効回答数 3074件
 調査期間 2006年1月
 調査対象 日本国内在住者
 対象年齢 25〜45歳
 対象職種 ソフトウェア系職種(コンサルタント、SE、ネットワーク関連)
ハードウェア系職種(電気・電子関連、機械・メカトロニクス関連)
化学・素材系職種
 調査方法 インターネット調査会社のパネル会員に向けたインターネット調査
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  宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ  
宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
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以前に比べて、転職による収入変化や、入社後の不安による転職への悩みは減ってきているようです。でも、「現状に特別な不満がない」と回答したエンジニアたちも、評価や労働時間、収入など、細かな要素で現状を見ていくと、すべてに満足している人はやはり少ないようです。エンジニアニーズが高まっている今こそ、自分の市場価値を測れる最大のチャンスタイミングです。企業からのオファーを待ってみるのもいいかもしれません。
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