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次世代バンキング、FINALUNA……SIの巨人はどう動くのか:金融システム戦国時代!NTTデータの金融系SE採用戦略
銀行など金融業界では不良債権処理がおおよそ片づき、合併・統合も一段落、景気上昇もあってITシステム投資が復活し始めた。この傾向に拍車を掛けるのが、金融自由化に伴う商品の多様化と顧客囲い込みの強化だ。そんな中、日本最大のSI企業であるNTTデータが動き出した。  
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ 撮影/三浦健司) 作成日:05.10.26
Part1 要求高まる金融業界に対するNTTデータの戦略

 差別化と競争力強化に動く、銀行、証券、保険、カードなどの金融機関。この潮流を受けて、NTTデータが金融システム戦略の強化を開始した。エンジニア採用と併せて、金融ビジネス推進部の小野部長にお話をうかがった。

NTTデータが進める金融システム戦略
NTTデータが進める金融システム戦略図
基盤系だけでなく情報系システムにも展開
 金融業界のITシステムは今、大きな転換期にある。多くの企業では業務効率化によるコスト削減を目的とした投資から、競争力強化やリスク管理に向けた新たな情報系システムへの投資に軸足を移し始めている。

 大きな理由は2つ。ひとつは不良債権問題が収束に向かう一方で景気が上向きとなり、IT投資を再開できる体力がよみがえってきたこと。もうひとつは銀行、証券、生保、カードなど金融機関内での販路やサービスが自由化され、新たな金融商品が続々誕生する中、リテール(主に個人向けの金融業務)市場での顧客囲い込みが激化していることだ。

「金融機関同士の垣根が低くなり、異業種からの参入企業も増えている。これはビジネスチャンスです。弊社は大規模な基幹系システムを得意としており、お客さまは新たな価値を生み出す情報系システムの導入に積極的です。われわれは両方に注力していきます。基幹系ではオープン系への移行を進め、メインフレーム並みの機能と信頼性を実現します。このために『次世代バンキングシステム』を開発中です。また、情報系では、CRMや信用リスク管理システムなどを新たに提供していきます。その基盤となるのが『FINALUNA』です」
 このほかにも営業支援や融資査定といった周辺系システムの開発、店舗戦略のコンサルティングや、電子認証やICカードを使った業務効率化など、新領域への進出も新しい柱となる。
小野 修一氏
小野 修一氏
金融ビジネス推進部
企画部 人事研修担当
部長
出身業態を問わず力のある金融系SEがほしい
 
 小野氏は金融機関のIT投資に向けた胎動を、ここ1年くらい肌で感じているという。しかし、この状況に安穏としているわけではない。
「確かにシステム開発のニーズは拡大していますが、これは短期的に見た話です。中長期的には競争がますます激しくなっていきます。だからこそ、今から勝ちにいきたいのです」
 そのために必要なのが金融系エンジニア。具体的には基盤系と業務系の両方のSEと、プロジェクトのリーダークラスだ。

「お客さまの要望は高く、そして厳しくなっています。このような要件を翻訳してシステムに落とせる人がほしいですね。弊社の金融システムを支える、核になる仕事です。業務系SEの条件としては、金融に関する業務知識や実務経験です。逆にそれさえあれば、銀行、保険、証券、信託などあらゆる金融業務の出身者が対象となります。いわゆるシステム子会社やSIベンダーで働いている方も歓迎です。金融系のシステムを経験しているプロジェクトマネージャや、基盤系SEも求めています」
 NTTデータがエンジニアの中途採用を本格的に始めたのはここ数年のこと。それが今回、ひとつの戦略としてエンジニア獲得に大きく舵を切った。
 
Part2 バンキングシステムのエンジニアが語る:一緒に「次世代バンキング」を創りたい
 メインフレームの信頼性や運用性を確保しながら、基幹系システムをいかにしてオープン系に移行させるか。NTTデータの出した答えが「次世代バンキングシステム」だ。その企画に携わる窪田課長にお話をうかがった。
NTTデータの標準バンキングアプリケーションが第一弾
 窪田氏は業務系に7年、基盤系に10年と、双方の開発に携わったSE。現在は「次世代バンキングシステム」を企画するメンバーだ。
「次世代バンキングシステムでは、オープン系基盤を使用した基幹系システム構築を企画中です。NTTデータの標準バンキングアプリケーションが、その第一弾となります。従来の基幹系システムは周辺のサブシステムが追加されていく都合上、どうしても機能が混在してしまいました。特に金融業界は銀行と保険といった業態を超えた連携、金融自由化による新商品の増加などがあり、いかに効率よくコンパクトにシステムを開発するかが課題となっています」

 そのための設計手法として「SOA」(Service Oriented Architecture)がある。点在しているシステムをインターフェースでまとめて、ひとつのエンタープライズシステムとして統合させることだが、次世代バンキングシステムでも使われている。
「今は、次世代バンキングシステムのロードマップをつくっています。エンジニアとしての私の集大成ですね」
30年にわたって蓄積されたノウハウをオープン系に移植も
 窪田氏は入社以来SEとして活躍。地方銀行の勘定系システム設計、都市銀行の資金・証券系システム設計、協同組合の共同センターシステムの構築などに携わってきた。業務系から基盤系に移って10年以上たつが、大規模なシステムをまとめる基盤系SEには、「思想」が必要だと語る。
「業務の複雑な内容を理解し、イレギュラーな問題を想定して、アプリケーションの体系を組み上げるには、『かくあるべし』という思想が大切です。ただ、メンバーも百人千人単位ですので、実装の落としどころを考える必要もある。現場ではディスカッションも欠かせません。意見の対立があっても、それが仕事のレベルを上げるのです」

 次世代バンキングシステムでは、昭和40年代から構築してきた基幹系オンラインシステムのノウハウを、オープン系に移植する作業もある。当然何らかの障害も予想されるが、こんがらがった「スパゲティ状態」をほぐすのもエンジニアの醍醐味という。
「整然とつくられたシステムでも、アプリケーションやシステム間のつながりが増えてくると、まさに『スパゲティ状態』。その密接な関係を独立して再構築するインターフェースが難しいのですが、だからこそ面白い。しかも、5年、10年、あるいは15年先のシステム像を考えて構築するわけです。ワクワクしませんか?」
窪田 靖巳氏
窪田 靖巳氏
金融システム事業本部
次世代バンキング推進室課長
こんな人と一緒に働きたい
窪田 靖巳氏
思想あるエンジニアの考えが聞きたい
 思想をもってアーキテクチャを語れる人と、丁々発止をしながらモノづくりをしていきたいですね。業務知識は基礎がわかっていればいいですし、技術は基盤回りの連携やノウハウがあればOK。私には私の考えがありますが、当然違う意見もある。一緒に仕事をして、その考えをぜひお聞きしたいのです。
Part3 オープン系エンジニアが語る:「FINALUNA」には人の視点が必要です
 NTTデータが2004年6月から提供している、業界初の情報系システムの構築ソリューション体系「FINALUNA」。構築メンバーである廣瀬純一郎氏は、金融系のオープン系システム開発技術の、ノウハウを集約した結果だと語る。
「技術の目利き」が6年をかけて開発
 入社後の5年間、銀行との合弁システム子会社に出向した廣瀬氏は、オープン技術を適用した金融デリバティブシステムの開発に携わるなどして経験を積み、本体に戻る。それから銀行、証券、保険などの個別の案件を扱うSI部門の、基盤技術支援チームに所属するのだが、このチームがFINALUNAの開発母体となった。
「オープン技術のノウハウを集約したいと思い、98年から6年をかけて開発しました。今では40人ほどのチームで活動しています。目的は『お客さまに使ってもらえること』。技術力だけでまとめても、お客さまのニーズやプロジェクトの実態に合わなければ意味がありません。開発に当たっては、現場に密着した技術集約組織を定着させることが、最も難しかったですね」

 廣瀬氏は2003年、金融本部で初のシニア・スペシャリストとなった。いわばNTTデータ内の「技術の目利き」である。技術戦略の方向づけを行ったり、「このシステムにはこの技術」といった個別の提案や助言も行う。
「年間で60案件ほどお客さまにシステムの提案をしています。そこで知り合う顧客やベンダーさんなど、関係者との会話が情報源です」
目に見えないシステムだから「人」を感じる
 昨年発表したFINALUNAは、金融機関向けの情報系システム構築の分野における、業界初のソリューション体系となった。情報系システムの共通処理だけではなく、金利計算や取引履歴といった業務処理を72個のコンポーネントに細分化でき、開発生産性を従来の20%向上できるという。東京証券取引所の次期システム「Target」への採用でも知られ、NTTデータは2007年までに、FINALUNAで120億円の売り上げを目指している。

 こうした情報系システムの開発受注が増加すれば、それだけ課題も多くなる。廣瀬氏は「トラブルは必ずある」といい、迅速な対応の仕組みを考えることが肝要だと語る。ポイントは「人」だ。
「自分の力だけではどうしようもありませんから、メンバーやプロマネや協力会社さん、お客さまにも動機づけをし、できる限りの支援やサポートを行います。システムには形がなくて目に見えない分、人の視点が大切なんです。無機的なイメージがありますが、システムは人が使うために人がつくるもの。とても人間的な存在だと感じています」
廣瀬 純一郎氏
廣瀬 純一郎氏
金融ビジネス事業本部 金融戦略情報システム開発部
システム企画担当
シニア・スペシャリスト
NTTデータのココが面白い
廣瀬 純一郎氏
国内最大のSIerで技術の流れに影響できる
 NTTデータのよさは、ハードベンダーではないため、世の中の製品から個々のシステムに最適なものを組み合わせて構築できること、国内最大のSIerとして技術を切り口に大きな付加価値を出せること、その技術の舵取りができることですね。いや、舵取りというと船長ですから、違いますね。いなくなったら困る裏方、そう、機関士かな(笑)。
こんな金融系エンジニアの方をお待ちしています!
 主に業務系SEと基盤系SEの方、およびプロジェクトリーダークラスを希望します。
 基盤系ならオープン系の知識や経験、業務系はプロジェクトチームをまとめる仕事が多いので、コミュニケーション能力がポイントです。リーダー経験があるSEの方なら、プロジェクトリーダーとして採用することもあります。
 採用人数などはまだ確定していませんが、かなり増やす予定です。
 金融系システムはミッションクリティカルで開発条件が厳しく、幅広い知識も必要です。だからこそ、エンジニアとしての醍醐味が強く感じられる仕事ではないでしょうか。
小野 修一氏
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  高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ[]  
高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
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金融系システムを経験したSEの方は、想像以上に多いのではないでしょうか。基幹系なら何百人単位の開発部隊も珍しくないし、情報系なら案件はさまざまに分かれます。NTTデータさんの採用戦略はひとつのチャンス。今後の情報をウオッチしてみてはいかがですか?
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