エンジニアの聖地“アキバ”での目利きショッピング

ラブリィ洋子の技術deデート　第3回　秋葉原とつくばエクスプレス　メチャ楽しい!　エンジニアの聖地（？）“アキバ”での目利きショッピング

今、ドラマでも注目のスポット“秋葉原（アキバ）”。アキバでのデートは、いわゆるデートスポットとは違う、楽しさや面白さがありそう。今回はセキュリティエンジニアの彼氏とアキバでデートしてきました。

（総研スタッフ／関洋子）　作成日：05.09.28

小さいころから兄の影響を受け、実験好き。教育大学で心理学を専攻し、さまざまな心理実験を行う。就職は化学系企業。技術開発室に配属され、実験器具に囲まれる。その後、編集者に転身し、総研スタッフに。「技術」という言葉に惹かれる。

好きなエンジニアのタイプ：難しいことでもやさしく教えてくれる人
好きな食べ物：桃、びわ

第3回目のデートは、今話題（？）の街「アキバ」探訪。つくばエクスプレスが開業して約1カ月。その盛り上がりが持続しているのか、待ち合わせ場所のJR改札（電気街口）は、ごった返していた。今回のアキバデートを企画した彼氏を紹介しよう。

大学で物理を専攻。1999年、ITへの関心からソフトウェア開発会社に入社。ネットワーク運用/監視支援ソフトウェアの開発に携わる。2000年9月にネットワーク関連の会社に転職し、大規模ネットワークの設計/構築を担当。2004年4月に独立し、ソフトウェアの開発および販売会社を設立。現在は社長業だけではなく、セキュリティエンジニアとして、企業のセキュリティ対策を支援する。

「会社員時代、会社がアキバにあったんです。そのころはもちろん、毎日アキバに来ていたのですが、ここ3年ぐらい、アキバとはごぶさたしていました。ちょうどつくばエクスプレスも開業したので、話題性もある。デートスポットとしてはどうかなと思いましたが、最近のアキバを見たくて、選んでみました。アキバはパソコンや家電だけではなく、女性好みのおしゃれなインテリアのお店もありますし……。今、流行（？）の萌え系のお店もある。彼女にとっても面白い発見ができるのでは、と考えました」

　アキバ巡りの作戦を練って、最初に訪れたのはJR秋葉原駅西口前にあるラジオ会館。8階建てのこのビルには、電子部品やパソコンなどはもちろん、オーディオ系や防犯系、萌え系グッズが勢ぞろい。アキバがもつエッセンスが凝縮されている、といっても過言ではない。食玩で有名な海洋堂ホビーロビーで模型やフィギュアを観賞し、さらにアキバの「正しいお土産」を購入後、NEC系の中古パソコンなどが売られている「FIRST POINT」を訪れた。

泰平：	ぼくが生まれたころのマイコンなんかも置いてある。きっと、ここだと初めて使ったパソコンが置いてあるかも。ちょっと見てみようよ。

洋子：	昔懐かしいパソコンにご対面できればいいけど……。

泰平：	あった！　PC-9801RX。OSもハードディスクもないパソコン。5インチフロッピーディスクで起動していたんだよ。ほら、フロッピードライブが2つついている。懐かしいなあ。

洋子：	これって、1988年ごろに発売されたパソコンでしょ。何に使っていたの？

泰平：	もっぱらゲーム（笑）。ちょこっと自分でも、ゲームのプログラムをかいたりして遊んでいたんだ。

洋子：	その当時だとパソコンも高かったんでしょ。自分で買ったの？

泰平：	親父が40メガバイトのハードディスクと一緒に購入して、100万円だったかな。

洋子：	100万円!!　そんなに高かったんだ。

泰平：	そう、車が買えるぐらいの値段だったよ。でも40メガ。当時なら大容量だけど、今はもう単位が違ってケタも1つ違うよネ。

洋子：	でも、よかったね。今でも「5万9800円」で売っているんだもん。ほかの中古パソコンと比較しても、結構、高い値段がついているよ。いまだに売れるなんてすごいパソコンなんだね！でも誰が買うんだろう。

FIRST POINT

場所：千代田区外神田1-15-16 ラジオ会館5階
URL：http://www.pct-firstpoint.com/index.htm
概要：NEC販売特約店。店舗内はNEC製の新品、アウトレット、中古パソコンをそろえている。特に中古パソコンに関しては品ぞろえが豊富で、9801やFCシリーズの掘り出し物が見つかる可能性が高い。

洋子「これってかなり前のコンピュータだよね。PC-8201……。1983年??」

泰平「これがぼくの最初に使っていたパソコン「PC-9801RX」だよ。5インチフロッピードライブが2つ付いているんだ」

泰平「これが90cmからの落下にも耐えるノートPC「FC-NOTE」か。マイナス20度から55度まで動作可能だって。すごいな。でも重いよ。」

泰平「これは洋子さんが好きなIBMライクなキーボードだけど……。」洋子「でもちょっと大きいかな。」

プロ仕様（？）の「Happy Hacking Keyboard」刻印なしを持って、にっこり記念撮影。

　次に向かったのは、PCパーツ店。ラブリィ洋子の「小さくて打ちやすいキーボードがほしいんだけと……」という要求を、泰平さんが解決してくれるため。中央通りを末広町方向に向かって、東京三菱銀行の角を曲がってしばらく歩くと、右手に見えてくるビルが目的地だ。地下1～2階までの「ドスパラアキバ店」、そして5～6階の「ぷらっとホーム秋葉原店」は、泰平さんが会社員時代によく通ったお店である。泰平さん自身も使っているお勧めのキーボードがあるということで、「ぷらっとホーム」を訪れた。

泰平：	洋子さん、これがぼくの使っているキーボード「Happy Hacking Keyboard」。長時間使用しても疲れないんだ。高速入力に適した静電容量無接点方式が採用されているんだ。ソフトエンジニアの中では、結構、使われているんだよね～。あっ、安くなっている。ぼくが買ったときは3万円ぐらいしたけど、2万円弱になったんだ。

洋子：	なるほど。なんだか方式はよくわからないけど、キータッチはすごくいい感じ。

泰平：	英語配列だけじゃなく、日本語配列、無刻印モデルもあるんだよ。ブラインドタッチに自信があるなら、無刻印モデルがプロっぽくていいんじゃない？

洋子：	無刻印??　ホントだ、何も刻印されていない。私は無理かも……。自信がない。でもこれを使っているエンジニアを実際、見たことあるの？

泰平：	残念ながら、ぼくの周りにはいないなぁ。

洋子：	このキーボード、すごくいいけど、2万円はちょっと高いかな。もう少し安くてお勧めのない？

泰平：	それならさっきの廉価版「Happy Hacking Keyboard Lite2」はどう？　これなら5000円弱で買えるよ。

洋子：	そうね！教えてくれてどうもありがとう。日本語配列の黒を買うことにするわ。

ぷらっとホーム

場所：千代田区外神田1-11-4 ミツワビル 5階/6階
URL:http://www.plathome.co.jp/
会社概要：PC関連のパーツ（自社製を含む）を取り扱うショップを展開するほか、Linuxなどの先端技術を使った製品の開発、製造、販売からIT系ベンチャー企業の商品化支援なども行う。

　キーボードを購入後、向かったのはおしゃれなインテリアが置いてある、ヤマギワリビナ館。そこでワーキングチェアを見て回った。ちょっと、歩き疲れたので、昔風の喫茶店「庵」で休憩した。海洋堂ホビーロビーで購入した「アキバの正しいお土産」を開封。そして『電撃萌王Vol.8』付録の「週刊わたしのおにいちゃん」プレビュー版フィギュアを組み立ててみた。

泰平：	結構、細かいパーツでできているんだ。どうやって組み立てるのかな？

洋子：	この本（電撃萌王）の表紙に、フィギュアの完成写真が載っている。これを見て組み立てればいいのかな。あっ、このウサギかわいい♪

泰平：	本当、精巧にできているよね。女の子の目なんて、本当に細かい部分まできれいに描かれている。

洋子：	そうだね。あっ、できた。でもこれってちょっとHな感じ。こういうのが「萌え系」？

泰平：	ぼくに聞かないでよ。萌え系じゃないから。洋子さん、これあげるね。今日の思い出に持って帰って。

洋子：	うん……、ありがとう。萌え系はもう置いといて、早くつくばエクスプレスに乗りに行きましょうよ。

泰平：	そうだね。やっぱり“萌え”じゃ、燃えないよね。

　今年の8月24日に開業、東京・秋葉原と茨城・つくば（約58.3km）を最高時速130キロで走行し、最短45分で結ぶつくばエクスプレス（TX）。駅の自動改札やエレベーター、階段などにはユニバーサルデザインを採用している。またIT産業の拠点であるアキバを結ぶためなのか、列車内や駅構内における無線LAN利用のための整備が進められている（来年の3月31日まで、首都圏新都市鉄道、NTTブロードバンドプラットフォーム、インテルの3社によりIEEE 802.11b/gによる接続実験が行われている）。
　そのTXで新御徒町までいってUターン。「やっぱりアキバデートの締めはアキバで晩御飯だよね」ということで、某とんかつ屋さんに向かった。そして20時、デートは終了した。

アキバに行くのは1年ぶりでした。実は私自身はアキバに詳しいわけではなく、そのときも、携帯電話を買いに行っただけ。街をぶらぶらすることもなかったので、今回のデートがアキバデビューといってもいいぐらい。本当に新鮮でした。せっかくアキバを訪れたので、前からほしかった「疲れなくてコンパクトなキーボード」を泰平さんに相談したところ、希望どおりのものを紹介してくれました。私のつたないお願いをちゃんと理解し、言葉以上のものをくみ取ってリードしてくれる姿には、頼りがいがある人だなと感じられました。日ごろ、お客さんに対して、このような態度で接しているので、スムーズだったのでしょうね。泰平さんが「ずいぶんと変わった」といっていたように、以前と比較できないのが残念でしたが、本当に楽しかったです。

アキバに行くのは3年ぶり。会社がアキバにあったときと比べて、ずいぶんと街並みが変わったなという印象を受けました。通常縁のない「萌え系」をはじめ、新しいお店を見ることができたので、なんだか発見できたなって感じです。デートでアキバなんてちょっと無理があるかなと初めは思いましたが、実行しているうちにそんな不安も解消。高級インテリアショップでウインドーショッピングをしたり、つくばエクスプレスに乗ったりすると、たいていの女の子だったら喜んでくれるのでは、と実感しました。実は、晩ごはんを食べてからもう一度、ワーキングチェアを見に行こうと思っていたのですが、既に閉店していました。そのことはちょっと残念です。