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円満解決☆営業100人の本音調査から見えてきたワガママ営業を操るコミュニケーション術
ワガママ営業の横暴な態度や無理難題に、常日ごろから悩まされるエンジニアも多いと聞く。今回はそんなワガママ営業の本音を知り、無駄な衝突を避けて賢く反撃するためのコミュニケーション術を紹介していきたい。
(取材・文/嵯峨やよ 総研スタッフ/山田モーキン イラスト/Shu-Thang Grafix)作成日:05.09.28
「お前らエンジニアは自己チューだ!」。エンジニアに対する“本音”から探る、営業操作術
「エンジニアに対する本音」について100人の営業にアンケートをとったところ、エンジニアへの不満として最も多かったのは、「自己中心的で視野が狭い。相手の立場のことも考えてくれ」といった意見。また、特にその中の「相手の立場」という点をさらに分析してみると、1.顧客の立場、2.会社の立場、3.営業自身の立場、の大きく3つの対象別に均等に分類されることがわかった。今回は、それら3つの対象別の不満事例を元に、営業とエンジニアの橋渡しコンサルタント、松本隆博さんからワガママ営業をうまく操るためのアドバイスをいただいた。
松本隆博さん
今回の”ワガママ”営業操作術アドバイザー 松本隆博さん 
 松下電器産業株式会社とヒューマンアカデミー株式会社の共同出資によるITベンチャー企業、「ヒューマックス株式会社」取締役。長年、ITエンジニアと営業、双方の立場で活躍されてきた豊富な経験から今回、アドバイスをいただいた。また、ダウンタウン・松本人志氏のお兄さんとしても有名。
CACE1:顧客は神様、怒らせるなんて論外だ!エピソード 情報サービス営業・29歳
 エンジニアが同席した打ち合わせで、得意先の顧客が難しい案件を打診してきた。するとエンジニアが「無理です!」と即答。顧客は激怒し、結局その仕事はよその会社に取られてしまった。無理な案件でも相手はお得意さまなんだから、多少の無理は気合でなんとかしろ! そもそも顧客を怒らせるなんて非常識だ! だいたいエンジニアは口下手でぶっきらぼうなやつが多い。ちょっとは、相手に気に入られるように会話力も鍛えるべきだ。

問題点
 お得意さまには、愛想よく接してほしいのが営業の本音。しかしエンジニアにしてみれば、「無理なものは無理」であって、相手がだれだろうとその事実は変わらない。このギャップが問題となっているようだ。
松本流コミュニケーション術:「検討します」を口癖にすべし
松本CHECK!
 経験上、エンジニアは確かに口下手な人が多いんよね。同じことを言うても言い方ひとつで全然ちゃうのに、と思うことはしょっちゅう。そして、営業はその辺の機微をよう知っとる(笑)。客先に悪いイメージを与えんためには、そんな営業を存分に使うべきやね。例えばお客が目の前におるときは、案件をその場で断るんやなくて「社に持ち帰って検討します」と答えればいいんです。
 その後、営業にはしっかりと「できない」と伝え、営業に角の立たない方法で解決してもらえばパーフェクト。口下手を無理に直そうとせず、口達者な営業をうまく使えばいいだけですよ。
CACE2:会社のためだ!おまえらが無理をしろ!エピソード機会メーカー営業・33歳
 他社では「できる」案件を「できない」のひと言でいつも断るエンジニアがいる。よそにできて、うちの会社でできないなんて、単なる勉強不足か、面倒くさいだけなのか……。そもそもエンジニアは自分の都合ばかり優先して会社のことをまるで考えないから、難しい案件がきたらすぐに断ろうとするやつが多すぎる。もっと会社の利益のことも考慮して、多少無理な案件でも必死で残業してなんとかするべき。それが会社のためなんだ!
問題点
 エンジニアは固定給だから、したくない仕事から逃げているとの声も多かった。営業が、こう言ってくるときには、本当にその案件が会社のためになるケースと、「自分の成績を上げたいがため、会社を盾にしている」ケースがあるという。
松本流コミュニケーション術:「あなたも協力してください」と言ってみるべし
松本CHECK!
 そういうケースはけっこうあるんやけど、「それだけ重要な案件なら、あんたも精いっぱい協力してや!」と営業に言うてみたら、ものの見事に化けの皮がはがれよる(笑)。自分のことしか考えん営業は、そう言うと明らかに嫌そうな顔をしよるし、見ていても滑稽でしたわ。
 営業の反応を見て本性を探り、それに応じた対応を考えてみることも必要なんですわ。ただしその案件が本当に会社のためになる場合には、ちゃんと営業に歩み寄ってやらんとね。
CACE3:俺らが仕事を取ってきてやってるんだぞ エピソード ソフトハウス営業・35歳
 赤字の仕事で納期もむちゃな案件だったが、それでも客先に何度も頭を下げて通い詰め、なんとか取れた仕事。それをエンジニアは即答で断ってきた。この仕事を取るのにどれだけ苦労したか、エンジニアはまったくわかってやしない。もっと営業の苦労や気持ちを配慮してモノを言うべき。だいたい俺たち営業が仕事を取ってきてやってるんだから、おまえらは黙って言われたとおりに仕事しろ!
問題点
 エンジニアは営業の努力をまるでわかっていないというのが営業の本音。自分の仕事がいかに大変かを大げさにアピールしてくる営業は、自尊心の高いタイプが多い。
松本流コミュニケーション術:ひたすらおだてて、質問攻めで反撃すべし!
松本CHECK!
 僕もエンジニア時代、たしかに偉そうな営業はけっこうおったけど、こういうタイプはおだてるだけおだてて、逆に技術的な質問攻めで反撃してましたわ。そうすると、技術的なことがわからん営業は、質問に答えられなくて早々にどっか行ってしまう。ごっつ気持ちえぇですねぇ。これはオススメの方法やね(笑)。
 要は、営業の自尊心を傷つけると大きなもめ事に発展してしまって、無駄な時間をとられてしまうということ。うまく営業をおだてながら、得意分野で“スマートに撃退する”のが、優秀なエンジニアなんとちゃうかな。
その2 アンケートから営業の本音を探る、営業の心をがっちりつかんで楽をする!対営業コミュニケーション術とは?
 左下のグラフを見てもらうとわかるように、実は80%近くの営業が、エンジニアを「仕事のうえで必要不可欠なパートナー」と考えている。しかし、一方で、以前エンジニアに対して行ったアンケートによると、営業を必要不可欠なパートナーと考えているエンジニアは4割と非常に少ない。このことからもわかるように、営業側のほうがエンジニアにある一定の信頼を置いているにもかかわらず、それをエンジニアがつっぱねているというのが現状だ。営業の本音を理解して、エンジニア側も営業に歩み寄る姿勢も、時として必要なのかもしれない。
 また、営業にとって最も頼りになるエンジニアとは、右下グラフからわかるように、「トラブルやアクシデントのときに迅速な対応で解決してくれる」タイプだ。そのため、営業がトラブルに対峙して困ったときに迅速に対処してあげるだけでも、営業のエンジニアに対する印象はぐっとよくなるに違いない。
営業にとってのエンジニアの存在 営業にとっての「理想のエンジニア」像
松本隆博さんが語る「営業にもウケがよく、エンジニアにもためになる、とっておきのコミュニケーション術」
 今回“ワガママ営業”操作術についてアドバイスいただいた松本さんに、ご自身の経験から得た、エンジニアと営業がうまくつき合える、とっておきのコミュニケーション術について、語っていただいた。

 僕も昔、年上のワガママ営業に“キレた”経験があります。こっちは連日徹夜で仕事をしていて作業が終わった早朝、ようやく寝れるわとほっとしたのもつかの間、営業から電話がかかってまた呼び出され、さらに徹夜をして……。でもこっちから連絡すると、営業は電話に出ない。揚げ句の果て、そのワガママ営業は会社に遅刻してきましたわー。さすがにブチ切れますよ。でも、それって例えば前日の夜遅くに様子を見にきて、缶ジュースの1本でも置いていくだけでも、防げた衝突だったりするんですわ。

 そんな経験があるから、僕は後輩にあんな気持ちにはさせたくなくて、今でもちょこちょこ様子見に行ったり、差し入れしたりしますよ。
 とはいえ、これは僕がエンジニアの経験があったからこそ気づいたことやと思いますし、エンジニア経験のない営業に、エンジニアの気持ちを理解しろと言うても正直難しいですやん……。その点も考えながら、ワガママ営業とうまくつき合う秘訣を考えなあかんのですわ。

 まずいちばんのポイントは、営業に、「客先に同行してほしい」と頼まれたら、嫌な顔をせんと、積極的に同行したほうがええです。それは、エンジニア自身にとってもホンマにためになること。僕も初めて客先に出向いて、自分がつくったシステムが実際に使われている現場を見て、えらい興奮したのを覚えてます。あれ以来、仕事のモチベーションも高なったし、現場を見たり顧客の意見を聞くことで、次の開発へのアイデアが生まれる。それに顧客の顔を知っておくのと、電話だけのやりとりだと、仕事の姿勢もだいぶ変わってきます。
 やっぱり顔見知りの顧客の頼みなら、多少無理をしてでも聞こうかという気になりますし……。営業に同行を頼まれると面倒くさがるエンジニアも多いと思うんやけど、同行にはめっちゃ隠れたメリットがある。それを心に留めて、まずは客先に名前を覚えてもらわんとね。それを目標に顧客の元へと出向いて、積極的にコミュニケーションをとるべきやと思います。

 また、自分ができることはやってやるっちゅう姿勢も大事。例えば、一緒に仕事をする営業のほうが自分よりも明らかに仕事ができひんと感じた場合、こちらが積極的にイニシアチブをとってあげることが、トラブルを未然に防ぎ、効率よく仕事を進めることができます。面倒くさいからと、できない営業に仕事を任してしまうと、後でとんでもないトラブルに発展するケースも多いんですわ。そこで、自分ができることはなるべくやってあげるようにすると、営業に恩を売ることもできるし、結果的には仕事を円滑に効率よく進めることができるしで、まさに一石二鳥。一見、損な役回りに思えることでも、広い視野で見ると結果的にお得ということです。

 目の前の損得にだけこだわらず、隠れたメリットも考慮しながら、営業に恩を売っていくこと。そして、営業を味方につけて、エンジニアが苦手なことを代わりにやってもらうこと。それが大事なんだと思います。

松本隆博さん
松本隆博さん
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ  
山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
以前、掲載した「エンジニアVS営業☆壮絶バトルシーン」の続編として、エンジニアに対する営業側の本音を探ってみました。本文でのアンケート結果にもあるとおり、口では不平不満をこぼしていても、やっぱりエンジニアのことを頼りにしているんです。ですからあまり必要以上に敵対視せずもっと広い心でつき合っていきたいな、と自分に言い聞かせてます……。

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