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顧客対応型の開発プロジェクトを希望して若手SEが転職

コンサルとSIを融合させたアビームシステムエンジニアリングへ

住商情報システムとアビームコンサルティングの提携で誕生したアビームシステムエンジニアリング。両者の強みを融合したコンサル系エンジニアリング会社として、計画フェーズから導入フェーズまでを一貫して手掛ける。そんな同社へノンパッケージのアプリ開発を希望して応募した、若手SEの面接現場をレポートする。
(取材・文/須田忠博 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:05.07.20
アビームシステムエンジニアリング
応募したエンジニア 企業の面接担当者
森田光茂さん
森田光茂さん
(当時25歳)
谷 美代子氏
ユニットマネジャー
(当時グループマネジャー)
谷 美代子氏
当時の職種
アプリケーションSE
募集職種
アプリケーションエンジニア
業務内容
Javaでのカーナビ機能実現のための先行開発。
仕事内容
Javaや.netなどを使用した、ノンパッケージ企業システムの構築。
職務経歴
大学院修士課程を修了後、外資系ハードウェアベンダーに1年9カ月勤務。SEとして、クラスタ製品のカスタマイズやJavaでの開発などを担当。
応募資格
高専・短大・専門卒以上で、業務アプリシステムの開発経験がある方。開発環境は不問。
志望動機
経営戦略を実現するITスペシャリストを目指して、多岐にわたるスキルを習得したい。
募集背景
あらゆるシステム案件を手掛けられる体制を整備し、事業を拡大するための増員。
面接の流れ

人事部門の採用担当者が主に選考。面接官の選定も同部門が行う。

技術部門のグループマネジャーが1対1で面接する。所要時間は1時間〜1時間30分。
技術部門の部門長クラスが1対1で面接する。所要時間は30分〜1時間。
2次面接後2〜3日以内に再来社を通知。人事部門の採用担当者が会い、雇用条件を明示したうえで内定とする。
【通過率:3〜4割】
【通過率:6割】
Part1
2年弱の職務経歴
スキルを向上させたふたつのプロジェクト
谷:
 今日は弊社にお越しいただきまして、ありがとうございます。
森田:
 こちらこそ。よろしくお願いします。
谷:
 早速、面接を始めます。最初に、職務経歴書に書かれたプロジェクトの中から【Point1】自分のスキルアップになったと思えるものをひとつかふたつピックアップして、どんな点がプラスになったのかを説明してもらえますか?
森田:
 では、ふたつを挙げさせていただきます。ひとつ目は、今年1月から6月に担当したクラスタ製品のデザインサービスです。これは自社製品をお客さんへ導入するためのカスタマイズで、要件に基づいて最適なシステム構築を提案する仕事です。
 製品知識とともに最新の技術動向の理解が進みましたし、お客さんからのヒヤリングという業務を初めて経験しました。いずれもSE職の土台になったと思っています。

 ふたつ目に挙げたいのは現在担当中のプロジェクトです。これは某自動車メーカーから依頼された案件で、Javaでカーナビが作れるかどうかを検討するものです。最先端のJavaの使い方をWebで調べ、実際に機能を開発して信憑性を評価したり、Webにも表れていない使い方を知る方法を探すなどです。
 このプロジェクトの担当になったことで、Java技術の知識が深まりました。
設計書とメンバー管理の実務経験
谷:
 ひとつ目のプロジェクトではメインプログラマと記載されていますが、3人のうちの1人が森田さんで、ほかの2人を引っ張って仕事を進めたということですか?
森田:
 いえ、厳密にはリーダーではありません。3人とも同じ位置付けでしたが、私が重要な部分を担当し、同時にほかの2人をサポートしたという経緯から、メインプログラマと書きました。
谷:
 【Point2】このプロジェクトでは設計書を書きましたか?
森田:
 はい、書きました。
谷:
 そうすると、プログラマとは書かれていますが、ひと通りの開発業務を行ったと解釈してかまいませんか?
森田:
 はい。ただし、がっちりとした設計書にまとめたわけではありません。カスタマイズが目的なので、簡略化した設計書です。
谷:
 ふたつ目のプロジェクトでも一連の業務を担当しているのですね? しかも、チームのサブリーダーとして?
森田:
 はい、そうです。仕事はJavaでの基本・詳細設計です。サブシステムを任せてもらい、外注のプログラマとともに開発し、テストができる納品物まで仕上げる作業もしています。
谷:
 【Point3】預かっているメンバーは何人ですか?
森田:
 常時では1人で、必要に応じてもう1人が加わります。
谷:
 【Point4】メンバー管理で苦労する点はどこですか? 何か工夫をしていますか?
森田:
 【Point5】このプロジェクトではお客さんも開発部隊も地方都市に拠点があり、私たちが週に1〜2回出向く形を取っています。開発メンバーを管理するにはコミュニケーションが重要ですが、電話ではなかなか難しい。それで、詳細設計書をきめ細かく書くようにしています。
Point1
[面接官]こう質問すると、応募者は経験の中から「自分のウリ」になるものを選んで説明します。こちらとしては、最初にざっくりと技術力や業務スキルのレベルを推測しておきたいのです。同時に、キャリアの志向性や意識レベルも見えてきます。
[応募者]私は業務経験を事前に整理して面接に臨みました。自分にとっての仕事の意義を、担当プロジェクトごとにはっきりさせておいたのです。ですので、この質問に戸惑いはありませんでした。
Point2
[面接官]経験2年未満の方なら、どんなに小さなシステムでもいいですから、最低1回は設計書をまとめた実務経験がほしいところ。それで、ずばりと聞きました。
Point3
[面接官]若手SEとはいえキャリア採用ですから、ある程度の即戦力性は求めます。そのスキルのひとつがメンバー管理です。
Point4
[面接官]プロジェクトを成功に導くカギのひとつはメンバー管理です。管理をうまく行うには場数が必要。その中で苦労し、自分なりの注意点やコツをつかむものです。この内容を聞けば、本当にメンバー管理をしてきたかどうかの判断がつきます。
Point5
[面接官]この答えには好感を持ちました。弊社でも遠隔地のお客さんや開発部隊と仕事をするケースは割と多いので、役に立つ経験です。このような点は職務経歴書には表れにくいので、ぜひ面接時にアピールしてほしいですね。
Part2
Javaのスキルレベル

大学院時代から独学で学び始めたJava
谷:
 ところで、【Point6】Javaに接したのは新人研修のときが最初ですか?
森田:
 大学時代に独学で始めました。遊び感覚でアプレットをつくったりしました。体系的に学んだのは入社後の集合研修のときです。
谷:
 大学での独学は何年くらいでしたか?
森田:
 大学院の2年間です。
谷:
 アプレットをつくるというのは、例えば人形を動かすなどのレベル?
森田:
 はい、球体が壁に跳ね返るとか(笑)。Javaでなくともできるものでした。
谷:
 研修ではどんなものをつくりましたか?
森田:
 在庫があり、受注入力画面があって、在庫から引き当てるという処理システムを、2週間程度で設計から開発まで行いました。実習の前にはJavaの基礎技術講習があり、オブジェクト指向の概論も学びました。
谷:
 入力画面からつくって、ボタンを押すと動くところまで仕上げたのですか?
森田:
 はい、そうです。
谷:
 サンプルを参考にしたのですか?
森田:
 いえ、ほとんど何もない状態から始めました。5〜6人のチームでひとつをつくる実習でした。
Javaを使ったプロジェクトの実質的なサブリーダー
谷:
 そうやって覚えたJavaを実際の開発で使ったのが、社内用の×××システムですね?
森田:
 はい。3カ月で完成させました。
谷:
 【Point7】このプロジェクトで森田さんはサブリーダーになっています。新人研修を終えたばかりなのに、どうしてですか?
森田:
 人員構成は1人が上位者で、あとは全員が新人でした。新人5人の中でJavaについては私が頭ひとつ先行していたために、4人をサポートする立場になりました。その結果、メンバーの作業を見渡すことになったのです。正式にサブリーダーを命じられたわけではありませんでしたが、実質的にはその役割を果たしたと思っています。
谷:
 わかりました。そうすると、詳細設計はリーダーにレビューしてもらったのですか?
森田:
 はい。小さなシステムなので正式の形ではなく、「こうつくっていいですか」とか「これで大丈夫ですね」という確認程度でした。
谷:
 それでは、きちんとした設計書を作成したうえでのレビュー、完成品でのレビューを受けるという手順を踏んだのは、今のプロジェクトが初めてということですね?
森田:
 そうです。今の仕事では紙ベースで細かにまとめて、意見をもらう形になっています。
谷:
 これまでの仕事で技術的に最も苦労したところは、どこですか?
森田:
 今の仕事でのJavaです。【Point8】カーナビに使うJavaは組み込み用のJ2MEで、これまでなじんできたJ2SEに比べて仕様が制限されています。J2SEなら簡単なのに、J2MEでは難しかったり手間がかかったりする場合があるのです。この条件の違いに苦労しています。
Point6
[面接官]]私がマネジメントしているグループではJavaを使用するプロジェクトが多く、重要な技術スキルとなっています。現在担当中のプロジェクトでJavaをメインに使っているので大丈夫とは思ったのですが、体系的に学んでいるかどうかが気になりました。
[応募者]Javaが採否を分けるポイントのひとつだと予想していましたし、「自分のウリ」でもあったので、どんどん尋ねてほしいと思いました。
Point7
[応募者]この質問は当然されると思っていました。別のプロジェクトでメインプログラマと表記したのと同じ理由で、実質が伴っていれば強調して書いても、面接で説明すればよいと考えたのです。書類選考をパスしやすくするための作戦でした。
[面接官]経歴書を読んだとき、ここの表記がとても不思議だったのです。しかし、説明を聞いて納得しました。このとおりであれば、能力の高さの客観的な裏付けとなります。
Point8
[面接官]この答えから、Javaのスキルレベルは中級程度だろうと判断しました。若手としては十分です。
Part3
転職理由、志望動機、入社後の希望

開発型プロジェクトのマネジメント職を希望
谷:
 森田さんの社内での評価は、同期の中で上位にあると推測できます。それなのに、どうして転職したいのですか?
森田:
 今の勤務先はハードウェアベンダーです。自社製品には詳しくなりますが、それは社内でしか通用しません。汎用的な能力を身につけるべきだと気づきました。そんなときに担当したのが今のプロジェクトです。

 お客さんから要件を聞き、提案し、お客さんの望むものを開発する。それも、自社製品とはまったく関係ない。このプロジェクトに参加して初めて、私の希望はこういう開発型プロジェクトのマネジメントだとわかりました。
 ところが、今のような仕事は社内でレアケースなのです。この先、希望する経験を積める見込みは極めて少ないとわかり、少しでも早く転職しようと決心しました。
谷:
 希望するキャリアパスがはっきりしてきたということですね?
森田:
 技術基盤を固めるために選んだ就職先ですが、幅広い技術、知識、提案・交渉力、プロジェクト管理スキルなどを、バランスよく習得したいと考え始めました。
谷:
 弊社を志望するのはなぜですか?
森田:
 ひとつには、私の望むキャリアパスが踏めること。もうひとつには、ポテンシャル重視で採用を行っていること。【Point9】さらに、御社はアビームコンサルティングとの垣根が低く、プロジェクトをいっしょに進めていると聞きました。それには非常に魅力を感じます。プロマネのスキルを習得しながらコンサルティングのスキルも現場で学べるのであれば、最高の環境です。
「おまえに任せた」と言われるプロになりたい
谷:
 もし弊社に入社したら、【Point10】今すぐにどんな役に立てると思いますか?
森田:
 そうですね。1番目に、Javaの技術では何らかのお役に立てると思います。2番目としては、リーダー的な業務です。浅い経験とはいえ、リーダー業務の実地訓練は今の会社ですんだものと考えています。メンバー管理やスケジュール管理なら、すぐにでもできます。
谷:
 それならば、【Point11】長期的に考えて10年後、20年後にはどうなっていたいと思いますか?
森田:
 私が希望するキャリアパスは先ほどお話したとおりですが、【Point12】10年後の目標となると、プロジェクトマネジャーかコンサルタントのどちらかになると思います。どちらになるかは今後、適性を見極めねばなりません。はっきりいえるのは、お客さんから「おまえにすべてを任せた」と常に言ってもらえるようなプロになりたいということです。
(このあと、谷氏は英語力について尋ねて、最後に森田さんからの質問を促した)
Point9
[面接官]同様の志望理由を挙げる応募者はたくさんいます。弊社の魅力のひとつであることは間違いありません。しかしながら、弊社はあくまでもエンジニアリング会社です。親会社に入るかのような錯覚をされては困ります。技術力重視でのスキルアップ志向があるかどうかは、大切なチェックポイントです。
[応募者]この言葉は、ホームページの情報から受けた印象をもとにしています。いわば、私の期待感。現実から外れているかもしれないし、上辺だけを話していると受け取られるかもしれない。多少の不安交じりで答えたことを覚えています。
Point10
[面接官]この質問は、キャリアの少ない人ほど意地悪に感じるはず。しかし自身の強みを少しでも考えて面接に挑んで来た人なら、即答でも何らかの答えが出せるのではないかと考えました。また、この質問をするころには、およその採否を既に決めています。入社後に、指示された研修を受講する、言われた仕事をするだけで はなく、自ら何かをつくり出す意識を持ってほしいことを、暗に示す効果も狙っています。
[応募者]正直、この質問には戸惑いました。短いキャリアの中で自信がもてたものを挙げるだけで精いっぱいでした。
Point11
[面接官]この質問の目的は志向性の再確認です。10年後に経営コンサルタントになりたいなどの答えが返ってきた場合には、当社の方向性と若干ずれるため、その内容を詳しく尋ねる必要が出てきます。
Point12
[応募者]どこでも通じる技術力を備えることが当初の目標です。将来的な職種の選択は、その武器を手にしてからでも遅くありません。ただ、「顧客の満足度」は常に考えていたいと思います。
面接官はココを見た!
●面接官の目を見て話すか。
●ポテンシャルがあり、技術力を向上させていく情熱があるか。
●ひと通りの開発経験があるか。
 まず、顧客対応の基本的なスキルを探る。重要なのは話し方で、相手の目を見て話せるかどうかをチェックする。次に、現時点で柱となる技術のレベルを判定しながら、今後のポテンシャルを探る。スキルアップの情熱にも着目する。業務経験としては、要件定義から設計、開発、テスト、納品までひと通りを経験してきたかどうかを確かめる。メンバー管理や進捗管理まで経験しているのが理想。未経験の分野があればほかとのバランスで考慮する。
森田さんはコレで決めた!
「個人を大切にする小規模ベンチャーのよさが見え、
親会社のコンサルティング企業と一体化していることもわかって、
入社への意欲が高まりました」
 1次・2次面接を通じて、個人をとても大切にしている会社という印象を受けました。2次では「個人が財産。会社の力は個人から生まれる」という面接官の発言もあり、小規模ベンチャーのよさだと思いました。また、親会社のアビームコンサルティングとの関係がスムーズであることも確認できました。実は間に一線が引かれているのではと懸念していたのですが、垣根がなく一体化していると感じられ、その不安は払拭されました。
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森田さんが転職をしたのは25歳のとき。少し早すぎるのではと尋ねると、「3年待ったら第2新卒ではなくなるので、転職のチャンスが減ると思った」と答えてくれました。将来を考えた末の英断です。このような勇気ある若手からベテランエンジニアまで、今後もさまざまな面接現場を紹介していきます。
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