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顧客からの安請け合い、仕事の丸投げ、手柄の独り占め……どう反撃する?エンジニアVS営業☆壮絶バトルシーン
「エンジニア」と「営業」。仕事上は切っても切れない関係だが、時として両者に深い溝ができ、トラブルが勃発すると聞く。そんな営業とのトラブルから発展した“壮絶バトルシーン”を紹介。エンジニアの心の叫びと、理不尽な営業への反撃法とは?
(取材・文/嵯峨 やよ 総研スタッフ/山田モーキン イラスト/Shu-ThangGrafix)作成日:05.07.13
その1 ガマンの限界! 営業に猛然と立ち向かったエンジニア 怒涛の5ラウンド
『営業はエンジニアの仕事をまるで理解していない!』Tech総研が100人のエンジニアに対して実施したアンケート調査によると、そう思っているエンジニアは多い。「むちゃな案件(コスト・納期……)を取ってくる」「仕事だけ取ってきて、あとは丸投げ」etc……(図1)。このような理由をキッカケに、営業とエンジニアの衝突は日常茶飯事とのこと。しかし心の中で営業に対する不満をつぶやいていても、面と向かって口には出せず、うやむやになってしまうケースも多い。だが、それでは根本的な解決にはならない。そこでまずは、実際にあったエンジニアと営業との壮絶バトルシーンをご紹介しよう。
図1 営業と衝突してしまう最初のキッカケ図1 営業と衝突してしまう最初のキッカケ
ROUND1 「おまえらの辛気くさい顔見ると暗くなるなぁ」のひと言に…… (システム開発・29歳)
エンジニア側の主張 「辛気くさい」顔にさせたのはだれのせいだ!むちゃな仕事を取ってくるな!!VS営業側の主張 飲みも仕事のうちなんだからさあ、冗談を真に受けるなよ。
バトルシーン
 
 急ぎの案件の追い込みで僕たちシステム部門は夜遅くまで残業。そんな事情もあって、作業場は張り詰めた空気だったがそんな最中、暇をもてあましたのか、営業が作業場に突然現れた。彼は、どこかで飲んできた帰りのようで酒くさい。それだけでも感じが悪いのに、あろうことかその営業は、必死な顔をして作業をしている僕らに向かって、「おまえらの辛気くさい顔を見ると暗くなるなぁ」のひと言……。しかも今必死で作業している仕事は、その営業がむちゃな納期で取ってきたもの。にもかかわらず、「辛気くさい」と話しかけてくるそのあまりに無神経な態度に、思わずキレて激しい口論に。  
バトルが終わって……
 なぐり合いになる寸前で、凍りつくような“殺気”が周囲に漂いましたが、とにかく急ぎの案件を間に合わせることが先決で、僕らが我慢したため特に大きなトラブルまでには至らず。ただしこの件以降、エンジニア側の作業方法や状況などを営業と出会うたびに逐一話して、理解を求めるようになった。
ROUND2 SE部隊と営業、双方の部長を巻き込んだ大バトルに発展! (システムエンジニア・27歳)
エンジニア側の主張 必要経費がわからないなら、勝手に決めずに事前に相談しろ!VS営業側の主張 赤字かもしれないが後にそれが大きな仕事に結びつく、だから目先にとらわれず作業しろ!
バトルシーン
 
 億単位の費用がかかる案件であるにもかかわらず、機器費用だけでも見積もりを軽くオーバーしてしまうようなむちゃな案件を営業が受注。そんなことを知ってか知らずか、その営業は恐縮する様子を見せるでもなく、僕らエンジニアに向かって「大きな仕事を取ってきてやったぞ」と言わんばかりに自分の成果を誇示。そんな彼の様子にあまりにも腹が立って、「ウチのチームでは、この案件はできません」ときっぱり断ったところ、激しい口論に……。さらに事は大きくなっていき、最終的には営業とSE部隊、両方の部長を巻き込んでの大ゲンカに。  
バトルが終わって……
 ついに見かねた常務もバトルに参戦。むちゃな案件を取ってきた営業をしかりながらも、システム部門をなだめた結果、ようやく騒ぎは収拾した。対等の立場にある者同士の衝突を解決するためには、さらに上の上司の協力が必要。
ROUND3 営業のあまりに身勝手な仕事の進め方に思わず…… (研究特許・39歳)
エンジニア側の主張 エンジニアの努力を営業の勝手な判断で無駄にするな!VSなんとしてでも受注し、数字を確保するべき。会社の経営事情を理解しろ!
バトルシーン
 
 営業と得意先に1年以上も前から、「この案件は短い納期ではできないので発注は早めに。また、原材料の価格もアップしているので、安値では受けてほしくない」と言い続けてきた。それほど両者に念を押しておいたにもかかわらず、得意先から突然の口頭発注が入ったと営業からの電話が。話を聞くと、営業の独断で得意先の希望納期で話を進め、絶対に間に合わない納期で、しかも安値で仕事を取ってきたという。こちらの意見をまったく無視した営業に我慢ならず、思わず「できるか!ボケ!!」と受話器越しに怒鳴りつけ、電話ごとたたきつけた。  
バトルが終わって……
 得意先を説得して、なんとか納期は遅らせてもらえたが、価格についての変更はできずほとんど赤字に……。営業の軽はずみな行動は、会社にも、そして得意先にも迷惑をかけることを痛感。
ROUND4 逆ギレしてきた営業とその上司を呼び出し…… (システム開発・28歳)
エンジニア側の主張 受注する前にエンジニアに相談しろ!中途半端な知識で提案したところで、客先も迷惑だ!!VSどんな案件でもなんとかするのがプロの仕事だろう!
バトルシーン
 
 エンジニア側から見れば、絶対に実現できないシステム構成であるにもかかわらず、こちらに一切の相談もなく勝手に得意先に提案して受注してきた営業。エンジニアの観点から、そのシステムを作るのは不可能だと指摘した。すると、その営業は「これくらい、設定で何とかしろ! プロだろう?」とむちゃなことを言って逆ギレしてきた。営業は自分の知識不足からくる失敗だとまったく理解していないよう。自分がしたことを棚にあげての横柄な態度にとにかく頭にきて、その場でその営業を怒鳴りつけ、さらに彼の上司も呼び出して猛烈に怒鳴りつけた。  
バトルが終わって……
 あきらかにその営業の過失だったため、結局営業部門がすべての負担を被ることに。そのため、その営業は営業部門を外され、退職しました。筋の通った反論は、相手の上司も巻き込んできっちりと主張すべき。
ROUND5 なぐる・蹴る・取っ組み合いの大立ち回りに発展 (Webオープン開発・34歳)
エンジニア側の主張 好き嫌いで仕事をするなど言語道断!社会人として恥ずかしくないのか!?VS仕事のできるヤツをひいきして何が悪い! 気に入らないんなら実績挙げてみろ!!
バトルシーン
 
 その営業は、仕事は取ってくるものの人の好き嫌いが非常に激しい。現場においても特定の人間とは仲良くし、自分が気に入らない人間に対しては露骨にいやみを言ったり、あろうことかいやがらせとしてむちゃなスケジューリングを押し付けたりする。仕事に私情を挟みまくる子供っぽい営業。そんな理不尽な行為があまりにも目立ったので、最初は我慢していたが、ついにキレてしまい、取っ組み合いのケンカとなってしまった。  
バトルが終わって……
 社長が出てきてその場を収めたが、双方、軽傷を負ってしまった。その後、社長とエンジニアと営業との三者で、話し合いの場を設けて意見を交換し、互いに反省した。話し合って互いを理解することは非常に大事だ。
その2 アンケート結果から見る、営業とのうまいつき合い方
 壮絶バトルシーンを繰り広げた後の営業との関係は、「以前と変わらず」が6割、営業の存在を「仕事上で必要不可欠なパートナー」とみなすエンジニアがほぼ5割(図2、3参照)。この結果から、正当な意見なら激しいバトルを繰り広げても処分を受けることはなく、営業との関係も以前と変わらないケースが多いようだ。だからこそ、もし問題があるなら躊躇せず、積極的に営業に“反撃”することが、トラブルを未然に防ぎ、円滑に仕事を進めることにもつながる。

 また仕事上でのよりよいパートナーとして、営業とつき合うために日々実践している方法を調査したところ、「定期的に会議を開き案件の進捗状況を確認し合い、両者が納得いくまできちんと話し合う」、また「酒の場を設けたり、常日ごろから密に連絡をとるように心がけている」との回答が目立った。このことからも、営業が連絡や相談を気軽に持ち込める雰囲気づくりが大事なようだ。また必要があれば営業に同行して顧客先を回ったり、依頼書をきちんと記入してもらうなどの工夫も見られる。こちらもぜひ参考にしてみてはいかがだろうか。
図2 衝突シーンのその後の営業との関係
図3 エンジニアにとっての営業の存在
コラム 元営業のエンジニアが語る「トラブル回避のための営業とのつき合い方」
 エンジニアとしては珍しく営業経験もあるK・Mさん。営業とエンジニア間に生じるトラブルを、営業とエンジニア、両方の視点から分析してもらい、営業とうまくつき合っていく方法について語ってもらった。
K・Mさん(35歳)プロフィール 
医療法人情報システム部マネジャー 数度の転職で、大手電機メーカーのシステム開発部門や、外資系医療機器メーカーの営業などを経験する。
 私は営業とはいってもエンジニアの知識もあったから、上のケースであるような、知識不足によるトラブルはありませんでした。ただ、営業をやっていたときにはエンジニアの感覚も含めてものを言い、エンジニアをしていたときには営業の立場も考慮してものを言っていました。内心、逆の立場ならたまらないなあと突っ込みを入れながら(笑)。
 営業としては、長期的に見ると黒字になるので、最初損をしてでも固定客をつかみたい。一方、エンジニアは目先の利益にとらわれ、確実に利益を回収できる仕事でないとしたくない。こんな視点の違いから生まれる衝突が多いですね。この場合、多少赤字が出ても、先につながる仕事であれば営業の言い分を通すメリットは大きいですし、あまりにもむちゃな案件であれば、結局顧客の信頼を失ってしまって逆にデメリットとなります。

 エンジニアが営業とうまくつき合うためには、担当営業の力量を見極めることが大事。営業がユーザーの要望をきちんと把握しているかどうかを疑い、疑問に思った点はどんどん質問し、ユーザーのニーズを見極めることがまずは重要です。また、わからないことがあればエンジニアにヘルプを求めるようにと営業に伝えるべきです。さらに、情報伝達不足から生じるトラブルが非常に多いので、常日ごろから互いの情報をこまめに交換して互いを理解すべき。打ち合わせもしっかりと。グループウェアなどを有効利用して、「報・連・相」を徹底させるのも手です。また、トラブルが生じた際、同じ立場の者同士で解決しようとするより上司を通したほうが穏便に解決されます。

 以上、いろいろと述べてきましたが、営業、エンジニア双方にとって何よりも大事なことは、『誰にお金をもらって仕事をしているのか』を意識することです。
 以前、エンジニアと営業が衝突したことによるトラブルが起きて、最終的にどこも責任を取らずに問題がうやむやになった案件がありました。その際に一番困ったのは、でき上がったシステムを使う現場の人たち、私の場合だと医療現場にいたドクターでした。お金をもらっておきながら、相手に多大な損害を与えてしまったことが今でも苦い経験として心に残っています。
 このことからも、どんな立場の人間も、常に顧客至上主義でいることが大事なのだと思います。それさえ徹底していれば、営業とエンジニア双方の意見が食い違ったとしても、顧客のためだからと互いの意見に耳を傾ける強い動機付けにもなるでしょう。
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山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ  
山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
今回実施したアンケート結果を眺めると、エンジニアと営業の関係の深さがよい意味でも悪い意味でも改めて証明された印象を受けました。今回はエンジニアの方に対して調査をしましたので、どうしても「営業は悪」という印象になりがちですが、公平を期す意味でも、次回はぜひ営業側の言い分を多く拾い集めて、エンジニア側の問題点も深く追求していきたいと考えています。

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