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エンジニア給与WAVE! Vol.42
9割が不満!エンジニア管理職手当相場は3万円未満

企業における管理職・マネジャー像が以前とは大きく様変わりしている。変化の一つが管理職手当。手当という概念そのものがなくなった会社も多い。エンジニアはその変化をどう受け止めているのだろうか。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/kucci(クッチー) 撮影/加納拓也) 作成日:05.06.15
管理職になると給与は増える?
 かつてのように入社後の年数が一定に達すれば、誰でも管理職になれるという時代ではなくなった。若くてもマネジメント能力さえあれば管理職に登用される半面、40歳、50歳になってもマネジメント能力の面で問題があれば、課長にもなれない。もちろん、エンジニアなどの専門職では、あえて管理職コースに乗らないという道を選ぶこともある。これも、一つの人生の選択ではある。

 いずれにしても成果主義の傾向を強める時代には、管理職・マネジャー像も以前とは大きく様変わりしているようだ。変化の一つが管理職手当である。
 労働基準法上の管理監督者になると、労働時間、時間外・休日労働や休憩および休日に関する労基法の規定から除外される。簡単にいえば会社は残業手当などを支給しなくてもよくなる。もちろん、厳密には労基法上の管理監督者とは「企業の経営方針、労務人事管理方針の決定に参画し、経営者と一体的立場にあること」とか「自己の勤務について自由裁量権限があり、出退勤について就業規則上および実態上厳格な制限を受けない地位にあること」などの要件を満たす必要がある。

 現実には名目上、管理職とされていても、仕事の内容や就業スタイルは一般従業員と変わらない場合もある。それなのに管理職となったことで、責任が重くなる半面、これまでの残業手当がなくなり、実質給与総額が減じるケースもみかける。
 さらに、最近は成果主義の導入で、管理職になると賃金システムが年俸制へ移行したり、業績連動型の賃金体系になる企業が増えてきた。管理職手当という制度そのものが廃止されたり、手当の額が縮小される傾向も強まっている。つまり、管理職になったからといって、給与が大幅に増えるとは必ずしも言えなくなったのだ。
管理職手当は「2万円台まで」が最多
 今回のアンケートでは、管理職を「何人かのメンバーを管理監督する立場にある人」と定義し、職制上の係長、課長、部長といった呼称にこだわることなく、チームのリーダーやいわゆる主任クラスのエンジニアも管理職に含めている。

 これら管理職に相当する役職についているエンジニア200人に、現在の役職手当の額を尋ねたところ、「ゼロ」という回答が全体の39%を占めた。(DATA1)これは回答者の多くが「リーダー・主任クラス」で、会社によっては「リーダー」クラスには管理職手当を支払わないことがあるという理由も反映されていると考えられる。

 ただ、給与形態が年俸制だったり、管理職手当という制度がそもそもなく、手当はすべて本給に含まれているので、手当分は「ゼロ」と回答せざるを得なかった人も多くいる。
 たとえ管理職手当があっても、その額は、「3万円未満」が38%、「3万〜5万円台」が18%、「6万〜7万円台」が5%で、それよりも多い人は皆無だった。はたして月額2〜3万円というのは、管理職としての業務にふさわしい金額であるのかどうか。このあたりの判断はそれぞれに委ねるしかないが、役職手当についての満足度を尋ねれば、「かなり・まあまあ満足」が13%であるのに対して、「やや・非常に不満・どちらともいえない」が87%に上る(DATA2)など、満足度はかなり低いと言わざるを得ない。

 手当を含む現在の給与総額への満足度についても同様の傾向で、8割以上が「不満」と答えている。
 ちなみに、管理職に就いたことで、それ以前よりは「昇給した」という人は6割だった。
DATA1 エンジニアの管理職手当は3万円未満が約8割
DATA2 現在の管理職手当に満足しているエンジニアは約1割
手当額への不満度は高いが、手当そのものへの受け止め方はさまざま
 アンケートの回答欄から、管理職手当についての受け止め方をいくつか拾ってみよう。管理職手当が支給されている人の間では、役職手当がつくことに満足しようとする受け止め方がある一方で、残業代が支給されないことにより収入減を嘆く声も多い。
■現在、管理職手当が支給されている
「額的には多少不満があるとはいえ、今までやってきた仕事と負担は変わらないので、役職手当がもらえるようになっただけありがたい」(システム開発・30歳)
「以前の残業代支給の方が収入は良かった」(システム開発・36歳)
「今は係長心得だが、正係長になると、現在の残業手当よりも係長手当の方が少なくなる逆転現象が待っている」
(生産技術・30歳)
 管理職手当が支給されていない人の間では、もちろん「不満度」は高くなる。
「今のリーダーという役目は、担当者の業務をこなしながら、主任としてのまとめ業務をこなさなければならないので、必然的に仕事が増えてしまう。それなのに手当が全くつかないのは不当だ」(システム開発・35歳)という声が印象に残った。

 しかしその一方で、「年俸制だから」と割り切る人も多い。もはや、管理職手当の額にこだわるよりも、自分の仕事に対する評価が正当に行われ、給与総額があがったほうがいいというスタンスであろう。現在の給与決定基準で何が最も重要だと思うかの質問では、「業務・成果」と答えた管理職は約3割(DATA3)。成果主義の下、エンジニアの間には管理職手当をめぐる意識の分化が始まっているようだ。
DATA3 現在の給与の決定基準で一番近いと思うのは何か?
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  宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ  
宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
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「課長になったら残業代出ないから給料下がる」。昔からよく聞くセリフですが、マネジメントの責任範囲は広がり、管理職手当の支給も廃止の方向へ。エンジニアだけでなく、不満の声は高まるばかりですが、成果主義による報酬制度の浸透によって、この状態を逆転する人も多く出てくるでしょう。次に管理職アンケートを行うときには、正当評価による満足度が上がっているといい。
そう願うばかりです。
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