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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 解析テーマ ロケット開発

H2-Aロケットの打ち上げ成功で、日本の宇宙開発が再び動き始めた。当面は国内の衛星打ち上げを中心としながら
海外への売り込みも進め、1兆円規模を目指す。ロケットの製造は先端技術と職人的技術の融合体で、
業界や業種のすそ野は極めて広い。今後のロケット増産に伴って人材ニーズ増も必至だ。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:05.04.13
H2-A打ち上げ成功で実現させたい宇宙への夢
業界事情

 今年2月にH2-A型ロケット7号機の打ち上げが成功し、長く低迷が続いていた日本の宇宙開発に、久しぶりに薄日が差した。日本の宇宙関連機器市場はアメリカ、フランス、ロシアといった宇宙大国に比べるとずっと少ないが、それでも国内だけで年間3000億円規模と、決して小さくはない。
 H2-Aの成功を機に人工衛星の打ち上げなどで他国からの受注を増やすことができれば、宇宙産業のさらなる発展も夢ではない。

 もともと宇宙ロケットは飛ばすだけなら技術的にはそれほど難しくなく、ロケットモーターは固体、液体ともに成熟技術と呼べる。スペースシャトルのようなオービタルプレーン(往還機)は別として、使い捨てロケットの場合は性能向上よりもコストダウン、打ち上げ成功率アップのほうが重要な意味をもつ。
 また、これまでの日本の宇宙開発はほかの宇宙大国と比べて閉鎖的な体制だったが、民間へ技術移管が進行中で、宇宙関連のベンチャー企業が誕生するなど、状況は少しずつ変化している。ロケットの需要増が見込めれば、参入企業は増えるだろう。

 日本は複合材、セラミック、特殊鋼といった材料系、それに加えてIT技術など、ロケット開発に必要な技術分野に強みをもっており、宇宙開発を行う潜在能力は基本的に高い。
 また、当面は市場規模1兆円を目指して産業振興が図られるものと思われるが、そのためには、先端技術を誇る民間企業の新規参入が必須。これからが、本格的な技術開発のスタートとなりそうだ。

採用動向

 ロケット開発と聞くと途方もなく敷居が高いと思われがちだが、実際には数多くの企業が携わっている。確かに、ロケット本体の設計やアセンブリーを行う企業は、現時点では大手重工メーカーに限られている。しかし、スペースシャトルに使用されるボルトが日本の中小企業によって製造されているように、ロケット技術は多数の企業の集合体であり、エンジニアについても一定の需要がある。
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 ロケット開発はある意味、職人技による高度な加工技術がモノをいう世界。先端技術が使われているのは当然だが、例えばそれぞれの部品はロケットの設計者から形状、素材など厳密な指定のもとに発注され、受注企業がミクロン単位の精度で加工を行っている。
 このような部品製造には3D-CAD、マシニング、金型などの卓越したスキルをもち、実務経験豊富な人材が求められる。

 先端技術系では重力、熱、光などの各種センサーや、レーダー、ロケットの管制システム用ソフトウェア、ロケット機体内の情報を統合するためのLANなど、経験を生かせる数多くの分野がある。また、エンジン、切り離し装置などでは、精密機械などシステム工学のスキルが生きる。

 一方、ロケットの機体をつくる材料系エンジニアのニーズも高い。チタニウム、ステンレス、タングステンなどの金属材料、コンポジット材料、セラミックなどに関連した知識とスキルがあると特に有利だ。
 ロケット開発に要求される技術レベルは高いが、そのすそ野は一般にイメージされるよりはるかに広い。宇宙開発に携わるチャンスは今後も増えそうだ。


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