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テックエンジェルの突撃ア会社訪問 Vol.5
 最新型トランスミッションは、“緊張と緩和”から生まれる 訪問先:ジヤトコ株式会社
ドライブ大好きなエンジェルが今回訪問したのは、「クルマの頭脳」と呼ばれるトランスミッション「CVT」の開発メーカー。最先端技術が結集した自動車製品の開発最前線の現場に、エンジェルが挑む!
(取材・文/山河宗太 総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:05.04.06
テックエンジェルとは?
テックエンジェル 突撃会社訪問 ジヤトコ株式会社
(編集部)   今回の訪問先はトランスミッション開発メーカーのジヤトコさんです。
(エ) なんだかメカニックな雰囲気がして、どんな職場なのか今から興味津々!
(青) こんにちは!ようこそジヤトコへ!
(小) 二人でお待ちしていました(笑)
(エ) わあっ、ビックリした! 何だかお二人ともカジュアルな格好で、メカニックなイメージが早くも崩れちゃいました。
(青) ええ、職場はみんな普段からラフな格好で仕事をしてますから。
(小) そうですよ、だからエンジェルさんもリラックスしながらうちの職場をのぞいてください。
(エ) わかりました!
 
今回の案内役、青木さんと小林さん
  こちらが今回の案内役、青木さん(右)と小林さん(中)
company profile
ジヤトコ株式会社 大手自動車メーカー日産自動車などが出資しているオートマチックトランスミッション専門メーカー。現在は次世代トランスミッション「CVT」の開発・研究に力を入れている。本社は静岡県富士市にあるが、今回は新横浜にある開発センターを訪問。
今回の案内役はシリーズ初の二人のナビゲーター。青木さんは新卒入社5年目。小林さんは中途入社の2年目。共にCVTの開発設計を担当する、プライベートでもとても仲良しなコンビ。

その1 緊張感漂う職場と、明るい社員とのギャップがCVTを生み出す
(エ)   まずは、ジヤトコ株式会社の森さんにいろいろお話をお伺いしたいと思います。
(森) こんにちは。あまりしゃべることは得意ではないですが、よろしくお願いします(笑)。

(エ) いろいろ予習はしてきたんですけど、「CVT」というのが、オートマ(AT)とどう違うのかがわからなかったんですよ。
(森) おお、感激ですね。オートマチックがわかっていれば、ほぼわかっているようなものですよ。つまり「CVT」は、新しいオートマチックトランスミッションだと思ってくれたらいいわけです。
(エ) と言いますと?
(森) そうですね。今回お話しする「CVT」は、全く原理を変えてしまった変速機と思ってください。そもそもオートマチックとは、変速するギアを自動的にアップダウンさせる装置なんです。ところが、今回の「CVT」では、このギア変換の部分で大きな違いがあるんです。
(エ) なるほど。そこが最新式なんですね?
(森) 今までは変速する度に、軽い衝撃(変速ショック)のようなものを体で感じてしまっていたんですよ。ところが、「CVT」ではこの変速ショックが全くないんです。
(エ) あ〜!わかります。A/Tではギアがあがっていくとき、ガクンという衝撃、ありますよね?
(森) そうです、そうです。その変速ショックを格段に緩和したのが「CVT」なんですよ。
(エ) そうだったんですね!なんとなくそんな気がしていました(笑)。
(森) 簡単に言ってしまうと、今までのオートマチックはギアの組み替えによってスピードをアップダウンさせていたのに対して、「CVT」では、ギアに相当する円盤にベルトをかけ、この円盤にベルトが巻きつく径の大きさを調節することによってアップダウンするというものなんです。ここでどのような違いがあるのかというと、ギアを組み替えるショックがなくなったためにスムーズな変速が実現できるんです。
また変速が無段階(連続)してできるので、エンジンの効率のいいところを使うことができ、燃費もよくなり、排出ガスも少なくできるのです。

(エ) とても画期的じゃないですか!でも、このような開発をしている皆さんの職場って一体どんな雰囲気なんですか?
(森) そうですね。仕事中はどこの企業でもそうでしょうけど、弊社でも静かな緊張感が漂っています。いつも真剣勝負といったところでしょうかね。
(エ) そうなんですか。でも、そんなに張り詰めていたら疲れちゃいませんか?
(森) そこがうまくできていまして(笑)。そういう企業だからこそ、今日の案内役の二人みたいな明るい連中が活躍するんです。仕事中は真剣そのもの、終業したらそれはもう、違う部署を巻き込んでのにぎやかファミリーですよ(笑)。

(エ) そうだったんですか!つまり、しっかりとメリハリつけているっていうことですよね?
(森) そうなんです。それはとても大切なことだと思いますが、彼ら若手は、それを自主的にやってくれていますよ。それがあるからこそ、先輩エンジニアたちも新しい企画を立てることができるんじゃないですかね。
(エ) 緊張感のある職場と、そこで活躍されている明るいエンジニアの方とのギャップが、CVTのような最先端技術を生み出しているのかと思うと、なんだかとても興味深いですよね。今回は、とてもためになるお話を聞くことができました。お忙しい中ありがとうございました。
(森) いつでも歓迎しますよ。また、いらしてください。
チーフエンジニア、森さん
  こちらがCVTの制御設計担当のチーフエンジニア、森さん
これが、CVTの内部構造のカットモデル。見た目はかなり複雑です
  これが、CVTの内部構造のカットモデル。見た目はかなり複雑です
CVTのバリエーションは、車種別・排気量別など多岐にわたる
  CVTのバリエーションは、車種別・排気量別など多岐にわたる
その2 最新型トランスミッション「CVT」の開発舞台裏に潜入
不思議な形…CVTの中って興味津々!
エンジェルがCVTの穴の部分からのぞき込んでいるところ
(エ)   CVTの中ってどうなってるのかしら?
(青)   この中に、変速をつかさどるベルトと2組のプーリ(円盤)が入っている んですよ。
(エ) 一体、だれがこれを思いついたんですか?
(青) 基本的な原理の部分は昔から知られていたんですが、応用技術は毎日の激論の中で生まれたんですよ。その後、試作品が耐久実験をクリアしたときは社内で大騒ぎだったんですよ。
 
CVTの1部品クローズアップ
(エ)   ねじれたギヤって初めて見ました!
(小) ひとくちにギヤと言ってもいろんな形があるんですよ。用途に応じて、最適な形状のギヤを設計しています。
(エ) それぞれの部品に皆さんの思いが凝縮されているんでしょうね。
(小) そうなんですよ。こんな小さな部品ひとつで、職場のみんなが熱く語り合うこともしょっちゅうなんです。
(エ) すごい!
これもギヤですか?
 
ちょっとそこまでドライブしちゃう?
社員のクルマ
(エ)   あっ!セフィーロでしょ?これは会社の車ですか?
(青) ははは。よく知っていますね。これは社員の車で、出張用に使っているんです。
(エ) じゃ、じゃあ、これが「CVT」搭載ですね!
(青) 残念ながら(笑)、ちょっと型が古いので積んでいません。
 
CVTを分解・修理するための道具
(小)   これはメカニックの7つ道具なんですよ。
(エ) いろんな種類の道具があるんですね。私、トンカチとかしか知らない……。
(小) あはは。僕らみたいな設計部門にいると、普段なかなか実物のCVTに見て触れる機会が少ないんです。だから時間を見ては、自分たちが設計したCVTを分解して、そこで得た知識を次の設計にフィードバックさせていますよ。
(エ) みなさん、本当に仕事熱心なんですね!
(小) そうですね。熱心なのもあるんですが、チームワークもあるんだと思いますよ。
いろんな道具がぎっちり詰まっています!
その3 真剣勝負!? 技術にチャレンジするエンジニアたちとその施設
おいらが宴会隊長の鈴木です!
名物エンジニア
(エ)   す、すごい……。デスクの上に食料が……。
(鈴) 腹が減っては戦ができぬというやつですね。
(エ) でも、食べたら眠くなりませんか?
(鈴) なんのなんの。気持ちを切り替えてこそプロですよ(笑)。
(エ) さすが!!
 
背面エンジニアとパソコン画面
(エ)   このハンドルは? あれぇ? 自動車の本もありますね?
(青) これは「CVT」のシステムをグラフィックス化したものなんですよ。
(エ) うわぁ〜。でもエンジニアの方は真剣な表情ですね。
(青) 仕事は真剣にこなし、遊びは真剣に遊ぶがモットーですから(笑)。
むむむむ……。この画面に「CVT」の秘密が…
 
数少ない女性エンジニアの田中緑さん
女性エンジニアとオリジナルジャンパー
(エ)   あれ?皆さん、おそろいのジャンパーを着ているんですね?
(田) そうなんです(笑)。このジャンパー、社内投票で決まったんですよ。
(エ) すごい!皆さんの意見が採用されているんですね。
(田) 自分たちの職場という意識が強まりますよね。
 
真剣に議論しているエンジニア二人
(エ)   すごい真剣な雰囲気ですよ。
(小) そうなんです。仕事中は珍しくないですよ。ついつい議論に熱が入っちゃってますね。
(エ) なんか、「職場」というより「戦場」ですね。仕事の厳しさがわかります……。
(小) でも、決して仲が悪いわけではないんですよ。お互いを尊重しているからこその激論なんです。
議論!激論!新たな技術が生まれるとき……
 
今日はたまたま出張の方はいらっしゃらず、ちょっと寂しい……
出張者専用デスクスペース
(エ)   この部署はだれもいないようですが、使っていないんでしょうか。
(青) いえいえ。ここは出張者用のデスクなんですよ。富士市にある本社や厚木の開発部隊との行き来が頻繁にあるんで、いつでも通常に業務できるように準備してあるんです。たまたま今日は出張されて来ている方がいないだけですね。
(エ) 準備万端ですね。
 
水が流れる玄関
(エ)   うわ〜。社内に水が流れているってステキですよね〜。
(小) そうなんですよ。結構癒されちゃったりするんですね。
アルカリイオン発生中!これでストレス発散中!
 
広々とした開放的な公園です
日産スタジアムをバックにくつろぐエンジェル
(エ)   広い公園〜。なんかとっても開放感があっていいですよね。
(青) ええ。お昼はここで食べたりもするんですよ。
(エ) もうすぐ桜の季節でしょ?ここは咲くんですか?
(青) そりゃあもう(笑)、咲くどころか花見だってしていますよ。
エピソード……二人は今後どんな仕事をしてみたい?
(エ)   今日はこれまで、「CVT」についてお聞きしてきたんですが、ここで方向を変えちゃいましょう。お二人は、これからどんなお仕事に携わっていきたいですか?
(青) そうですね、これからは自分で企画から打ち出して仕事に参加していきたいんですよ。そして、この開発されているトランスミッションを自動車以外でも活用してみたいですよね。
(エ) 例えばどのように活用してみたいんですか?
(青) 具体的にはまだまだ考えている最中です。でもトランスミッション開発で培われた技術は、特に省エネに高い効果を発揮しますからね。応用できる可能性はたくさんあると思いますよ。
(エ) 結構、野心家ですね〜(笑)。でも、その夢はかなえてほしいですね。小林さんはどうですか?
(小) 僕はまだまだ技術を高めることができると思っているんですね。ですから、「CVT」より効率のよいものを開発するチームに加わりたいですね。
(エ) なるほど。お二人とも同じようでちょっと違うのかな?
(小) 表現や微妙なニュアンスの違いこそありますが、たどり着く場所は同じ気がしますね。だからこそ、僕らやほかの社員たちもお互いを尊重し合って仲良しなんだと思います。
(エ) 根底にあるチームプレーの原点を垣間見た気がします。もっとお聞きしたかったですが、時間がなくなってきました。
今日は本当にありがとうございました。
(青)
(小)
こちらこそありがとうございました。
青木さん&小林さんから〜「ナビゲートを終えて」
(青)   いや〜。緊張しましたよ。聞いてはいたのですが、まさか羽がついているとは……。
(小) 本当だよね(笑)。でもかわいらしかったと思います。気がついたら彼女のペースにはまっていてすっかりリラックスしていました。
(青) そうだよね。おかげでこんなにわかりにくいことを説明しているのに、こっちが楽しくなっちゃいました。
テックエンジェルの「会社訪問ありがとうございました」
今日は、皆さんがとても真剣な表情を見せていたことに驚きました。この緊張感と、その一方で、青木さんや小林さんのような根が明るい方が活躍されているこの“ギャップ”こそが、新しい技術を常に最先端で生み出しているんだろうなって感心しました。
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