今夜も飲み屋で白熱！技術ネタ☆バトル

やめられない！止まらない！気づけば周りは誰もいない!?今夜も飲み屋で白熱！技術ネタ☆バトル

仕事を忘れてパーっと飲みに行く――なんて言いつつ、やっぱり話は技術ネタ。沸き上がる「エンジニア魂」のなせる業（わざ）なのか、それとも単に「技術バカ」なのか。技術者アンケートから、そんな「ありがちシーン」を抽出！

（取材・文／河馬田英毅　総研スタッフ／木下ミカエル　イラスト／能美勉）作成日:05.03.30

　仕事の疲れを癒そうと、「どう、今夜飲まない？」なんて同僚と誘い合って、居酒屋へ。それなのに、ついほとばしり出てしまう技術ネタ。そんなネタのあれこれを、エンジニア200人へのアンケート調査から抽出、４つの類型に分類してみた。あなたはいったいどのタイプ？

　技術が好きでなったエンジニア。だからこそ、日常触れる技術や趣味の技術ネタは、やっぱり関心の中心。「やっぱりコレでしょ！」「いや、それよりこっちがいいんだよ！」と、ついつい討論はアツくなる……。

	●	酒の席でまで、WindowsとLinuxの違いについて盛り上がってしまうことが多いです。最近、開発の中心がLinux系に移りつつあるので……。（32歳・システム開発）
	●	仕事はソフトウェアですが、仲間もみんなメカ好き。古今の飛行機設計者を並べて、だれが本当の天才かで大激論！　一緒に飲みに行った職場の女の子にあきれられました。（38歳・システム開発）
	●	CPUはペンティアムかアスロンか。これでつい話が弾みます。（28歳・回路設計）

「ロボットは本当に家庭に入る？」「ユビキタス・コンピューティングの将来像は？」
──夢あるテーマだからこそ、話も盛り上がる！なんて言いつつ、自分が推す技術のこととなると、一歩も譲らなかったりして。

	●	次の携帯電話にはどんな機能が付くのか？　CDMAは、OFDMは……と、話は尽きません。（32歳・セールスエンジニア）
	●	PDP（プラズマ・ディスプレイ）と液晶、最終的にはどちらが残るのか、同僚と議論になることがあります。（28歳・サービスエンジニア）
	●	車にETCを積んだ話から、ITS（高度道路交通システム）はどうなるのか、その中でどんな技術がモノになるのかで、やたら細かい話に。疲れた。（33歳・システム開発）

　常に新しい技術を追いかけるのがエンジニアの特性──と言いつつも、古い技術に郷愁を感じるのもまた確か。ブラックボックス化した最新技術より、わかりやすさが「癒し」につながる？

	●	昔のPCの話になること、多いです。EMSがどうとか、DOSはよかったとか。……今のWindowsの環境に不満をもっているからかな？（27歳・テクニカルサポート）
	●	いつのまにか８ビットマイコンやコアダンプ、Lispマシン、記録媒体が紙テープだった時代の話題に。古い時代はよかった……。（37歳・テクニカルサポート）
	●	普通に音楽の話だったのが、レコード（CDではなく）を聴くのに理想的な機器構成、しまいにはピックアップ・カートリッジを今設計するなら、なんて話になってしまいました。（39歳・品質管理）

「ま、仕事のことは忘れて飲もう」というのが暗黙の了解だったはずなのに、やはり同僚と飲むとなると、日常の課題に話が舞い戻ってしまったり。
ああ、なんて仕事熱心なボクたち、と思いながらも、話は止まらない。

	●	ネットワーク機器、サーバー機器の冗長化の必要性と方法について、いつも話しています。（34歳・ネットワーク設計、構築）
	●	昼間もうイヤって言うほど悩まされて、それを忘れたくて飲みに行ってるのに、結局話題は、回路のノイズ除去をどうしたらいいかの議論でした。（29歳・回路設計）
	●	モーダル試験実施時のセッティングはどうするのがいいのか。ハンマリングは何Hz～何Hzまで信用できるのか。NastranのVer.はどれがいちばん安定しているのか……日常業務で問題になることを話すことが多いです。（29歳・研究、特許）

　さんざん仕事をしたあとで、技術の話なんて食傷気味になっても不思議はないのに、アンケート調査でも、「なぜか飲み屋でも技術話」になるエンジニアが大多数。

　自分たちの仕事周辺の事項が話題の出発点になることは多いが、一方では、特に仕事とかかわりなく、日常生活で触れる機器や、趣味の分野での技術が話題になることも。

「例えば、仕事とは離れた分野の話なら、好き勝手に妄想を膨らませることもできる。未来技術の話なら夢もある。それで『あ、技術ってやっぱりオモシロイよな』と、再確認できている気もします」（35歳・システム開発）

「結局話題がそれしかないんだよナ」なんて自嘲することはない。技術で悩むのもエンジニアなら、技術の中にまた活力を見いだすのも、エンジニアならでは。
「技術ネタを肴に飲める」って、とっても素敵なことだと思いませんか？

　話題が技術ではないときでさえ、飲み屋でつい出てしまうこんな口癖や行動。「あっ、エンジニアだ！」って、周りにバレてますよ！

●	ソフトを開発している同僚。自分の年齢を16進法で言います。（37歳・システム開発）
●	飲みすぎたときに「これ以上飲むとバッファーオーバーフローだ」と言ってしまうことがある。（29歳・システム開発）
●	居酒屋に置いてある調味料の容器の材質をつい調べてしまう。（33歳・生産技術）
●	重さを言うときには、kg（キログラム）でなく、いちいちkgf（キログラム重）と、重力単位を使う。（38歳・生産技術）