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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 解析テーマ 工作機械

日本の製造技術の高さを支えてきた、工作機械の技術進化が止まらない。ナノスケールのNC、金型レス加工など、
独創的なテクノロジーが次々に生まれている。日進月歩の開発競争のなか人材ニーズは常時大きく、
そこで得られるスキルのレベルも高い。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:05.03.09
日本版モノづくりの真骨頂は技術進化の真っ最中
業界事情
 ヨーロッパの景気回復、中国経済の高度成長などを追い風に、工作機械業界が復活ののろしを上げている。ロボット技術に秀でた日本は工作機械の性能では世界トップを誇っているが、バブル崩壊以後の設備投資縮小によって打撃を受けていた。
 しかし、新興工業国で設備投資が始まると、もともと競争力にたけていた日本の工作機械は他国の製品との受注合戦に勝利することが多く、業界の規模も1兆円レベルに回復している。その日本の工作機械メーカーが今、次世代の工作機械を次々に生み出しているのだ。

 例えば、3D-CADデータをもとに、半球状の先端をもつロッドを押し付けて板金加工を行うインクリメンタルNC。日本の中堅工作機械メーカーが考案したこの装置は、金型レスで高精度の試作品をつくったり、少量生産の場合は本加工を行えることなどが特徴だが、低コストで多品種少量生産を実現できるとあって、世界の製造業から注目を浴びている。
 また、数百キロもある台座を、光センサーなどを用いてミクロン単位で位置決めする技術などはもはや常識。最近では駆動に高精度リニアモーターを使用した機械、エキシマレーザーなどの新世代レーザーを使用してナノスケールの加工を可能にする機械などもあり、技術進化の例は枚挙にいとまがない。

 ナノテクノロジー、燃料電池といった環境技術、新材料など、モノづくりを次のステージに上げる技術が世界で話題になっているが、それらの加工のほとんどは、日本の工作機械を使わずしてはなし得ない。工作機械を手がけることは、世界最先端のモノづくりと常に接することと同義なのだ。
 ハイエンドテクノロジーに関心のあるエンジニアにとって、工作機械業界は仕事に喜びを見いだせる、隠れたユートピアといえよう。


採用動向
 工作機械は常に技術革新が求められているため、エンジニアの人材ニーズは好不況を問わず高い。リクナビNEXTでは、「工作機械」「産業機械」「NC」などをキーワードに検索すれば求人情報をゲットできる。

 エンジニアに求められるニーズは多様。現在の工作機械は高度なマシニング加工を実現するため、ハードウェアでは高精度アクチュエーター、ソレノイド、各種センサー、リニアモーターなど、ソフトウェアでは3D-CADなどのグラフィックソフト、高精度制御アルゴリズムなど、無数のテクノロジーの融合体である。転職希望者にとっては、それだけスキルの間口が広いということを意味している。

 スキルの例を挙げていくと、ハードウェアでは2Dないし3D-CADによる機械設計、アクチュエーターなどロボット技術全般、駆動のためのモーター、油圧などの動力を手がけた経験は歓迎される。光、重量、温度などのセンサー全般、制御用回路設計の経験も採用には有利だ。
 ソフトウェアでは組み込み系(RT-Linuxなど)や、制御アルゴリズム構築(特にロボット)の経験が有利。また、ロボットに限らず物を動かすためのミドルウェア、アプリケーション開発経験者も優遇される。

 工作機械は幅広い分野のエンジニアに門戸が開かれており、その仕事はまさにグローバルスケールであるものが多い。転職を希望するエンジニアにとってはかなり「狙い目」な業界とも呼べる。
 ただ、それだけにエンジニアにかかってくる責任も大きく、相応の意欲と覚悟が必要だろう。


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