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41%のエンジニアが給料は飲食費に消える |
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「給料の使い道で、毎月最もお金を使うものは何ですか」という問いに対して、最も回答が多かったのは「飲食費」というもので41%。次が住宅家賃などの「居住費」24%、3番目が「貯蓄・利殖」の10%だった。「食べる・住む・貯める」は、20〜30代の消費の主要項目だが、やはり飲食費が最大の費目だという人が多い。(DATA1)
最大の支出項目に挙げられたものをさらに見ていくと、4番目に「デート・交際費」の5.7%。以下、「クルマ代」(3.7%)、「ギャンブル代」(2.7%)、「書籍代」(2.0%)、「旅行費」(2.0%)、セミナーなど「技術習得に関する費用」(1.7%)、「洋服代」(1.3%)と続く。
ギャンブルに一番お金を使う人が2.7%いる一方で、書籍代、セミナー代が最大支出項目という人もわずかだが存在する。書籍にはアニメ、マンガなどの趣味的読書も含まれるのかもしれないが、教養・教育費にお金を使うというのは、20〜30代の自己投資としてはまっとうなありかたのように思える。
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毎月の平均貯金額は5.8万円 |
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こうして順位だけ示してもいまひとつピンとこないので、これを一人ひとり個別に聞いた金額の平均値で示してみよう。調査によれば対象者の「手取り月収の平均」は32.3万円。「ひと月の貯金額」が5.8万円ある一方、「ローン返済額」も3.8万円ある。「住宅家賃」は月平均で5.03万円。月に平均2.2回「飲み会」などに出かけ、「1回の飲み会で使う金額」は5,500円。さて、みなさんの実態とどのぐらい近く、あるいはかけ離れているだろうか。
約1割の人が月の最大支出項目として挙げた「貯蓄・利殖」だが、ひと月の平均貯金額を年収別・職種別に並べたのがDATA2だ。当然ながら年収が高い人のほうが高い傾向を示すが、しかし年収差に比例するほど貯金額が上がっていないのが興味深い。この1割の人の「現在の貯蓄額」は926万円、「ひと月の貯金額」は11万円。手取り月収から割り出すと、約33%を貯金にまわしている計算になる。なかなか手堅く貯蓄をしていることがうかがえる。
全体での平均貯蓄額5.8万円は、Tech総研が2004年4月に行ったアンケートでも、最も多い回答が「月々5万円程度」(19%)だったことから、5万円台というのが一つの目安だということがわかる(エンジニア給与WAVE!vol.15参照)。ちなみにこのときの調査では、エンジニア職全体(25〜49歳)の平均貯蓄額の平均が「520万円」と出た。ただし、最頻値は「100万円以下」(30%)というもの。これらの傾向は、非技術職と比べても有意な差はなく、世間的には堅実と思われるエンジニアだが、実態はそうでもないというのが結論だった。
また、飲み代、つまり同僚・先輩・友人らとの交際費が、年収に必ずしも比例していないのも面白い(DATA5)。年収1000万円に達しようという人と、600万円未満の人の平均飲み代が同じだったりする。飲み代を割るとき、「おまえは年収が高そうだから5割増し」というわけにもいかないから当然のこととはいえ、どこか釈然としない感じが残る。
ちなみに、給料の使い道で、毎月最もお金を使うものに、「デート・交際費」と挙げた5.7%のエンジニアの「ひと月に飲みに行く回数」は、平均3回(全体平均2.2回)、1回の飲み代で使う平均額は8,700円(全体平均5.550円)と、そんなに高額なわけではない。逆にほかにお金を使っていないということなのかもしれない。(DATA4)
貯蓄の一方で借金(ローン)も当然ある(DATA3)。その使い道は、クルマや住宅、家電、PCとさまざまだろう。今回の調査ではローン返済額にソフト系、ハード系で有意な差が出た。ソフト系のほうが平均で1.1万円ほど高いのだ。これは、ローンの内容の大半が「住宅」に関するもので、比較的ではあるが地方勤務が多いハード系と都心勤務が多いソフト系の、居住地の地価の差が関係しているのではないかと思われる。
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アリとキリギリスの分かれ目になるか |
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個人消費の動向は、性別によっても大きく異なる。たとえば同じ男性でも、未婚、既婚によって、あるいは住宅の取得状況によっても変わりうる。20〜30代は、未婚者は将来の結婚費用を、既婚者は子供の養育費や住宅取得などの出費を考えざるを得ない時期であるからだ。もちろんその中でまだまだ自分への投資にもお金を使いたい、というのも本音だろう。人と食事をしたり、飲みに行くのも自己投資の一環という言い訳をすれば、この分の支出を極端に減らすこともできない。
その一方で、右肩上がりに給与が増え続けるとは到底思えない時代。先のことは考えずに享楽的にお金を使ってしまうか、先のことだけを考えてひたすら貯蓄に励むか。アリとキリギリスの分かれ目のなかで、迷いの多い20〜30代エンジニアたちである。 |
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DATA1
お給料の使い道で、毎月一番お金を使うものは何ですか? |
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現在の年収 |
ソフト系 |
ハード系 |
400〜499万円 |
4.7 |
4.1 |
500〜599万円 |
5.5 |
5.1 |
600〜699万円 |
7.4 |
6.0 |
700〜799万円 |
8.1 |
6.3 |
800〜899万円 |
7.8 |
12.6 |
900〜1000万円 |
7.4 |
5.0 |
全体平均 |
6.0 |
5.7 |
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現在の年収 |
ソフト系 |
ハード系 |
400〜499万円 |
3.7 |
3.5 |
500〜599万円 |
3.7 |
2.2 |
600〜699万円 |
5.0 |
3.2 |
700〜799万円 |
4.8 |
4.8 |
800〜899万円 |
8.3 |
4.9 |
900〜1000万円 |
5.8 |
8.0 |
全体平均 |
4.4 |
3.3 |
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現在の年収 |
ソフト系 |
ハード系 |
400〜499万円 |
1.7 |
1.7 |
500〜599万円 |
2.0 |
2.6 |
600〜699万円 |
3.1 |
2.4 |
700〜799万円 |
2.1 |
1.2 |
800〜899万円 |
3.1 |
3.9 |
900〜1000万円 |
3.6 |
1.5 |
全体平均 |
2.2 |
2.3 |
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現在の年収 |
ソフト系 |
ハード系 |
400〜499万円 |
4,644 |
5,115 |
500〜599万円 |
4,726 |
5,990 |
600〜699万円 |
6,179 |
6,914 |
700〜799万円 |
7,333 |
5,667 |
800〜899万円 |
6,375 |
5,072 |
900〜1000万円 |
6,000 |
5,000 |
全体平均 |
5,296 |
5,772 |
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