(エ) |
こんにちは。今日はお忙しい中、快く引き受けてくださってありがとうございます。 |
(部) |
どうもはじめまして。よろしくお願いします。 |
(エ) |
今日は、SCEIさんの訪問ということで、私、少し緊張気味なんですよ。 |
(部) |
あはは。私も緊張していますよ。エンジェルの取材は受けたことがないもので。 |
(エ) |
東京・青山に、この最新設備の高層ビルじゃないですか。中に入る前からドキドキしてました。ところで、大企業ということでものすごくカチカチのイメージをもっていたんですけど、割と皆さん、自由奔放といいますか、とても伸び伸びしているように感じるんですけど……。スーツを着ている方も見当たらないし、その辺りは放任主義なんですか?
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(部) |
そうですね。放任といいますか、私たちエンジニアって自由な発想をしながらいいものを創造していくものだと思うんですよね。スーツに身をかためたエンジニアが果たして変幻自在な発想ができるでしょうか? 答えは否。生まれてくる発想を大事にするには、働くエンジニア自身がラフで自由でないと駄目だと思うんですよ。 |
(エ) |
なるほど〜。私もPC好きなんで、わかる気がします。私もテックエンジェルに変身していないときのお仕事をホームページで公開しているんですけど、やっぱりリラックスしているときが一番はかどりますもんね。 |
(部) |
そうなんですよね。それから、やっぱりエンジニアですから、PC好きであってほしいですよね。うちでも毎日のように夜遅くまで頑張っている社員がいますが、帰らないのかなってこちらが思うくらい、好きで打ち込んでるんですよね。 |
(エ) |
そうなんですか。毎日頑張っているなんてすごいですよ。ところで、SCEIさんといえば、昨年末発売のPSPですよね!! あれはPS2に続いてものすごいことになっているみたいですね。 |
(部) |
いや〜、うれしい悲鳴というやつですね(笑)。生産が追いつかなくて、お客様にご迷惑をおかけしているのが心苦しいのですが。 |
(エ) |
いつごろからPSPの構想をもっていらしたんですか? |
(部) |
PSPの構想は、大体5年くらいかけて実現しました。PSが発売されたときから、本体のポーダブル化ということを視野に入れて開発を始めたんですよ。 |
(エ) |
ええ!! そんなに昔から考えていたんですか? じゃあ今回の大ヒットは、部長自身、大変満足していることですよね? |
(部) |
満足なんてものじゃないですよ。自分自身と開発チームに、そして会社自体にも100点満点をあげることができると思います。 |
(エ) |
す、すごい……。でも、それでも足りないくらいの今回の爆発的人気ですよね。皆さん、開発時には毎日のように残業や徹夜だったんですか? |
(部) |
そうですね。でも彼らはそれを楽しんでやっていましたよ。ものすごい熱意を社内で感じていました。逆に私は、そんな仕事を頑張りすぎる彼らを抑える立場でしたね。そうそう、ちょうどいい人材がいましたよ。まだ入社1年目なんですけど、PSP開発を一緒にやってくれた和田をご紹介しましょう。おぉ〜い、和田君。
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(和) |
はじめまして。ソフトウェア開発部の和田といいます。 |
(エ) |
はじめまして。今、豊部長さんにいろいろお話を聞いていたんですよ。和田さんはまだ入社1年目だというのにPSPの開発にも携わっていたらしいですね。すごいじゃないですか。 |
(和) |
いやいや……。最初は何事かと思いましたよ。入社していきなりのプロジェクトですからね。でも気がつくといつのまにか夢中になっていましたよ。開発している僕たちが楽しんでやっていたから面白いものができたんじゃないですかね。特に昼休みまでPSPをいじって悩んでいましたから。 |
(部) |
そうだよね。和田君にしてもほかのメンバーにしても、みんな本当によく頑張ってくれていたと思うよな。 |
(和) |
でも豊さん、おかげで発売日の売れ方を肌で体験できたじゃないですか。あの感動といったらほかにはないですよ!! 鳥肌立ちましたもん。 |
(エ) |
え〜、お話の途中ですが、おふたりとも私を忘れていないでしょうか? |
(部) |
えっ?いや……。 |
(和) |
あはは。 |
(エ) |
もう!! でも、今の会話を聞いていて感じたんですけど、ものすごくお互いを信頼しているんですね。うらやましいくらい上司と部下の関係がソフトですよね。 |
(部) |
いやぁ、この和田君はエンジニアであるのに交渉も上手なんですよ。人当たりも柔らかくて自慢の部下のひとりなんですよ。
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(和) |
豊さんだって気さくでフレンドリーな上司じゃないですか。PSPの感動のチャンスを与えてくれたのは豊さんですからね。 |
(エ) |
あらら〜。今回の対談は、途中から上司と部下の対談となってしまいました。おふたりともお忙しい中、今日はありがとうございました。
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