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あなたの論理的思考力がフル活用できる 口下手で損しないエンジニア面接攻略法
エンジニアには口下手な人が多い。これは多くの人事担当者から聞く話であり、取材などでエンジニアと接する私たちの実感。ならば、口下手な人が面接を成功させる秘訣はあるのか。実はあなたがもつ、論理的思考力を使ってできるのです。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ モデル/鬼頭真也、森戸宏明)作成日:04.12.08
Part1 口下手で失敗してしまうエンジニアの面接実例
「面接現場の舞台裏」(転職ノウハウ開発室)などの取材を通して、面接での失敗談を耳にすることがある。そんな典型的な失敗例を4つ取り上げた。口下手で損をしてしまった、とてももったいない実例である。
CASE 1 予期しない質問をされて頭の中が真っ白に CASE 2 緊張して意味のないことを長々としゃべった
CASE 3 わざとではないが面接官の目が見られない CASE 4 「質問はありますか?」の返事が「ありません」
想定外の質問で会話が止まる人・走り出す人
 面接日が決まって、それまでに何の準備もしない人はまずいない。少なくとも「今までの職務経歴」「転職を希望する理由」「その企業への志望動機」の3つくらいは、返答を考えて整理するはずだ。
 しかし当然、ほかの質問も投げられる。その中には面接官が必ず尋ねる事柄もあれば、その場の思いつきで出てくる質問もある。そんな「マニュアルにない質問」をされて、「どうしよう、考えてなかった……」と口ごもってしまう人。これがCASE 1で、現実にかなり多い失敗パターンだ。
 このように答えを用意していない、あるいは忘れてしまった場合、同じ口下手でも逆方向に走るのがCASE 2。きちんと答えるまでの時間稼ぎをするつもりが、焦って頭がまとまらず、妙に早口になって意味のない会話を続けてしまう。口数の少ない人よりよっぽど悪い印象を与える場合もあるため、こちらも要注意。
緊張するのは当然だが、面接官には関係ない
 ほかの職種に比べてエンジニアに多いのがCASE 3。例えば教授推薦で就職先を決めた人が、初めての転職で面接を受ける場合、それは人生初の面接となる。新卒入社時に形式的なものがあったかもしれないが、それは面接ではなく「あいさつ」なのだ。
 だから、エンジニアが面接で緊張するのは当たり前なのだが、面接官には関係ないこと。面接官の中には「応募者の気持ちは目を見て判断する」という人も多いので、視線を合わせられないことは致命的な失敗にもつながる。
 CASE 4のように企業が質問を促すことは、面接の終盤で非常に多く見られる形。「ないからないよ」という気持ちもわかるが、チェックしているのは入社への熱意。自分の会社を知ってほしい(短い時間で説明できるとは思えない)という気持ちもある。だから、先方の言葉がなくても、こちらから「うかがってよろしいですか?」と積極的な姿勢を見せるくらいでちょうどよい。
Part2 企業は「エンジニアの面接」をこのように見ている
  企業と転職希望者との橋渡しを行う人材紹介企業では、両者の特徴や期待値を把握している。そこでリクルートエイブリックの大原氏に、面接でエンジニアを見る企業の目と、応募者がなすべき対処法をお聞きした。
企業が期待するのは話術ではなく話の論理性
 例えば営業職と比べると、技術職には話が得意でない人が多い。それは企業もわかっています。ですから、営業職の面接では自分を売り込むプレゼン能力までチェックするのに対して、技術職では質問への的確な返答や、自分の意思を伝える能力を見ます。エンジニアの面接では、「会話の論理性」がポイントになるということです。

 このように、口下手は必ずしも面接に不利ではないのですが、「コミュニケーション能力が低い」と受け取られるとマイナス評価になります。「こんな調子で職場の仲間と仕事が進められるのか」と不安になるからです。ただ、面接は総合評価なので、実務スキルの高い人であれば相殺もされるでしょう。逆にいえば、スキルが高くない第二新卒世代などは、コミュニケーション能力のアピールが勝負どころになります。
 いずれにせよ面接では、「仕事上で必要なコミュニケーション能力はある」と思わせることが必要条件になります。
自分史をきっちり描いて、選択した理由を考えておく
 一般的にエンジニアは、物事を考えながら進めることが不得手な半面、事前に準備・整理しておいた物事は、論理的かつ的確に進められます。つまり、せっかく論理的な思考力をもっているのに、面接で論理的に伝えられないのは、準備が十分でないからです。
 その準備とは単に質問の回答を暗記することではありません。過去から未来にかけての自分史を描くことです。自己紹介や職務経歴などの過去があり、現在の話は業務内容や転職理由、そして入社後の希望業務や将来像へと続きます。まずはこのストーリーをつくります。

 また、面接で聞かれるポイントは決まっていて、「選択した理由」です。大学や専攻の選択、就職先の選択、業務での判断、転職先企業の選択、入社後に携わりたい仕事選び……などの理由です。ですから、次にこの選択理由を論理的に説明する準備をします。
 ここまでできれば、想定外の質問にも対応できます。CASE 1の「5年後の将来像」を日ごろから考えている人はあまりいないので、いきなり聞かれて戸惑うのは当然なのです。しっかりしたストーリーづくりから始めましょう。
株式会社リクルートエイブリック
総合企画部 CAグループ
コンサルタント
大原 治氏
企業が面接でエンジニアに期待でしていること
Part3 自分のストーリーをつくって、論理的に説明せよ
Part2の大原氏の意見にTech総研編集部の経験を加えて、「口下手で損をしない面接攻略法」を考えた。一見簡単そうに思えるが、ここまで準備できるエンジニアはかなりの少数派。ぜひ、試してほしい。
STEP 1 今までの経歴を書き出して自分史をまとめる STEP 2 友人や家族に協力してもらって予行演習
STEP 3 面接では自信をもって論理的に説明する STEP 4 面接中は「入社の熱意」を繰り返し、必ず質問を
転職成功者は必ずしも満点の評価ではない
「面接現場の舞台裏」のポイント解説を読んでいただければわかるが、応募者(転職者)の皆さんも内心はヒヤヒヤもので、「振り返るとあそこは失敗した」などのコメントが数多くある。一方で面接官にも、「このレベルなら中程度」「はっきりいうと不満に思った」といった手厳しい意見が少なくない。すべてにおいて応募者の評価が高かったわけではないのだ。
 それではなぜ転職に成功したのか。もちろんスキルもあるが、物おじしない態度と、バックボーンの確かさが共通点だと思われる。物おじしないのは自信満々という意味ではなく、自分の伝えたいことを何とかしてわかってもらおうという姿勢。バックボーンとは、どこから突っ込まれても焦らずに返答できる、自己認識の高さだ。
エンジニアの得意技「論理的思考力」をフル活用
 また、多くの面接官は、面接の途中で既に「ほぼ採用」のゴーサインを出している。その後の質問は、自分の判断を確認するためのものだ。つまり、最初の印象の悪さで「ボツ」を押されてしまうと、後半戦での追い上げが難しい場合もある。
 やはり、口下手で「コミュニケーション能力の低さ」を印象づけるのはもったいない。数日間で技術スキルを向上させるのは無理でも、上の方法で面接をやりやすくすることは十分に可能。エンジニアが得意とする「論理的思考力」をフル活用して、ぜひ試してみてほしい。
 最後に、人材紹介企業のアドバイザーや企業人事からよく聞く、エンジニアの面接での不満点を紹介する。「十分な準備をする人が少ない。忙しいのはわかるが、本人にとっても人生の選択であるはず。もう少し真剣に取り組んでもよいのではないか」
 こんなことはもう言わせたくない。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
私も転職経験があるのでわかります。面接では緊張するし、初対面の人に自分の経歴を説明するのは、簡単ではありません。しかし、企業は採用を目的に面接をしており、落とすための面接を設定するほどヒマではありません。準備をしたら自然体でいきましょう。

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