迷推理!?エンジニアをマジでビビらせた超常現象

エンジニアが頭を抱えてしまうバグやプログラムの暴走。原因不明なこれらの現象を、現代によみがえった陰陽師？なんちゃって巫女ゆり様に迷推理してもらった。対するはITアナリスト、内山氏の科学的かつ論理的推理。その結果は……。

（取材・文／川越宗徳　総研スタッフ／山田せいめい　イラスト／ヤマサキタツヤ）作成日：04.10.13

　今回取り上げた摩訶不思議な現象は３つ。プログラムのバグやシステムダウン、自然現象によるトラブル、原因不明の人間関係トラブルと、どれも原因不明の難解な事例ばかり。いやはや、神のお告げは何と宣告されるでしょうか……。今回推理していただけるこの2人のコメントに要注目！


	19××年下町生まれ。ロシアの超能力研究所にてその能力を発掘されて以来、謎？の神通力で世の珍事件、難事件を一刀両断してきたらしい！？。今回は悩めるエンジニアのために一肌脱ぐと鼻息荒くＴｅｃｈ総研に飛び入り参加。			株式会社アイ・ティ・アール代表取締役。SEとして第一線で活躍をしてきたが、1989年からIT業界のアナリストに転身。米ガートナー、METAグループの日本代表などを歴任。主な著書に『名前だけのＩＴコンサルなんていらない』がある。


	むむ！見えてきました！この突然のバグには何か見えない力が……。白い霊気のようなものが見える……。これは……。わかったわ♪電磁波よ。電磁波がプログラムに悪戯したのね♪電磁波にはやっぱり白い布かしら～。


	多々あるのが、ロジックの段階で凝ったことをプログラマが行ったために起こるケース。数値計算を独自のルールづけで行わせたために起こることがあるんです。プログラマがその後に自分のプログラミングの意図を後続エンジニアにきちんと伝えておくことによって問題にならずにすむはずです。


	こういうときはサイコロ振ってチンチロリ～ン♪あら、どんぶり忘れちゃった……。きゃ～、見て～!!　この目がそろったっていうことはコンピュータが眠くなっちゃったのよ。コンピュータだって疲れちゃうんだから、たまにはねぎらわないとね♪


	夜中のシステムダウンの原因としてよくあるのが、かかわっているトラブルシューターの人員不足です。また、テストプログラムなどもこういった時間帯に作動させるのが常であるために起こることがあるんです。人為的なトラブルの可能性が高いでしょう。


	ああっ！サイの目が赤い１をさしていますよ。それにカードはジョーカーの啓示！これは火の神様の降臨です。きっと、入力作業をしながらジュースを飲みましたね？そのことに神様が怒っちゃったのかなぁ？


	火災で考えられるのはコンセント部分へのホコリたまり。この部分でのショートからの出火やＯＡフロア内でのショートがほとんどですね。たまにネズミの仕業ってこともありますよ。


	これには宇宙人のにおいがしますよ！私、においでかぎ分けることだってできるんです♪雷からＵＦＯの気配と宇宙人のにおいを感じますもん♪間違いない!!


	落雷による停電のためのシステムダウンもたまにお話を聞きます。こんなときは慌てないことです。予備電源が動いている15分くらいの間にきちんとシステムを停止させ、電源の回復を待つようにしましょう。


	むむ！見えました。これは職場の空気の問題ですね。この職場ではマイナスイオンが極端に不足しています。職場に備長炭を置いたり、極めつけは屋久島への社員旅行。それで“大川の滝”に行って落下する水が発するマイナスイオンを皆さんで全身に浴びてくださいね。


	恐らく、社長や上司に対する不信や競合への一斉引き抜きなど、何かしらの人間関係のトラブルからきていることだと思います。エンジニアは割と自分の世界へと引きこもりがちですけど、そこを押して話し合いも必要だと思いますね。何事もチームワークですよ。

　エンジニアを取り巻くトラブルの中で、いちばん厄介なのが今回のような原因不明のトラブルではないだろうか。特にバグやシステムダウンなどのような場合、時間に追われて神経をすり減らした経験がだれしもあるだろう。このような、エンジニアが抱える悩みに対し内山氏から次のようなお話をいただいた。

「バグなどの場合、大抵は開発者の意図がわからないために解決できないことがほとんどなのです。しかし20回に1回は私の経験上、どうにもならないときもあるのです。以前、プログラム入れ替え前日になって、ソフトが稼働しないという報告があったことがありました。私ともう一人の部下で夜が明けるのを肌で感じながらもお互いを信頼してあきらめずにそのソフトを作り変えたことがあるんですよ。このとき、まさにタフさが要求される仕事だなと実感しました。だからこそエンジニアたるもの、（1）決してあきらめない。（2）あらかじめ起こり得るトラブルパターンの想定。（3）どうにもならなければ開き直る。このような心構えで仕事に望むことこそ肝要だと思うのです」

　続けて、「これからのエンジニアに必要なのは、大きなトラブルをネタにして笑い飛ばせるタフさと開き直りですね」とのこと。
　このひと言こそ、エンジニアが『超常現象』とうまくつき合っていく秘訣ではないだろうか？

　皆さん、お告げは少しでも役に立ちましたか？　私は超能力研究所でトレーニングしているときなんか、カードの絵柄を当てる確率なんて95％もあったんですよ！すごいでしょ～。でもね、本当は内緒にしておきたかったの……。だって変な女の子って思われたくないしぃ。だから、皆さんも私の能力のことは、このＴｅｃｈ総研の中だけの秘密にしてくださいね？　じゃないと超能力なくなっちゃうかもしれないんだもん♪
　あ、それと実はワケあって、今後、エンジニアの皆さんと触れ合う機会が多くなります。もしどこかでお会いしたときには、どうぞよろしくお願いしますね。ちなみにキーワードは『エンジェル』です。