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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 解析テーマ バイオ燃料

CO2削減による地球温暖化防止のためのテクノロジーとして、バイオ燃料が大いに注目されている。
光合成を行う微生物を使ってエタノールを精製するバイオ燃料は、トータルでのCO2排出量は通常の燃料の
半分未満。既に多くの自治体や企業が、従来の燃料にバイオ燃料を混合させる実証実験に乗り出している。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:04.10.06
本格的な産業化に先んじて次世代環境技術を習得する
業界事情
 大気中のCO2濃度上昇による地球温暖化の危機が叫ばれ、代替エネルギーが模索される中、注目度を高めている次世代エネルギーのひとつがバイオ燃料である。バイオ燃料とは主に植物を原料としてつくられるアルコール系燃料を指す。
 バイオ燃料も燃やせば当然CO2が出るが、原料となる植物が生育の過程で光合成を行って大気中のCO2を分解するため、CO2の排出量を相当分相殺できるのだ。

 バイオ燃料の歴史は相当に古く、戦前から世界各国でトウモロコシ、サトウキビ、ヒマワリなどからアルコールを抽出し、燃料に使用されてきた。だが、普通の植物を使っていたのでは、広大な耕地面積が必要なうえに、伐採した材木や作物などを輸送するのにエネルギーが消費されてしまう。
 そこで近年注目されているのが、クロレラなどの植物プランクトン、光合成細菌を利用し、固定設備でアルコールを生産するというバイオプラントだ。植物を使うのに比べて生産量、コストともに安定性が高く、「再生可能エネルギー」の量産手段として有望視されている。

 バイオ燃料への切り替えの試みは世界各国で行われており、日本でも経済産業省、環境省、地方公共団体が次々にバイオ燃料の導入実験を進めている。バイオ燃料は生産量が小さくても、例えば従来の燃料に数%混入させるだけでも、大きなCO2削減効果が得られるからだ。
 また、ベンチャー企業が独自にバイオ燃料を発売するケースも出てきている。バイオ燃料の市場規模はまだゼロに等しいが、政府はバイオテクノロジー戦略大綱で、環境・エネルギー関連のバイオ商品市場を、2010年に4兆2000円にまで引き上げる計画である。

採用動向
 日本ではバイオ燃料の研究レベルは高いものの、事業化については他国に比べて遅れ気味だ。求人件数もまだ多くはないが、リクナビNEXTでは「バイオマス」「燃料」などをキーワードに検索すると求人情報を収集できる。
 今後はバイオ関連のベンチャーをはじめ、石油やガスなどの燃料関連企業、商社、発酵や醸造の技術力をもつ食品会社などが名乗りを上げてくるだろう。

 バイオ燃料業界への転職で求められるスキルは、化学・生物関連がメイン。日本では農地が広大なアメリカ、フランス、ブラジルなどと違い、ゴミを発酵させたり微生物を培養したりといったプラント型が、最初から主流になるものと見られている。固定設備で効率よくバイオエタノールを生産するには、加温、加圧などによる発酵が重要になる。そのキーテクノロジーとなる生物や醸造のスキルが、転職には非常に有利になるだろう。
 また、バイオエタノールをエンドユーザー向けに販売するためには、添加剤による品質の安定化、均質化が不可欠で、無機および有機化学の知識も役立つ。

 一方、バイオ燃料を使用するメカトロニクス装置の側でも対応が迫られている。アルコール系燃料は石油製品に比べて、アルミニウムなどの軽金属やゴムパッキンなどへの攻撃性が強く、従来型の内燃機関では腐食が早く進んでしまう可能性がある。そのため、輸送機器関連業界では、既に多くの企業がバイオ燃料への転換を想定した改良を進めている。そこでは、高分子化学による被膜形成、新材料開発など、化学系エンジニアの採用が増える傾向にあるという。
 バイオ燃料業界の強みは、産業として独り立ちする前の段階で、政府による巨額の投資が約束されていることだろう。環境技術として世界が注目するバイオ燃料は、転職先として相当興味をそそられる分野だ。


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