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今、スカウト転職では技術職が売り手市場 だからエンジニアはスカウトされやすい

リクナビNEXTスカウトで今、技術職に対するニーズが急速に高まっているという。なぜエンジニアが多くの企業からスカウト登録されるのか。その理由や背景に併せて、スカウト登録の賢い使い方を紹介する。
(取材・文/総研スタッフ 高橋マサシ イラスト/CLAP) 作成日:04.09.15
PART 1 データから探るエンジニアの「モテモテ度」
リクナビNEXTスカウトでの人気度を調べるには、需要と供給のバランスを見るのがいちばん早い。
需要とは企業からのオファーの送信数、供給とはスカウト登録者の数だ。これらを職種別に比較した。
オファー送信数の6割以上が技術職
 他職種と比べた技術職の人気の高さを、「数」と「密度」から探ってみた。「数」は下のグラフ。2004年7月に企業から送信されたオファーの送信総数を、対象職種別に見たものだ。「技術系」と記された4職種の合計は61%で、全職種中で圧倒的に多くのオファーが送られているとわかる。

 突出しているのが全体の4割を占める「電気、電子、機械」でやはり技術系。次に多いのは「営業、事務、企画系」(27%)だが、これは3職種を合わせた数字だ。実質的には「技術系(ソフトウェア、ネットワーク)」の15%が、2位である可能性が高い。
オファー送信数の職種別割合
ハード系エンジニアには平均1人1通以上が届く
 右のグラフは「密度」のデータ。職種別のオファーの送信数を、それぞれの登録者人数で割ったものだ。つまり、約1カ月の間に、登録者1人当たりに送られたオファーの平均送信割合となる。

 企業は一定の条件を満たしていれば、複数の登録者にオファーを送信する場合がある。また、多数のオファーを受け取る登録者がいる一方で、全く受け取れない人もいる。そのための平均値だが、ここでも技術職の人気の高さがわかるだろう。「電気、電子、機械」に至っては、1人当たり1通以上のオファーが届いている。ちなみに、最も多くのオファーを受け取った人は、「電気、電子、機械」の登録者で33通だった。

 このように、リクナビNEXTスカウトを利用してエンジニアを募集する企業が多く、かつ登録者数と比較した実質的な求人ニーズが高いことも明らかになった。それでは、今なぜ「スカウト」なのだろうか。
 
リクナビNEXTスカウトの登録者に対するオファーの平均送信割合
PART2 エンジニア採用に苦しむ企業が選んだスカウト
リクナビNEXTスカウトを使ったエンジニア採用ニーズの高まりは、実はこの数カ月間で急激に伸びてきたもの。
その背景となる企業の採用動向について、リクナビNEXT編集長の岡崎仁美氏に話を聞いた。
リクナビNEXTでは圧倒的なエンジニア売り手市場
 全体的に見て、リクナビNEXTの総求人件数のうち約4割が技術職です。企業のエンジニア採用意欲はかなり強いといえます。これは、デジタル家電の世界的な好調や中国需要などで日本の景気が回復基調にあり、特に大手メーカーの利益が軒並み上昇したことが大きな原因だと思います。
 しかし、強いエンジニア需要に反して、企業のニーズを満たすほどの応募は獲得できていません。技術職はもともとその総数が少ないですし、営業職などに比べて求人に対するアクション率も低い。一方で近年の好景気からエンジニアニーズが高まっている。つまり、応募者にとっては売り手市場が加速していて、企業にすれば希望するエンジニアの質と量の確保がより困難になっている状態です。
専門性の高い技術職だから個別にアプローチ
 そこで企業は、個々のエンジニアに向けたPR手法を模索し始めました。そのひとつがスカウトを使った人材採用手法です。あらかじめその人の専門分野や希望業務がわかっていれば、かなり絞り込んだアプローチができるからです。
 この点で技術職は、職種やスキルが細分化されているので、非常にポイントを絞りやすいんですね。専門スキルに経験年数やプロジェクト規模を掛け算していくと、その人のできること、任せられる仕事が浮かんでくるのです。

 これは他職種にない特徴です。例えば営業職ですが、不動産の法人営業と化粧品の個人営業では、専門知識や営業ノウハウがかなり異なります。しかし、「売ってくれるなら対象や分野は問わない」という企業もあれば、「自社の営業スタイルに合わせてほしいから競合他社の経験はむしろ遠慮したい」と考える企業もあるのです。このため、営業職では同じ職種の大量採用がありますし、経験不足を熱意でカバーする未経験採用も顕著です。
 技術職は逆です。Javaや回路設計などの技術は業界、というより世界標準のスキルです。その知識や経験なしに仕事は始められません。また、最近では募集職種が細分化して募集職種が増えた分、1職種あたりの採用人数が少なくなり、ますますピンポイントの採用傾向が強まっています。このため企業は時間的にも効率的にも、専門スキルが事前に把握できる、限られた人にアプローチをしたいのです。
スカウト登録は今後ますます本格化する
 これらの理由から、スカウトを中途採用に利用する企業が増加しています。また、以前は大手企業を中心として盛んにスカウトを用いていましたが、この半年ほどは、新たな採用手法としてスカウトを初めて使う企業が増えており、今後はスカウトによる人材戦略が大手から中堅、中小、ベンチャー企業に至るまで一般化していくと思います。
 また、近年では経営のスピード化により、長期的な採用計画(主に新卒採用)と、短期的な採用計画(中途でのピンポイント採用)が並走するケースが珍しくありません。技術職は業務内容が明確ですから、その仕事を任せられる人材を瞬時に限定して把握し、すぐにアプローチができるスカウトは、企業にとって大きなメリットになるでしょう。
 私は、応募者にとっての転職事情も変わってくると思います。転職意向が高まったら転職活動をするのではなく、常に自分の情報を発信しながらチャンスをつくる時代になるのではないでしょうか。企業からのオファーが届いても、納得できなければ断ってよいのです。大切なことは、自分の市場価値を上げていくのと同時に、その価値を外に向けてアピールすることです。
職種別オファーの送信数の時系列変化
企業がスカウト登録でエンジニアをほしがる理由
岡崎 仁美氏
株式会社リクルート
リクナビNEXT編集長
岡崎仁美氏
Part3 エンジニア限定!スカウト登録の上手な使い方
エンジニアがスカウトを利用する場合に注意するポイント、効果的な手段とは何だろうか。
岡崎編集長をはじめ、これまでリクナビNEXTスカウトに携わってきた方々からの話をまとめた。
レジュメはわがままに書くほど得をする
 スカウト登録で登録者と企業をつなぐのがレジュメ。しかし、レジュメに自己PRをはっきり書かないエンジニアが多いという。企業はレジュメを読んでオファーの送信を決めるわけだが、職務経歴書だけでは、経験した業務の価値が見えてこない場合もある。そこで役立つのが自己PRだ。その人「イチオシ」の技術や経験がわかれば、かなり具体的に仕事内容が把握できる。

 同じことが希望欄にもいえる。漠然とした書き方では、企業は何を重視してよいのかわからない。例えば、「先端技術に触れながら、大きなプロジェクトに参加して、マネジメントの裁量権が広い仕事がしたい」では、優先したいのが「先端技術の習得」なのか「プロジェクトの規模」なのか「マネジメントの範囲」なのか不明だ。自分のやりたいことを細かく書けば書くほど、企業は個人にアプローチしやすく、結局は登録者が得をする。

 このように、書き込み不足のレジュメは企業の実質的なデータベースになりにくく、登録者にとっては登録の意味が少なくなってしまう。わがままでよいので、これができる、あれがしたいと、レジュメを自分の思いで埋めたほうがよい。
キーワードは盛り込み、資格は慎重に記入
 自己PRも含めて、自分の「売り」を上手に主張している人が少ないようだ。その場合に有効な方法が、検索されるようなキーワードをレジュメに盛り込むこと。エンジニアの需要が急進しているとはいっても、リクナビNEXTスカウトの全登録者は40万人を超えている。注目される先端技術や、話題の業務手法などの単語を入れることで、レジュメが企業の目に留まりやすくなる。
 また、取得資格はすべて書けばよいというものではない。希少性の高い資格、実務に役立つ資格なら積極的なアピール材料になるが、実務経験から取得していて珍しくない資格や、仕事に関係ない技術以外の資格は要注意。「その資格のレベルがスキルの上限」と見られてしまう可能性もあるからだ。
 記入する資格の判断基準には、スキル別の求人件数がわかる、リクナビNEXTの「経験・スキルで探す」を参考にしてほしい。
レジュメの情報は「きっかけ」で更新する
エンジニアのためのスカウト利用アドバイス
 仕事に追われて忘れがちになるのがレジュメの更新。そこで、部署の異動、職級の変化、新規プロジェクトのスタートなど、業務上の変化をきっかけに更新したらどうだろうか。というより、その機会に更新すべきなのだ
  理由は2つある。ひとつは、自分の市場価値が上がっているから。もうひとつは、これらの変化をきっかけに、希望する業務内容やキャリアプランが変わることがあるから。自分の価値と希望が高まったら、その姿はぜひ企業に知らせたい。現実に、新しい情報に変えたらオファーが届いたという例も多い。更新しないことは、登録者の大きなデメリットなのだ。

 このようにレジュメの書き方に少し手を加えるだけで、効果的なスカウト登録ができるようになる。エンジニアとしての価値を確認する意味でも、少し時間をつくって「レジュメのマイベスト」を作ってみてはどうだろうか。エンジニア売り手市場である今は、自分を試す最大のチャンスだ。
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
はっきりいいましょう。リクナビNEXTスカウトで苦労するところは、レジュメです。登録経験者の方、面倒くさいと思いませんでしたか? ただ、2時間もあれば十分に考えられたはずです。ちょっと頑張ってみませんか? いちばん得をするのはあなたなのですから。

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