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【実録】一通のオファーがエンジニアを変えた!Vol.2
内定を蹴って転職を決意!理想の“開発重視”企業からのスカウト
登録しておくだけで企業に自分のレジュメが見てもらえる「リクナビNEXTスカウト」。内定をもらい、会社の条件提示を待つだけとなったときに届いた一通のオファー。そのメールに紆余曲折しながらも転職活動を再開したエンジニアを紹介する。

(取材・文/入倉由理子 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/花山由理) 作成日: 04.08.18
上流から下流工程まで携われるプロマネを目指し、スカウト転職したSEのケース

将来の理想像を実現するために、2度目の転職を決意
 1998年、大学文学部英米文学科卒業。受託でシステム開発を行うベンチャー企業に入社。大手電機メーカーに派遣され、1年はプログラマとして、2年目以降5年目まではSEとして上流工程から設計・プログラミングまですべて担当し、充実した毎日を送っていた。一方、担当案件によっては保守のみしか携われないなど、将来、自分が思い描くキャリアプランを、この企業で実現できるかどうか不安を感じるようになる。
 6年目の2003年、安定して開発に取り組めるという理由で、大手企業のシステム子会社に転職。しかし、待っていた仕事は外注管理がほとんど。鈴木さんの理想は、開発現場をたくさん経験し、上流から下流まですべてを理解したうえでプロジェクトの指揮が取れるエンジニア。
 それを実現できる環境を探すため、2003年12月、あらためて転職活動を開始した。
鈴木昭彦さん
鈴木昭彦さん(29歳)
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社
システムアナリスト
金融向けシステム構築を担当
▼鈴木さんのスカウト登録から転職までの流れ (2003年12月〜2004年3月)
鈴木さんのスカウト登録から転職の流れ
2003年12月レジュメ登録
スカウトがジャンジャンくるかも。でも結果は……

 転職活動のスタートは人材紹介会社への登録。面接に何度か進んだが、どうも希望に合った会社と出会えない。知人に相談したところ、「スカウト」という転職サイトのサービスを知り、早速登録、レジュメを公開することにした。「オファーがジャンジャンきて困るかも」などとワクワクして待っていたが、1週間たっても2週間たっても音さたがない。公開したレジュメに問題があるのかもしれない、と、できるだけ、「採用する側」の目で見ようと努力してみた。すると具体性に欠け、採用したい、会ってみたいと思わせるような内容になっていないことに気がついた。
 
POINT
レジュメを書くときには、「人が見て内容を理解できるか、魅力を感じる人はいるか」という視点を忘れずに。いくら魅力的な経験・スキルがあっても、企業にそれが伝わらなければ意味がない。
 
レジュメの書き出し
具体性を高め、「自己PR」で意欲をアピール

 まずは内容をより詳細に書き直し、面接で多く質問された内容を盛り込んだ。例えば「○○システムを構築」とだけしか書いていなかった部分は、どんなフェーズに携わり、何人の中でどんな役割を果たしたかなどを加える。また、フリーコメントを入れる「自己PR」欄も充実させた。レジュメのサマリーとして位置づけ、経験・スキルを簡単にまとめ、意欲も積極的にアピール。経験・スキルは誇張してはいけないが、やる気やポテンシャルはどれだけ大きく書いても問題ないと思ったからだ。
 
POINT
中途採用は、経験・スキルが重要なポイント。とはいえ「よろしくお願いします」のひと言だけより、ひと目でアピールポイントがわかるサマリーを付けると、たくさんのレジュメの中で目立つ場合も。
 
 
オファーが届き始める
膨大なメールから、本当に興味をもってくれる会社を見極める

 レジュメの書き直しが功を奏し、膨大な量のオファーが届くようになった。結果的にメールをもらったのは80社。しかしオファーも、企業によって温度差があることが見えてきた。単に定型文で「応募しませんか」というメールを送ってくる企業と、自分のキャリアをしっかり理解してくれたうえで「欲しい」と感じてくれている企業。後者の企業のほうが自分に対する興味は高いはず。その中から「開発現場で経験を積める会社」という転職の条件と合致する企業を選んでいった。
 
POINT
鈴木さんのように、膨大な数のメールが届く場合、すべての企業に応募はできない。応募する企業の選択基準を、あらかじめしっかり決めておけば迷わない。
 
ATSからメールが届く
他社の条件提示間近。しかし、2度目のメールで心が動く

 内定を2社獲得し、そのうちの1社への入社を9割方決め、条件提示を待っていた今年2月、アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズからオファーが届く。会社の説明と自分のキャリアのどこを評価したかが丁寧に書かれたメールだった。興味がないわけではなかったが、条件提示を待つ身。これから応募しても間に合わないと考え、返信しなかった。すると、約1週間後、再度メールが届く。より詳しく、なぜ自分と会いたいのか書かれていた。「もし、条件提示に対する返事までに選考が終われば……」。置かれた状況も書いたうえで、履歴書と職務経歴書を郵送。採用担当者からは、すぐに面接日程に関するメールが返信されてきた。
 
POINT
置かれた状況を正直に話せば、面接日程や選考プロセスを考慮してくれる場合もある。あきらめず、自分にベストな会社を探求する姿勢が大切だ。
 
面接を受ける
スキル・経験は面接担当者も熟知。より深く理解し合う場となった

 面接は普通、自分を知ってもらうためのプレゼンテーションが必要になる。しかし、レジュメの段階で、詳細に経験・スキルを公開しているために、その段階は既にクリアしていた。アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズからの質問も、「このプロジェクトではどんな要件定義をしたのか」など、質問がピンポイント。より深く理解してもらえたと思う。一方、気になっていたのは、果たして現場で上流から下流まで、幅広い経験が積める会社なのかどうか。アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズはさまざまな業界の顧客と信頼関係を築き、戦略の構築だけでなく、技術によるソリューションの提供、保守にも力を入れている。そう面接担当者から説明があり、急速に、入社に気持ちが傾いていった。
 
POINT
公開したレジュメや後に送付する履歴書、職務経歴書が詳細であればあるほど、面接で突っ込んだ話ができ、お互い理解を深めることができる。
 
2004年3月転職決定
外資系の厳しい環境が、自分をより高めてくれる

 2次面接の次の日、人事担当者から内々定の電話をもらう。この日、既に内定を獲得していた会社から条件提示を受けた。正直、迷う。果たして外資系の厳しい環境で、やっていけるだろうかという思いが内定の受諾を逡巡させる。再度、現場のエンジニアと話す機会を設けてもらい、導き出した答えは、「入社」。アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズではきっとやりたい仕事ができる。自分が描くキャリアプランを実現できる。そう、確信した。入社して3カ月。現在はリース会社に対するシステム構築を担当。確かにスピードも速く、責任も重い。でも、刺激し合える仲間、刺激的なジョブによって、自分の成長も加速していると実感できる。
 
POINT
迷ったら、納得がいくまで考えることも大切だ。とはいえ希望をすべてかなえるのは無理。「転職で最も実現したいこと」をクリアできるか。最終的にはそこが判断基準となる。
検証 なぜ鈴木さんはスカウトされたのか?
 鈴木さんのレジュメに目がとまった理由は、「開発言語など必要なスキルを満たしていたこととチームリーダー経験」と梅田氏は言う。
「私たち採用担当者がレジュメを見て知りたいことは、得意な開発言語であったり、SCM・CRMや財務系といった、携わってきたシステムの内容であったり、プロジェクトの体制・規模やその中での役割であったりします。鈴木さんの場合、私が知りたい情報について、詳細に書いてあり、当社に入社後、即戦力として活躍できることをイメージしやすかったのです」(梅田氏)

 また、鈴木さんの丁寧なメールの返信も、効果があったようだ。
「返信メールもただ『よろしくお願いします』ではなかった。私が紹介した当社の仕事について共感し、興味をもった点などをしっかり書いてある。コミュニケーションスキルの高い人材であることが予測され、また、当社への興味の高さもそこで測れますよね」(梅田氏)
梅田哲正氏
アクセンチュア株式会社
人事人材採用部
スペシャリスト
梅田哲正氏
ネットを媒介に企業を研究し、自分をよりよく知ってもらう方法とは?
 
スカウトサービスを活用した転職の場合、レジュメの登録から面接のアレンジまで、メールで行われるのが普通だ。一見、デジタルに淡々と行われそうなこのプロセスだが、企業側、転職者側双方の意識のもちようによっては、このケースのように、お互いをよく知るための有効なコミュニケーションとなる場合もある。レジュメによりよく自分を知ってもらうための情報を盛り込む、意欲や興味のポイントを伝える言葉を応募メールに添える。こうした情報公開の努力が、面接でより深い部分までお互いを掘り下げることを可能にし、より自分に合う会社選びにつながるはずである。
オファー可能性を上げるマル秘テク
経験・スキルのアピールだけでなく、「自己PR」などのフリーコメントを、採用担当者は読んでいる。経験の積み方や、仕事に対する意欲などを伝えられれば、「会ってみたい」と思わせることも可能だ。
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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
2回の転職経験を積んだことで、自分が本当にやりたいこと、できること、目指したいことが明確になっていった鈴木さん。そのチャンスを予想外に広げる可能性があるのが、「スカウト」のいいところ。ぜひ、みなさんも試してみませんか?

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スカウト転職したエンジニア

レジュメを匿名で公開し、企業からのアプローチを待つリクナビNEXTスカウト。見事スカウト転職に成功したエンジニアの体験談を通して賢い活用法を探ります。

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