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大手ゲーム会社から新興Webコンテンツ会社へ

社内の“便利屋”から本格的なゲーム開発職へ M・Tさん(29歳)

大手ゲーム会社に就職したM・Tさんだったが、本格的なゲームづくりをやらせてもらえず、部内のWebシステム開発などを経験。5年後に転職しようと考えるようになり、再び同じ岐路に立つ。今度もゲーム業界か、心機一転して情報システム業界か。M・Tさんが選んだのは……
(取材・文/中村伸生 総研スタッフ/山田せいめい)作成日:04.07.28

キッカケ編
入社当時から成長しない自分のスキルに強い焦燥感

本格ゲームをつくりたくて入ったのに、便利屋になってしまった

 就職活動時期は本当に迷った。プログラマとして自分を生かせるのはゲーム業界か、情報システム業界か、天秤にかけたのだ。その結論がはっきり出ないまま、内定をもらった大手ゲーム会社A社に就職した。ゲーム好きでなくても知られている著名企業だ。この会社なら本格的なゲーム開発ができるだろうし、スキルアップも果たせると考えたからだ。

 最初の2年間は納得のいく仕事をさせてもらえた。簡単なゲームづくりを任されたのだが、企画や実験的な開発など、幅広くいろんなことをさせてもらえた。ゲームとしては本格的なものではなかったが、新人時代ということもあり、ゲームづくりのノウハウを学ぶには絶好のポジションだったと今でも思う。それだけに、この次に任される仕事にも期待した。

 ところが次に任されたのは、ゲームプログラムの入れ替え作業。ROMを書き換えるだけの業務であり、クリエーティブな面はほとんどない。
 そしてその次の業務も、携帯電話の画面でキャラクターを扱うというものだった。人気キャラクターから無名のキャラクターまで、携帯電話のコンテンツとして動かしていくためのプログラミングを任されたのである。
 キャラクターを扱うことに関しては多少の興味をもつことができたが、決して本格的なゲーム開発ではない。傍系の業務ばかりだ。何だか、社内で“使いやすい人材”になってしまったようだった。

入社以来、スキルがほとんど伸びていない

 使いやすい人材とは、言い換えれば都合のよい人材。これからもこのような評価が変わらないかもしれないと思うとゾッとした。振り返れば、ゲームプログラマとしてのスキルは入社当初よりほとんど変わっていない。エンジニアとして焦りが出てきた。自発的に部内のWeb管理システムなどをつくって新たなスキルの獲得に励んだが、限度がある。異動も見込めない。転職するしかないという結論に達した。
PROFILE
Webコンテンツ企業
コンテンツプロデューサー
M・Tさん(29歳)

1996年に私立大学工学部を卒業。専攻は情報システム工学。在学中はオープン系のシステム開発全般の技術を学んだが、独自にプログラミングスキルの獲得にも傾注。卒業時にはシンプルなゲームソフトや簡単な企業ソフトなら、単独で開発できるスキルを身につけていた。
それだけに進路を迷ったが、大手ゲームソフト会社に就職した。
M・Iさんの転職活動DATA
前勤務先 大手ゲームソフト会社
開発エンジニア
転職した時期 2001年 11月
活動期間
(決意〜内定)
約4カ月
転職理由 エンジニアとしてスキルを伸ばせる仕事がしたい
会社選びで優先したこと 仕事内容、会社の安定性
実際に応募した社数 8社
内定社数 6社
落ちた社数 2社
辞退した社数 5社

応募からの日数
 C社:情報システム会社
 D社:Webシステム開発会社
 E社:Webコンテンツ会社
 
C社
D社
B社
書類選考
2週間
2週間
1週間
1次面接
3週間
(内定)
3週間
(内定)
3週間
(内定)
内定
辞退
辞退

転職準備編
ゲーム会社か、情報システム会社か

自分の市場価値を知ると同時に人材市場動向を知る

 転職を決意すると、ゲーム業界か、情報システム業界か、という選択肢で再び葛藤した。だがこのときは「もう、ゲームはいいかな」という思いが頭の中を占めていた。それでも迷いがあったので、取りあえずリクナビNEXTに登録したりして、応募先の分野を絞っていくことにした。ゲーム業界の募集であれば、アサインされるプロジェクトが気掛かりだったし、システム開発会社の募集であれば未経験者可であることが気になった。SEとしてはほとんど実績がないからだ。求人サイトは情報がふんだんにあふれている。募集要項などで、自分の市場価値も見えてきた。
活動編
希望の会社に入るため、面接の場で自分の作品を使って積極的にアピール

最初の会社はパス

 2001年夏、最初のアクションを起こした。転職情報誌に掲載されていたシステム開発会社B社に履歴書を送ったのである。面接を受ける。話がとんとん拍子に進み、いきなり内定が決まった。最初だけに面食らった。即答する訳にはいかず、態度を保留した。給料は少し上がるが、客先に出向して行う開発スタイルが気になって、結局は辞退を申し入れた。
規模か、やりがいか

それから情報システム会社を数社、受けまくった。転職サイト以外にも情報ソースを広げて、応募を重ねたのである。徐々に面接慣れしてきて、アピールの仕方もうまくなってきたことを自覚した。幸いにもほとんどの会社で最終面接まで進んだ。そして、そのうちの2社に候補を絞った。ひとつは大規模システム開発を得意とする会社C社。もうひとつはWeb系システム開発を得意とするD社である。正直なところ、迷った。C社は100人を超える規模で、組織もしっかりしている印象。その反対にD社はわずか5人の会社。しかし提示された年収はD社のほうが50万円高く、自由な仕事スタイルでバリバリやれるとも感じた。

今になって思えば、どちらにするか決められなかったのは、納得して入社できる決定的なポイントがなかったからだ。それに、どこかにまだゲーム業界に対する思いが残っていたのかもしれない。
本命企業登場

C社とD社で迷っていたとき、新たな応募先としてE社が目に留まった。教育とエンターテインメントを融合させた、新たなWebコンテンツを開発する企業ということだ。

さっそく応募すると、一次面接から具体的な話になった。ここで担う仕事とは、ゲームではないがゲーム的な要素がある。しかもキャラクターを扱うコンテンツらしい。前の会社でキャラクターを扱う面白さは知っている。また、企業システムではないが、成長する可能性の大きな市場に挑んでいる。まさに自分が探していた企業ではないかと思えてきた。
すぐに内定が出て、半月後には入社の運びとなった。すぐにC社とD社に辞退を申し入れた。
転職活動考察
 現在、E社で精力的にコンテンツ開発に取り組んでいる。メインのプログラムを開発するほか、企画にもからんで意見を出す立場だ。ようやくエンジニアとしてスキルを磨けるポジションに付いたことを実感している。
 このように転職活動はひとまず成功といえるのだろうが、自分にとっては、転職に関するノウハウを身につけられたことも大きな成果だった。例えば「将来、ウチで何をやりたいのか」という質問にも、その企業の方向性やビジョンを前もって調べておけば、理想的な回答ができることを知ったし、職務経歴書の内容や書き方も面接ごとに先方が聞きたいこと、気になることを取り入れ、どんどんブラッシュアップしていけた。また、自分で書いたソースをCDに焼き、面接時に見てもらうなどの工夫を行った。

 今はE社で応募者の面接をする立場だが、プログラマならばそれくらいのことをしないとアピールできないと思う。現在の仕事に大きな不満はないが、今回の転職活動で得たノウハウを駆使して、次はゲーム会社の開発プロジェクトに直接、自分を売り込みに行くかもしれないと思っている。
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