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今月のデータが語る エンジニア給与知っ得WAVE! Vol.19 有給休暇が取りやすい職場、取りにくい職場
厚生労働省の調査によると、有給休暇の消化率は50%以下。労働基準法で決まっているにもかかわらず、正々堂々と「明日、有休取ります」といいにくい職場もある。さてみなさん、「有給休暇」ちゃんと取っていますか?
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/Onsel BEHICH) 作成日: 04.07.07
有給休暇取得は、働くものの権利だが
 いうまでもなく有給休暇とは労働者が6カ月以上働いていて、かつ労働日の8割以上勤務したときに生じる休暇のこと。労働基準法(以下、労基法)第39条に定められた労働者の法的権利だ。しかし、みんながしっかり有給休暇を消化しているとは限らない。

 労基法の定めでは、会社が認めなければならない年次有給休暇の日数は、最低条件で年間10日。以後、勤続が1年増えるごとに増えていき、6年半以上勤続では年間最低20日となる。むろんこれは法定の最低日数なので、会社は独自の規定でさらに付与日数を増やすことができる。

 また、今年取れなかった分を翌年取るという繰り越しの請求権も2年間は有効だ。基本的に、有給休暇の利用目的は労働者の自由、その取得時期も原則として労働者が請求する通りに会社は認めなくてはならない。

  ……という決まりはあるものの、さて、問題はこの有給休暇をきちんと取得できているかということである。かつて「ワーカホリック(仕事中毒)」と世界の非難を浴び、日本の国際競争力の源泉とまでいわれたのも、この有給休暇未消化率だったことを思い出したい。
3分の1が5日以下。有給休暇消化率約49%の実態
データ1 有給休暇の取りやすさは職場によって偏在!
データ1
昨年度(2003.4〜2004.3)取得できた有給休暇日数をアンケート
 Tech総研のアンケート調査によれば、「昨年度に有給休暇を何日使うことができたか」という質問で最も多いのは、「1〜5日」(31%)だった。次いで「6〜10日」(25%)。これだけで過半数を超えてしまう。なかには「0日」つまり有給休暇なんて全然取れなかったよ、という人が8%いる。(データ1)

 それぞれに付与されている有給休暇の日数が不明だからここでは消化率は出せないが、参考のために2001年の厚生労働省・就労条件総合調査を挙げておくと、会社が決めた有給休暇の労働者一人あたり平均は18.1日なのに対し、実際の取得日数は一人あたり8.8日。消化率は48.8%ということである。有給休暇日数は過去最高を記録したにもかかわらず、取得日数は6年連続減少を続けている。厚生労働省の調査結果に対する見解を待つまでもなく、「不況とリストラが続くなかで、休みを取りづらい雰囲気が強まっている」ことがうかがわれる。

 たしかに近年は厚生労働省などが率先して、「もっと休め!」と有休取得の旗を振っている。企業の関心も高まり、労働組合がしっかりした大企業などは、組合が有休消化率の調査を行い、また部下の消化率が低い部署の管理職は評価が下がるということも出てきている。「がむしゃらに働くだけが能ではない」という意識がエンジニアの間に生まれ、賃金だけでなく、休暇や社内活性策、教育研修の充実など、総合的な「働きやすさ」を基準に企業を選んでいく視点も芽生えてきた。
取りやすいのに、なぜ取らない?
データ2 有休は取りやすい?利用している?
データ2
 しかし世の中、こうした優良企業ばかりではない。建前上は有休取得が奨励されていても、実際はなかなか消化しきれないなど、有休の「取りやすさ」と、取得実績の関係はなかなか微妙なところがあるようだ。(データ2)

 今回のアンケートによれば、職場に有休を取りやすい雰囲気があり、上司も休暇申請を拒否しない、だからきちんと消化している、つまり「取りやすいので利用している」幸せな人たちは37%いた。さらに、「取りにくいが、それでもちゃんと取っている」人が22%いる。「とにかく、権利であるから」(機械設計・38歳)「(有休という)制度が死んでしまわないために」(社内情報システム・32歳)などの“権利主張派”がここでは頑張っている。

 問題は、職場の雰囲気はけっして取りにくいわけではないのだが、忙しさなどで実際は取れない 「取りやすいが利用していない」人たち(19%)と、「実際取りにくいので利用していない」(22%)という2つの層である。取れるのに取らないのは、権利の放棄ともいえるが、そんな簡単にはいかない職場の実態がある。

 さらにアンケートの回答では、こんな声が寄せられた。
なぜ有給休暇を取りにくいのか
「有給休暇取得=暇なやつというイメージがある」(システム開発・28歳)
「配属人数に対し業務量がかなり多いため、まず休めない」(ネットワーク・28歳)
「休暇を取ると仕事がたまり、その処理に忙殺され、余計に疲労が蓄積される」(電気・電子・38歳)
「当番制勤務のため、代わりの人を探さなくてはならない」(ネットワーク・36歳)
データ3 リフレッシュ休暇制度の導入広がる
データ3
 しかしそれにしても、この忙しさは永遠に続くのだろうか。年間最低でも30日はバカンスに充てるという欧米人の働き方は、日本人には永遠に不可能なのか。一方では、リフレッシュ休暇、男性も含めた育児休暇、介護休暇、ボランティア休暇など、長期休暇のバラエティが広がっている。(データ3)仕事と休みのメリハリをつけることで、仕事の効率を上げるためにも、あらためていま「休む」ことの意義を考え直したい。
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