会社はジムだ！Ｔシャツの似合う体を創る


	多忙なエンジニアはどうしても運動不足がち。周りから「太ったね」といわれても、鍛える暇もなかなかない。夏を目前にして、なんとなく腹回りが気になり始めた ──。でも大丈夫、会社はジム、仕事しながら鍛えられるんです! （総研スタッフ／関洋子　イラスト／タラジロウ）作成日：04.06.16

　平日は遅くまで仕事。休日はその疲れからダラ～っと過ごしたり、家族サービスや恋人とのデート、はたまた終わらなかった仕事をしたり……。多忙なエンジニアは体を鍛える暇なんてない。

「これだけ仕事しているんだから、食べることぐらい好きにさせてよ」と、飲んで食べていれば、年齢とともに基礎代謝は落ちていくため、どんどん体が丸みを帯びてくるのは仕方がない。だが、そのままで本当にいいのだろうか。

　肥満度を調べる指標として、よく紹介されるのがBMI（ボディー・マス・インデックス）だ。これは下記の公式からわかるとおり、体重と身長との関係から割り出される。

　BMIでは、18.5～25未満であれば普通とされているが、この値だけで安心は禁物だ。これはあくまでも、身長と体重との関係からみたもの。実は本当に重要なのは、体重に占める脂肪の割合、つまり体脂肪率だ。これを知らなければ、本当のヤバさはわからない。

　体脂肪をチェックするためには、市販されている体脂肪計を利用するのがいちばん、手軽な方法だ。

　下表で体脂肪率をチェックしてみよう。BMIでは「普通」でも、体脂肪率で肥満傾向と判定された人もきっといたはず。

　でもショックを感じている暇はない。これから夏に向かい、どんどん薄着になるシーズン。特に夏の定番、Tシャツの似合う体を手に入れるためにも、体脂肪とはサヨナラしたい。

「そんなことはわかっているんだけど、忙しいんだよ」──。確かにそのとおり。そんな忙しいエンジニアのみなさん、おまたせしました。短い時間でかつ仕事をしながら確実に体を鍛える方法を紹介しよう。

　今回、仕事をしながら上半身を引き締める方法を教えてくださったのは、オールアバウトジャパンのダイエットガイド、河口哲也氏。河口氏によると、「太りにくい体にするためにも、筋肉をつけること」だという。というのも筋肉はエネルギー代謝の大部分を支えている。筋肉では運動していないような状態でも、4～5割、運動しているときは9割のエネルギーが代謝されるからだ。

　では、Tシャツの似合う体をつくるためには、どの筋肉を鍛えればいいのか。

「腹回りが気になる人も多いでしょうが、第一のポイントは胸板。大胸筋をボリュームアップし、おなかのでっぱりが気にならないぐらい鍛えたいですね。次にTシャツと体の境目、二の腕や首の筋肉を鍛えること。第三に肩の筋肉。そして背中をすっきりさせるためにも、背中の筋肉も鍛えましょう」（河口氏）

　以下が河口氏お勧めの会社でこっそりできる体引き締め＆筋力アップ術だ。

河口哲也氏
1994年東京農工大学農学部卒業後、某加工食品会社開発研究部に入社。96年に体重が80kgを超え、ダイエットに目覚める。現在は内閣府沖縄総合事務局技官の傍ら、ダイエットをキーワードにボランティア活動を行う。FM那覇「ダイエットコネクション」パーソナリティ。近著は「ダイエットミシュラン」（自由国民社）。

	いすに座り、腕をひじ掛けの外側におく。
	両うでを軽く曲げ、ひじ掛けを外側から内側に10～15秒間、押し続ける（大胸筋が使われていることを必ず意識しながら）。
	それを4～5回繰り返す（1セット）。

	サーバーラックや実験機械の平行、かつ側面に手が届く位置にまっすぐ立つ。
	胸を開いてうでを90度に曲げ、側面を10～15秒間、押し続ける（側面に両うでが届かない場合は、片うでずつ）。
	4～5回繰り返す（1セット）。

	おなかの前で握りこぶしをつくる。
	両方の手首の裏側をクロスする。
	下側の手は上腕二等筋を意識しながら、力こぶをつくるように力をこめる。上側の手は下側の手を押さえつける（8～10秒ぐらい）。
	4～5回、繰り返す。
	手を入れ替えて、～を行う（1セット）。

	いすに座る（背筋を伸ばした状態で）
	うでを軽く曲げる（手のひらを上向きに）。
	デスクの天板下に手を差し入れ、上腕二等筋を意識しながら、天板を持ち上げるようなイメージで8～10秒ぐらい力をこめ続ける（机を持ち上げてしまうのはもちろんNG）。
	4～5回繰り返す（1セット）。

	両手の手のひらをいすの座面に押し当てる。
	ひじを伸ばした状態で、両腕に全体重をかけるような感じで体を前面に傾け、その姿勢を8～10秒間キープする。
	4～5回繰り返す（1セット）。

	いすの背もたれを両うでで挟む。
	肩甲骨を内側に寄せるような感じで、両うでに力を入れ、8～10秒間キープする。
	4～5回繰り返す（1セット）。

　これら4つのメニューでどれだけの効果が得られるのか。河口氏は「それぞれ一日3セットぐらい行うと、3カ月後にはかなりの効果が得られるはず」と語る。

　注意したいのは、いっぱいやりすぎないこと。回数は効果に比例するわけではない。「今、どの筋肉を鍛えているかを常に意識する」ことが、効果を上げるポイントなのだ。また、毎日、続けることも重要だ。仕事に煮詰まったので、少し休憩したい、退屈な会議が続いている……なんてときに、気分転換をかねてやることが、長続きの秘訣だろう。

　女性が挙げる「好きになる男性の条件」のひとつが、「白いTシャツが似合う」こと。エンジニアの場合、職場での服装がＴシャツやポロシャツという人も多いはず。しかも、機器やデスクなど、社内の環境を工夫してうまく使えば、周りの人に気づかれず、仕事中にこっそりと鍛える方法はいくらでもある。そう、今からでも遅くない。この夏は女性の視線を釘付けにするボディーを手に入れようじゃないか。

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関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ

実は私、体を鍛えることが大好き。毎週末、あるジムに通っています。腹筋はもちろん、上腕二等筋、三頭筋などかなりのもの。そんな私ですが、忙しくなるとやっぱり通えなくなるんですよね～。でも今度から大丈夫。通えないときも、筋力アップできるんですから。みなさんもぜひ、試してくださいね。そして効果をお知らせください