入江:
陸上自衛隊から○○○への転職では、ネットワークエンジニアに応募したのですか? |
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藤井:
はい。当時は、通信ネットワークが急速に発展して、人材不足が生じるといわれていました。ならば、ひとまずネットワーク技術を勉強し、そこからIT業界へ入ろうと思いました。 |
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入江:
第2新卒的な入社だったわけですね? |
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藤井:
内定後、シスコのCCNAレベルの知識は勉強してほしいといわれましたので、独学で取得しました。そのうえでの入社でした。 |
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入江:
【Point4】しかし、選考時はまったくの技術未経験。なぜ採用されたと思いましたか? |
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藤井:
ひとつには体力でしょう。ネットワークインフラづくりには体力勝負のところがありますから。もうひとつは、コンピュータを知らないわけではなかったということ。学生時代、Fortranでプログラムを書いたことがありました。ポテンシャル採用だったと思います。 |
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入江:
【Point5】入社前に想像していたことと入社後とで、何かギャップはありましたか? |
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藤井:
会社自体は、イメージしていたように風通しのいいところでした。しかし、業務についてはイメージと食い違っていました。CCNAを取り、少しはやれるはずと思っていたのに、現場ではまるで力不足。がくぜんとしました。 |
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入江:
入社後の半年間は××証券に常駐して、社内LANとホームトレードネットワークの維持管理をしていたんですね? |
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藤井:
そうです。トラブル対応と現状の設計に基づく増移設・施工管理です。その間、ソリューション提案は一切していません。 |
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入江:
ヘルプデスクに近い業務ですね。 |
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藤井:
【Point6】ですが、この半年の経験が私には財産になったのです。大規模ネットワークの仕組みを実物で勉強し、設計スキルを習得できました。それと、現場のSEや施工担当者とつき合えたのも大きかったです。1年後にリーダーを任されたとき、助けてもらえました。 |
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短期間でさまざまなプロジェクトを担当 |
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入江:
そのあと、ネットワークの設計・構築プロジェクトに参加するようになったわけですが、ずっと××証券の担当なのですね? |
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藤井:
はい。ホームトレードの携帯電話対応プロジェクト、ネットワークの保守用リモートアクセスネット構築と続きました。 |
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入江:
外付けサービスの開発プロジェクトを最初に担当したのが、そのあとに続くホームトレード基盤増強プロジェクトですね? |
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藤井:
はい。そうです。 |
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入江:
構築は要件定義が終わった段階からスタートしたのですか? |
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藤井:
【Point7】業務の要件定義はアプリチームが行い、そのためのネットワークをどうするかという設計から加わりました。 |
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入江:
ここに書かれている8人体制とは、プロジェクト全体の人数ですか? |
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藤井:
ネットワークチームの人数です。 |
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入江:
藤井さんはそのサブリーダーだった。そのときのリーダーとサブリーダーの、業務上の切り分けは? |
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藤井:
大くくりでいうと、リーダーはアプリチームやサーバーチームとのインターフェースで、私はベンダーとの設計の詰めを担当しました。 |
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入江:
この8人は全員、自社の社員でしたか? |
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藤井:
いいえ。自社は3人です。2人が協力会社で、残り3人がベンダーです。 |
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入江:
常駐とはいえ、外部スタッフのタスク管理には苦労しませんでしたか? |
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藤井:
いいえ。優秀な方がそろっていたので、私のほうが育ててもらった感じです。ただ、お客さまの担当者が求めている内容と、上がってくるドキュメントにはギャップがありました。この部分は私が理解しているお客さまのリクエスト内容、例えば技術的な詳細なのか、作業の影響範囲なのかといった内容に、合うような修正は行うようにしました。
【Point8】顧客は証券会社でリスクに敏感です。リスクの説明も十二分に盛り込まねばなりませんでした。 |
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現在は大規模ネットワーク構築のリーダー |
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入江:
現在担当中のディザスター対応ネットワーク構築プロジェクトで、初めてリーダーになったのですね? |
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藤井:
その前に行った関連会社接続用ネットワーク構築が××証券に好評だったことから、大規模案件なのに私が任命されたのです。 |
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入江:
【Point9】確かに大きなプロジェクトですね。設計時の人員が14人。展開時には30人の増員ですか。期間は約1年。 |
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藤井:
はい。××証券では先にネットワーク構築を進める考え方でしたから、ディザスター対応でも同じ方針でした。本社地区とデータセンターのほかに、サブのデータセンターが2カ所。それと、情報系と勘定系のシステムそれぞれにあったネットワークを統一し、かつ能力アップを図るというものです。
そういった顧客の要望をヒヤリングし、提案、方式決定、詳細設計、社内テスト、展開調整、施工管理までの一連の作業です。それがもう少しで完了します。 |