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あなどれない! 大企業エンジニアのための明日からできるマンネリ仕事脱出テクニック
最近、なんとなくマンネリに陥っていませんか?――27歳〜35歳までの大企業エンジニア300人のアンケート結果から、やる気がおきない原因、エンジニアが陥りやすいワナを探ってみた。さらにはだれでも明日からできる、とっておきのマンネリ脱出法を公開しよう。
(取材・文/栗原知女 総研スタッフ/山田せいめい イラスト/内山弘隆) 作成日:04.02.25
【その1】 アンケートから浮かび上がった、マンネリ仕事に陥った大企業エンジニア像
「なんとなくマンネリだなあ」という脱力感が、アンケート結果から伝わってきた。キャリアに対する危機感がないワケでもないけれど、どうにもやる気が出ないのはナゼ? これって、いわゆる「ゆでガエル」現象かもしれない。

[仕事に対する目的・やりがいはあいまい なんとなく今の自分のスキルに危機感を持っている]
同じ仕事の繰り返しで、自分の技術や知識がどんどん陳腐化するように感じられるマンネリ歴は3年目。仕事に対して無気力で、その状態からなんとなく抜け出せない
仕事はしょせんマンネリするものとあきらめ、仕事以外に楽しみを見いだそうかとも思うプロフィール:A氏 31歳 大手電機メーカー勤務 システム開発エンジニア慣れた仕事はミスなく楽勝状態だから、居心地はいい
【その2】アンケートで明らかになった「マンネリ仕事」の実態
熱湯にカエルを入れれば飛び出すけれども、水から徐々に温度を上げれば、ゆであがって死ぬまで気がつかない――『「ゆでガエル現象」が会社を潰す』の著者であり、転職歴豊富な中桐有道氏のアドバイスを得て、アンケート結果を分析してみた。
アドバイザー:中桐有道氏プロフィール
なかぎりありみち・株式会社フルーク ネットワークス・ビジネス・ゼネラル・マネジャー。
昭和42年に横河ヒューレット・パッカード社に入社後、日本サンマイクロシステムズ社やノーテル・ネットワークス社などを経て現職。著書に『「ゆでガエル現象」が会社を潰す』(工業調査会)がある。
中桐有道氏

気づき
図1:マンネリ度レベル
「なんとなくマンネリになっている気がする」と答えた人が62%。「気がつくといつもマンネリにはまってしまう」というほど深刻じゃない人が大半である。エンジニアにとって、マンネリはいつの間にか忍び寄り、ゆっくりと増殖する寄生虫のようなものかもしれない。
「『マンネリ状態に陥っている』と早めに自分で気づければまだマシです」と中桐氏。早期発見・治療で「ゆでガエル化」を防げるのだ。今回の調査では、「自分でマンネリに気づいた」という人が94%。会社の同僚、上司など周囲から言われるまで気づかなかった人はごくわずかだった。

あせり・不安編
表1:マンネリ化していることへのあせり・不安の具体的内容(複数回答)マンネリ化に対する焦りや不安・悩みを「持っている(いた)」人は66%にのぼった。モチベーションの低下に悩む人が300人中の155人で最も多く、次が知識やスキルの陳腐化で114人。これはエンジニアだから陥りやすいワナだと中桐氏は言う。「エンジニアは小さいミスも許されないから、失敗を恐れます。優秀で、挫折体験が少ない人ほど過去の成功体験にしがみついて大胆な挑戦ができなくなり、やる気が低下し、陳腐化しやすいのです」。 失敗を恐れず高い目標に挑むことがマンネリ打破のカギのようだ。

原因編
表2:仕事がマンネリ化した原因(複数回答)マンネリ化の原因については、「モチベーションの低下」と答えた人が過半数にのぼった。やる気を失わせるモトは、「古い慣習、規則」「社内に活気がない」「仕事が細分化され社内での自分の位置付けが見えない」等々の社内環境。自由回答からは、どうにもならないシガラミの中でもがくエンジニアの姿が見える。
「現在抱えている仕事が目いっぱい詰まって、新しいことに挑戦する余裕がない」(機械設計・30歳)、「会社の方針がコロコロ変わり一貫性を保っていないので、意欲的に取り組むことができずマンネリな手法でこなしてしまう」(運用保守・31歳)、「同僚のしり拭いばかりでマンネリ化」(生産技術・32歳)……。「転職するなら今だ!」と思いながら毎日変わらず残業して一日が過ぎていくのは、まじめなエンジニアの悲しい習性かもしれない。

「マンネリ状態とは、ぬるま湯のように心地よく、幸せな状態です。無理しなくても同じことをただ繰り返せばいい。楽だからこそ多くの人が、マンネリ状態から抜け出せないのです」と中桐氏は言う。とするとマンネリ状態に早く気づいて抜け出せば、集団のトップに躍り出て、「ナンバーワンかつオンリーワン」のエンジニアとして成功を手にする道が開けるのではないだろうか。逆になかなか抜け出せないでいると、ぬるま湯がいつのまにか熱湯に変わり、「ゆでガエル」になってしまう。「マンネリ化を上司や会社の方針といった周囲の環境のせいにしないで、自分から環境を変えられる人かどうかで違ってくる」と言う。
【その3】「マンネリ仕事」から抜け出すためのテクニック大公開
つまり、マンネリ状態を変えるには、周囲の環境に新しい変化を起こせばいい。根本的に解決できそうなのは、転職だ。でもその前に何か簡単にできることはないだろうか。「服装を変えるとか、思い切って休むとか、ささいなことでもOK。ダラダラ続くように見える日常の連続性を断ち切り、不連続性を作ればいいのです」と中桐氏。エンジニア300人に聞いた、だれでも明日から簡単に始められるマンネリ脱出のテクニックを紹介しよう。

職場で手軽にトライ!
イラスト
  「パソコンのOSを入れ替えてみる」(制御系システム開発・32歳)
  「パソコンのアクセススピードを上げる」(運用保守・35歳)
  「仕事机の模様替え(PC・測定器の配置を変えた)」
(回路設計・35歳)
  「座席の位置を変える」(汎用機系システム開発・27歳)
  「危ない案件に飛び込む」(LAN/Web系設計構築・29歳)

時間配分、パターン、優先順位のつけ方等々「仕事のやり方を変える」という正攻法の意見が多かった。資格試験、自己啓発、社外セミナーへの参加のほか、新しいソフトや新しいプロジェクトへの挑戦を挙げる人が多かったのは、エンジニアらしい。社内の人間関係も、もう1つの攻めどころ。上司と話し合う、今まで話したことのない人と話す等々。ホンネは「上司を変える」だが、それができれば苦労はないか。

とにかく休んでリフレッシュ!
イラスト
  「休みをもらい、仕事から離れて自分の好きなことは何だったかを見直す時間をつくった」(コンサルタント・35歳)
  「1日さぼってみる」(研究特許・29歳)
  「無理やり定時に帰るようにした」(半導体設計・32歳)
  「せめて家にいるときはくつろごうと思い、バスタイムを充実させた」(運用保守・30歳)
  「前日にバリバリ仕事をして休暇を思い切って取る。そうすると休み明けはすっきり」(機械設計・28歳)

仕事一辺倒の生活を変えることが、マンネリ仕事を終わらせるきっかけになるだろう。とにかく休みを取る。残業を減らして自分の時間を作る。休みの過ごし方としては、「旅行へ行った」という人が多かった。できれば海外に行きたいところ。それができなくても、普段とは違う過ごし方をして、仕事人間じゃない自分を楽しみ、本当の自分を取り戻したい。

ファッション・ワークスタイルをチェンジ!
イラスト
  「快速に乗るのをやめて各駅停車で行くようにした(空いた車両でゆったり通勤)」(半導体設計・27歳)
  「スーツでの出勤をやめた」(運用保守・33歳)
  「坊主にしたり金髪にしたりして気分を変えた」
(研究特許・31歳)
  「自宅と駅、オフィスと駅の徒歩経路は、ほぼ毎日変えている」(運用保守・32歳)
  「出勤途中のシティホテルの朝食バイキング」
(Web/オープン系システム開発・35歳)

形から入れば、肩に力を入れなくても環境を変えられる。髪形、ファッションを変えたという人が多かった。意外な盲点だったのが、通勤時間の過ごし方。早起きして各駅停車に乗れば、空いた車内で通信教育などの好きなことをゆったり楽しめる。歩くルートを変えても、新しい発見がある。道端に咲く雑草の花に四季の変化を感じることもあれば、途中でステキな異性との出会いがあるかも。

仕事は忘れてプライベートをエンジョイ!
イラスト
  「アフター5にスポーツクラブに行き始めた」
(社内情報システム・27歳)
  「ゲームセンターでストレス発散」(運用保守・28歳)
  「引っ越しをする」(研究特許・29歳)
  「クルマを買い換えた」(制御系システム開発・33歳)
  「仕事の後、飲みに行く回数を増やす」
(Web系システム開発・35歳)

プライベートでは、スポーツを始めたという人が多数派。カラダを変えれば、ココロもリフレッシュできる。運動嫌いな人は、ゲームセンターで手近にストレス解消もいい。使える時間は休みやアフター5以外に、昼休みだってある。「好きな本を読む」という人や、「シャレたカフェでランチ」という人もいた。生活環境全体をガラリと変えるには、引っ越しがいちばんだ。相手さえいれば、結婚も大きな転機になるはず。

「マンネリ状態から脱出するには、小さなことから始めよう。“Think big,start small”でいきましょう」と、中桐氏。「着眼大局、着手小局」という言葉もある。何でもいいから、それまでとは違ったことをしてみて、そのときに「ワクワク、ドキドキして楽しければ、マンネリを脱出する第一歩を順調に踏み出したと考えていいでしょう。自分が楽しければ、周囲の人たちも楽しくなり、環境が変わり、人生が変わります」。そして、仕事でも趣味でもいいから、目標を少しずつ高く設定していく。
正三角形の法則
「正三角形の法則」がマンネリ脱出に役立つとアドバイスしてくれた。正三角形の頂点が目標だ。そして、正三角形の2本の斜め線がそれぞれ情報と人間関係、底辺が責任である。頂点を高くすれば3辺が長くなり、面積が大きくなる。情報が多くなり、人間関係の幅が広がり、結果として責任や人間としての器が大きくなる。つまり、マンネリから抜け出ようと常に意識して高い目標を掲げる人は、結果として責任の重い、重要な仕事を経験するチャンスにつながり、キャリア・スキルアップすることができる。
心理カウンセラーに聞いた「マンネリになる心のメカニズム」とは
野本薫史氏野本薫史氏のプロフィール
APC朝日パーソナリティ・センター代表。個人向けに心理カウンセリングを行うほか、メンタルトレーニングスクールを主宰。日本臨床心理学会会員、日本産業カウンセリング学会会員、中災防認定心理相談員。
ホームページ:http://www.apc-shinri.com
心理学では「刺激」と「反応」の関係でマンネリ状態を説明できます。人間には生まれつき適応能力があるので、外部からの刺激にうまく適応できるのですが、同じような刺激ばかりでは物足りなくなります。これを耐性現象といいます。刺激を強くするか、刺激の質を変えれば、新たな反応が起こり、マンネリではなくなります。新しい仕事に挑戦するとか、職場に魅力的な異性が入ってくればそれも刺激になり、やる気が出ます。でも、せっかくやる気を出しても、成果や評価が伴わなければ、しぼんでしまいます。

つまりマンネリ脱出には、「刺激→反応←応答・成果」というプロセスが必要です。一方、刺激に対する認知を変える――つまり新しい意味を見つけられるかどうかで、反応が変わります。また、旅行など非日常的な体験もよいでしょう。人間は、刺激を受けて身体的、心理的に適度の緊張と興奮のあるときが快適に感じられるのです。刺激といっても、悪いストレスばかりではありません。ストレス学説を唱えたハンス・セリエは「ストレスは人生のスパイスだ」と言いました。スパイスを上手に使い、人生を美味しく料理しましょう。

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山田せいめい(総研スタッフ)からのメッセージ
今回の企画を進めていくうちに、「なんとなく」「あいまい」といった言葉が頻繁に登場してきました。マンネリに対する危機意識は高いのですが、その「あいまいな状況」にどう対処すべきか悩まれる方が多いようです。今回ご紹介した脱出法は、あくまでも現状を打破する「変化のきっかけ」の一例にすぎません。これ以外にも、あなただけの脱出法があればぜひ教えてください。ちなみに私の脱出法は、「トイレの中で妄想すること」です。

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