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週刊 やっぱりR&D 求人トレンド解析室 解析テーマ 航空機開発

多くのエンジニアが一度は夢見る航空機開発。ホンダがビジネス機サイズのジェット機の試作、
初飛行に成功というニュースが駆け巡るや、国産機開発の機運があらためて高まってきた。
航空機は最先端テクノロジーの塊だが、開発参画のチャンスは案外多そうだ。
(取材・文/伊藤憲二 総研スタッフ/高橋マサシ) 作成日:04.02.04
エンジニアの夢、航空機を自分の手でつくってみないか
業界事情
 昨年12月、ホンダ(本田技研工業)が自社開発の小型ジェット機を初飛行させた。各種実証実験はこれからだが、高度な技術を要する航空機設計を自動車メーカーが成功させたことは、世界に驚きを与えた。富士重工業、トヨタ自動車も航空機ビジネスへの本格参入を表明しており、日本でも航空機開発熱が一気に高まる気配だ。

 航空機ビジネス、特に旅客機、ビジネス機のような民間向けはアメリカの独壇場と思われがちだが、実は航空機業界での日本企業の存在感は大きい。大型のカーボンコンポジット材やチタン合金などの材料開発、アビオニクスなどの電子機器から機体や翼の設計まで、日本企業は多くの分野で豊富な経験を有している。
 一方、政府はカナダのボンバルディア社が小型ジェット旅客機を大ヒットさせ、世界3位の航空機メーカーに成長した成功例を見て、日本製小型旅客機YSXの開発計画を再スタートさせた。また、防衛向けの次期飛行艇PSXを、エンジンを含め純国産で開発する方針も打ち出している。

 市場の成長性は抜群。旅客機は2016年までに1万機以上の需要が見込まれている。アメリカの航空機大手ハニウェルはビジネスジェットの需要について、2011年までに8400機の需要があると見ている。
 その市場を狙って、アメリカ、フランス、イギリスなどの航空機大国はもとより、ブラジル、中国などの新興勢力も参入してきている。日本勢もホンダの成功に刺激され、巻き返しに打って出ることが予想される。「夢と先端技術の塊」といわれる航空機の開発。勇気を持って飛び込むのはまさに今である。


採用動向
 航空機開発と聞くと、航空工学を専攻していた人材にしか縁がないと思われがちだが、実はそうではない。航空機は流体、動態、構造などの力学や新素材、電子制御など、多くの技術の粋を集めて作られている。つまり、航空工学畑以外のエンジニアにも、転職の門戸は広く開かれている。
 リクナビNEXTでもキーワードを「航空機」に設定して検索すれば、常時ヒットするほどの求人がある。航空機を手掛ける重工メーカーはもちろん、金属、複合材、樹脂などの素材メーカー、電子部品メーカー、金型メーカー、ソフトウェアなど、多くの分野の企業が入れ替わりで人材募集を行っているのだ。

 要求されるスキルはさまざま。航空工学を専攻していたエンジニアが有利なのはもちろんだが、航空との関連分野を手掛けた経験があればチャンスは広がる。
 空力、水力などの流体力学は、翼や胴体などを設計するのに役立つ。3DCADはシミュレーション設計で有用だ。ほかにも、機体に使用する軽合金や複合材や、エンジンに使用するチタン合金などの材料開発。飛行・機体情報を収集するための各種センサー、アビオニクスや各種の制御用回路設計。機体可動部をコントロールするロボットも必要となる。多くの分野で技術力が求められているため、未経験でも採用の可能性はありそうだ。

 そのほかにも、部品製造に要求される精密加工、アプリケーションテクノロジーであるOSの実装、リモートコントロールシステムや通信のための無線技術、機体各部を協調制御するシステム構築のためのLANなどのスキルも、転職に有利に働くだろう。全般的に熱意の有無が問われることが多く、応募の際には動機をしっかり表明しておきたい。


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