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今月のデータが語る エンジニア給与知っ得WAVE! Vol.8 成果主義と景況が与えた冬のボーナス格差
新聞によれば、2003年冬のボーナスは前年度冬実績と比較した一人当たり支給額より微増しているという。ではエンジニアのボーナス額は本当に増加したのだろうか? そこで、500人にこの冬のボーナス額とその満足度を聞いた。
(取材・文/入倉由理子 総研スタッフ/宮みゆき) 作成日:04.1.14
今月のデータが語る エンジニア給与知っ得WAVE! Vol.8
前年度より増えた人が46% 景気の明るさを感じた「電気・電子・機械」
 Tech総研では2003年12月、エンジニア500人に対し、冬のボーナスに関するアンケートを実施した。前年度の冬のボーナスと比較した増減を聞いたところ、46%が「増えた」と答え、「減った」30%、「変わらない」24%を上回る結果となった。

職種分野別(データ1参照)で見ると、「増えた」とする人は「ソフトウェア・ネットワーク関連」の44%に比べ、「電気・電子・機械関連」が50%と多く、デジタル家電の普及などを背景に景気の明るい兆しを感じているようだ。
データ1 景況が格差を生んだ冬のボーナス額の増減
ソフトウェア・ネットワーク関連 電気・電子・機械関連
ソフトウェア・ネットワーク関連 電気・電子・機械関連
 しかし、ボーナス額では、「ソフトウェア・ネットワーク関連」の方が「電気・電子・機械関連」よりも少し水準が高い(データ2)。70万円以上の人を合計すると「ソフトウェア・ネットワーク関連」で55%、「電気・電子・機械関連」で51%という結果となっている。
データ2 70万円以上は50%以上! 冬のボーナス額分布
データ2 70万円以上は70%以上!? 冬のボーナス額分布
 これを受けて、データ3の満足度のデータを見ると、興味深い。金額的に見ると「ソフトウェア・ネットワーク関連」のほうが高いにもかかわらず、「不満」を感じている人は相対的に多い。実際に、ボーナスに対して不満を感じるエンジニアたちの中からは、モチベーションダウンの声も挙がっており、「絶対額」よりも「減額」が「不満」の大きな理由の一つであることが見えてくる。
データ3 「絶対額」より「減額」が不満! 冬のボーナス額満足度
ソフトウェア・ネットワーク関連 電気・電子・機械関連
ソフトウェア・ネットワーク関連 電気・電子・機械関連
○「この5年間、ボーナスが下がりっぱなしでやる気がなくなってしまう」
(システム開発・36歳/85万円)
○大幅増益にも関わらず、部門評価が低くてボーナス下がったが査定基準が不明確なうえに平均すら発表してもらえない。
(生産管理・32歳/34万円)
エンジニアの関心事は、「評価基準」が正当か否か

 とはいえ、エンジニアたちの「不満」と「満足」を分かつ基準は、単純にボーナス額の増減だけでなく、その「評価基準」にもあるようである。
 ボーナスの評価基準に関する回答は以下の通り(データ4)。「会社の業績」の次に「個人の業績・成果」がランキングされ、「年齢・学歴・勤続年数」を超えている点は非常に興味深く、日本の企業の賃金体系が変化しつつあることを物語っている。年功序列型から、個人の能力や成果を評価しようとする流れは、もはや傍流ではないようだ。
データ4 成果主義時代が色濃く出たボーナス評価額基準
データ4 成果主義時代が色濃く出たボーナス評価額基準
○「会社の業績と個人の頑張りは連動しない。頑張っても報われない」
(システム開発・36歳/50万円)

○単に数字だけに表れた結果しか見ていない。ユーザ対応も業務の一部であるエンジニアにとって、数字に表れない努力は少なからず存在するにもかかわらず、その点は一切考慮されない。
(システム開発・33歳/69万円)
「評価基準」そのものに対して不満を感じている例としては、会社への業績だけでボーナス額が決まってしまうことを嘆くエンジニアは少なくない。「どの決まり方だから満足・不満」というだけではなく、その「評価基準」が正当に機能しているか、不公平ではないかという点にも関心は集まっている。

経営・評価不満に納得できない!
○「社内カンパニーの中でも景気動向に敏感なところは軒並み悪く、鈍感なところは高業績=高ボーナスとなっており、不満が出ている」
(生産管理・38歳/70万円)

○「予定ボーナスよりカットされたにもかかわらず、役員の報酬カットはなく、株の配当まである。いったいどういうことだ!」
(パッケージ・ミドルウエア開発・36歳/55万円)

○「業績が目標をクリアしたにもかかわらず、部署内の相対評価となりボーナス額がUPしなかった」
(ネットワーク設計・構築・31歳/63万円)
○「個人売り上げ目標を達成しているにも関らず、他の達成していない同僚と変わらない」
(品質管理・36歳/55万円)

○「昨年比ではやや微増だが、年功的要素が強く年長者と同じ成果を出しても年長者の方が手厚くボーナスが支給されており大変不満」
(研究・特許・26歳/60万円)

○「前年度からは減ってしまったが、個人評価は100%されているし、現在の経済状況の中では十分な金額だと思う」
(サービスエンジニア・33歳/48万円)
 部門間の不公平感、経営陣に対する不信感、業績の評価の正当性に対する不満を露にするエンジニアが非常に多かった。
 一方で、増えても不満、減っても満足という人が少なからずいるのも象徴的であろう。エンジニアたちにとって、絶対額やその増減も重要であることは間違いない。しかし、最大の関心事は「納得感」。ボーナスによるモチベーションのアップダウンを決定付ける、欠かせない要素は透明性、正当性だといえるだろう。
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