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上流志向エンジニアの新フィールド 製造業社内SEの魅力 SCM、PDMプロジェクト乱立背景編 上流志向エンジニアの新フィールド 製造業社内SEの魅力 SCM、PDMプロジェクト乱立背景編 上流志向エンジニアの新フィールド 製造業社内SEの魅力 SCM、PDMプロジェクト乱立背景編
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停滞気味の景気に呼応するように、減少ぎみのSEの華々しい仕事。しかし製造業では、今、グローバル、大規模なプロジェクトが続々と立ち上がっている。そんなダイナミックで上流工程に携われる製造業社内SEの仕事の魅力を明らかにする。
(総研スタッフ/関洋子)作成日:03.11.26
製造業社内SEはシステムのお守り担当ではない
 製造業の社内SE。製造業に限らなくても、社内SEの仕事といえば、「従来システムの運用」「従業員のヘルプデスク的存在」というイメージでとらえてはいないだろうか。

 もちろん、そういった仕事もある。しかし今は、そういった「古いシステムのお守り」ではなく、競争力の源泉となる新しいシステムを構築する部門としての役割に変わりつつあるのだ。

 日産自動車・グローバル情報システム本部・システム開発部部長の岸本俊一氏は、
「当社のIT予算は売上高の約1.5%を充てています。しかし1999年ごろは、その約9割が運用・保守に使われていました。しかし徹底的に見直し、約5割にまで削減。そこで節約できた分を新規投資につぎ込んでいます」
 と語る。

 また総合楽器・エレクトロニクスメーカーのヤマハにおいても状況は同じ。
「今は従来システムを刷新の時期です。ほとんどのシステムにおいて、見直しを行っています」(ヤマハ・情報システム部・情報化企画室・企画担当課長 井川祐介氏)
IT投資を積極的に行う自動車、大手家電メーカー
 製造業全般のIT投資の流れについて、ワールドワイドでIT市場に関する調査を行うガートナー ジャパン・リサーチデレクターの浅井龍男氏は
「ここ5年間を振り返ると、自動車、大手家電メーカーなどの国際競争力のある企業は、かなり積極的にIT投資を行ってきました。そしてその傾向は 今後も続くと考えています」
 と語る。

 この現象はグラフを見ても一目瞭然。1995年以降の製造業の情報化投資年平均増加率は16%。製造業がほかの業界よりも積極的にIT投資を行っているのがわかるだろう。そのIT投資内容も5年前以降からガラッと変わってきているというのだ。

「この10年、製造業がどのようなIT投資をしてきたか振り返ると、前半は欧米諸国で設計されたSCMやERP、CRMなどを、コンセプトをあまりいじらずに導入することに投資しました。ところが、何をどうやってつくろうとしているのかという点のスタイルの差から、投資に見合ったリターンがなかなか得られなかった。それを踏まえて、後半の5年は自分たちの競争優位性を導くITとは何か、そこに投資をする傾向が強くなってきています」(浅井氏)
産業別情報化投資額の推移

(出典)「ITの経済分析に関する調査」
社内から社外連携へ──変わる設計スタイル
 外資系の大手CADベンダー、PTCジャパン・PRマネジャーの池田一臣氏は製造業のIT化について次のように語る。

「今まで大手製造業はグループ内で部品調達、設計・製造・物流・販売までほぼ行ってきた。しかし製品ライフサイクルの速さ、厳しい顧客の要望により、自社の中で完結するのではなく、外注する傾向が強くなっています。そうするとひとつの製品にかかわる人数が増えてくる。外注先の人たちと一同に集まってミーティングすることはなかなかできません。そこで製品情報のやりとりなど、ある人が考えていることを伝えるためのソフトが求められています」

「3DCADを使って設計し、そのデータを蓄積することはほとんどの大手製造業ではできている」と池田氏。しかしこのようなデータは設計者一人ひとりには知的資産となっているが、企業全体としての知的資産とはなっていないのだという。そこで、プロジェクト管理ソフトなど、設計のデータを作るだけではなく、製品を作るために管理し、コラボレーションできるシステムに関心が高まっているようだと池田氏は言う。

 開発スピードの高速化、ライフサイクルの短命化に対応するため、大手製造業では設計業務を効率化するCADやPDM(プロダクト・データ・マネジメント)を積極的に導入している。しかし、それらのシステムは独立していることが多かった。最近では1400億円を投資した松下電器産業のように、SCMやPDM、ERPなどの基幹業務システムとの連携も頻繁に行われる傾向にあるようだ。
目白押しの大規模プロジェクト
 実際、今回取材した日産自動車、ヤマハでも大規模なプロジェクトが目白押しである。
「現在、400件ぐらいのプロジェクトが走っています。経営層にまで報告する数十億〜数百億円というプロジェクトもワールドワイドで20件以上動いています」(日産自動車・岸本氏)

「東南アジア、アメリカ、ヨーロッパなどグローバル規模でSAP導入に着手しています。また図面管理システムなども今あるものを刷新し、ERPと連携する仕組みづくりも2005年中にはなんとかしたい。大規模・かつグローバルなプロジェクトが目白押しです」(ヤマハ・井川氏)

 しかもこれらの大規模プロジェクトにおける社内SEの役割は、あくまでも業務を分析し、システムの企画・設計を行うところ。現実にシステム化を行うところは、大手SIベンダーなどのパートナー企業が行う。つまり社内SEは最上流の工程に携わることになる。そこが最大の魅力といえるだろう。
拡大する求人ニーズ
 もちろん、世界競争力を持つ大手家電、自動車、精密機械などの製造業がIT投資を積極的に行っているとはいえ、日産自動車、ヤマハのように、積極的に中途採用を行い、社内に人材を抱えるという戦略に出るわけではない。では求人ニーズはどうなのか、リクナビNEXTを検索してみると、10月31日現在で11件の求人が見つかった(情報システム部門を切り出したユーザー系SIベンダーは除く)。

 人材紹介会社のリクルートエイブリックのホームページでも「企業内の業務効率改善や情報マネジメントの整備に伴い、ニーズが急増中」だと書かれている。

「上流工程に携わりたい」「大規模、グローバルなプロジェクトを経験したい」というITエンジニアにとって、製造業の社内SEは非常に魅力的な職種といえるだろう。

 では実際、どんなプロジェクトに携われるのか、SIベンダーで製造業に携わるのとはどこが違ってくるのか、どういう役割を期待されているのか。次回、日産自動車、ヤマハの実例を通して、製造業社内SEの仕事の魅力を紹介したい。
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関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ
トヨタ自動車の「カンバン方式」こそ、ERPパッケージを生み出した原点。そう、世界に通用するベストプラクティスを生み出すのは日本の製造業だ──。そのロジックを利用すると、製造業の社内SEこそ、世界がまねできない独自のベストプラクティスをIT化する職種となる。まさに社内SEはベストセラー『ザ・ゴール』(エリヤフ・ゴールドラット著)の世界。第2回目(来週水曜日更新)でその詳細を明らかにします。お楽しみに。

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