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技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男 技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男 技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男
技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男
技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男
技術一徹バンザイ! 第1回目 「不景気の時こそ売れる技術」をもつ男
何を置いてもこだわるのは、今までにない「創造」。従って、押しつけの合理性や目先の利益には、あえて逆らうこともある――。そんな一徹なエンジニアを追う新企画。初回は、マルチメディアサーバーやAIなど、先端でニッチな開発を手掛ける、ベンチャー企業の取締役を訪ねた。
(取材・文/川畑英毅 総研スタッフ/高橋マサシ 写真/設楽政浩) 作成日:03.11.26
福田昌宏氏 ロボカップ初出場で世界ベスト8へ進出
株式会社ブレインズ 取締役 福田昌宏氏
愛知県新城市出身、44歳。東京工業大学電子工学科博士課程修了。マルチメディア関係のボード開発など、「ハードを中心に、必要なこと、やりたいこと」を続ける。業務としての開発の傍ら、今年は「ロボカップ」の小型リーグに、チーム「まくした」(横浜桐蔭大学社会人ロボットクラブ)で出場。ロボットの制御基板部の開発を担当。
株式会社ブレインズ http://www.brains.co.jp/
1986年8月の大学院在学中、大手電機メーカーに勤務していた現・代表取締役の堀内岳人氏、福田氏らを中心に設立。AI関連システムの開発に始まり、多機能マルチメディアサーバーの開発・販売、ソフトとハードにまたがる多様な受託開発・自主開発を手掛ける。
世の中のホットなところに身を置きたい
「われわれの仕事は、いわば企業にとっての外部研究開発部門に近い。お客さんからの依頼があって始まる仕事が多く、それぞれの仕事の単価も高い」
 会社設立のとき、世は人工知能ブーム。そんな流れに乗って、CAIの開発を目指したが、ビジネスにはならず、GIS(地図情報システム)のハシリともいうべき、システム開発や、CD-ROMを用いた画像データベースなどを請け負ってきた。顧客には大手企業や公共団体が並んだ。
「当時は実績もなかったけれど、大手企業でわれわれに近い世代、先進的なことに興味のある若手技術陣が注目してくれたんです。それで白羽の矢が立った。以来、今でもそういう人たちから、困ったときには相談がきます」
 その後AIは、実用化という点では今ひとつ足踏みしている感があるが、福田氏らはめげずに仕事を広げてきた。ソフトからハードにまたがる、さまざまな受託開発、自主開発だ。一貫したスタンスは、「技術的によそができない」と「面白そう」の2点。
 そんな主張だと真っ先に経費削減の対象にされ、受注が減りそうだ。しかし実際には、景気が芳しくないときほど、研究開発はしくじれない。「だからウチに声が掛かる。景気がよいときほど、ウチはよくないんですよ」と福田氏は笑う。
ネットワークカメラサーバー「mmEye」
福田氏開発のキャプチャー機能を備えた
ネットワークカメラサーバー「mmEye」
「面白いこと」が次のステージにつながる
「今の情報機器の流れを見ると、デスクトップ・コンピュータの形は、そろそろ進化の頭打ちかな、と思う。今後は、ますます組み込み型の、広い意味での『装置』が増えていく。そうなれば、われわれの技術を生かす場所も多くなっていくと思う」
 福田氏は今年、本業の傍らで制御基盤の開発を手掛け、ロボカップに出場した。初出場ながら、世界大会のベスト8に進出。
福田氏のデスク
福田氏のデスク。中央の缶は、
機器の温度特性を調べるための冷却スプレー
「ハードウェアの性能のおかげで、あるレベル以上のチームが多くなっている。そこで勝負を決めるのは制御。今後はますます、個々のロボット、あるいはチームとしてのロボット群をいかに動かすかという、戦術・戦略部分が重要になってくるんです。となると、そこにAIの要素が復活してくる。単なる制御基盤でなく、AIを組み込んだ、よりインテリジェントな装置へ。今のところ『仕事』ではないけれど、実はこの開発経験が、われわれの今後につながってくると期待しているんですよ」
「面白いことに食らいつく」が、次のステージを生む。それが、技術一徹の醍醐味なのだ。
取材協力:株式会社チップワンストップ
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高橋マサシ(総研スタッフ)からのメッセージ
高橋まさし(総研スタッフ)からのメッセージ
 コスト削減、短納期、短期利益主義、効率化優先など、エンジニアを取り巻く開発環境は、かなり厳しいと思います。しかし、そんな一般の風潮に逆らって、技術者魂を貫く人々がいます。福田さんもその一人です。
 彼は、「できることとできないことを見極め、そのうえで、『こうすればあれができるかもしれない』を考えるのが僕の仕事」と語ります。これこそがエンジニアの仕事! 次回は、「自律型ロボットに一徹」な方をご紹介します。

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