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ガマンの限界度で探る 会社脱出日シュミレーション
「今の会社じゃ割に合わない。でも……」とガマンを続けるうちに、エンジニアとして停滞してしまうのはもったいない。 停滞状態は、ただ待つだけではなかなか解決しない。みずから脱出期日を設定することで抜け出してみては?
(取材・文/木下ミカエル)作成日:03.07.23

THANKS! 「今の会社に居続けても技術的に学べることはなさそう。いつかはこの会社を辞めようと思いながら、いつまでガマンすべきか迷っています」(befreeさん・30歳)などの声から、この企画は生まれました。
Part1 「あとちょっとガマン」は、損益分岐点を超えている?

エンジニアとして「手遅れ」になる前に

ガマン増加による
エンジニア寿命の萎縮度

ガマンの期間・量がある一定以上になると、エンジニアとしての寿命が急激に縮まってしまう。
※ここでの「寿命の長さ」とは、エンジニアとしてのモチベーションやコンティニュアス・ラーニング・アビリティー(学び続ける力)、市場価値の高さを指す。
 どうも今の会社にいても、割に合わないんだよな〜。
 なーんかひっかかるんだよな、今の環境。居づらいっていうか。
……でも、「まだ」「もう少し」ここでガマンしたほうがいいのかな。
 そう躊躇することはないだろうか。

 だれにだって損得勘定がある。それは、キャリアを考えるうえでも同じかもしれない。
 今の環境は自分にとって得なのか、損なのか。もし損をする状況が続いていたら、「いつまで」今の会社でガマンしたらよさそうなのか。
 ガマンするばかりで停滞した状態のまま、自分の市場価値を腐らせるのはもったいない。
 エンジニアとして輝き続けるために、あらためて今の会社での「耐用年数」を考えてみてはどうだろうか。


損得勘定で計ってみたら?

 今の会社での耐用年数をどう計るか。
「もう耐えられないという感情がはちきれるまで」というのもひとつだが、自覚したらすでに手遅れ(消耗しつくして、次の手が打てない)では悲しすぎる。
 そこで、今の会社にいることでのメリット(利得)とデメリット(負荷)のバランスから考えてみたい。「エンジニアとしての成長度合い=現在の会社にいる価値」と考えると、以下のような数式で表すことができる。


今の会社にいる価値=A(メリット)+B(デメリット)

A < B ←「損」疲弊する。エンジニアとして腐りはじめる。放っておくとヤバイ。
A = B ←ガマンの限界。運命の分かれ目?
A > B ←「得」満足。モチベーション高まる。市場価値上がる。


メリット ・・・エンジニアとして成長できる要素。
      給与、技術、ポスト、仕事内容、人間関係、大きな仕事のチャンスなどに恵まれている。
デメリット・・・エンジニアとして停滞させる要素。
      給与、技術、ポスト、仕事内容、人間関係、大きな仕事のチャンスなどに恵まれない。

 エンジニアとしての寿命を縮めないためには、今の会社にいるメリットがデメリットを凌駕する必要がある。デメリットがメリットを超える一歩手前、つまり双方が微妙に均衡した時点で、冷静に会社との関係性を見直す必要性があるというわけだ。
 これは一見当たり前のようだが、どっぷりと会社生活につかっていると、徐々に窮地に追い込まれていても気づきにくいことがある。
 ―「あと少しガマンしよう」と考えている「今」がすでに危機的状況を迎えていることだってあるかもしれないのだ。
Part2 転職経験者が語る「僕が会社を辞めるまで」

 ここでは、実際に転職したエンジニアが前の会社を辞めるまでの経緯をみていこう。
彼らのガマンの限界はどこにあり、どうやって会社脱出日を設定したのだろうか?



S・Hさん(32歳) 電気メーカー⇒大手電気メーカーに転職
■脱出を考えたきっかけ
同じ職種の友人より年収が低いことに気付く

 最初のきっかけは2001年3月に同窓会に行ったことですね。友人と話をしていたら、同じ光学機器のメカ設計なのに、明らかに僕の方が年収が安いことがわかって愕然としたんです。ボーナスの話から推定すると年間で50万以上違う。なんか納得できなかったんですね。
■S・Hさんが脱出日を設定した理由
衰退していく環境に慣れたくなかったから

 年収の低さを不満に思っていたときに、たまたま会社の事業不振による残業代カットの噂を耳にしたんです。
「ボーナス、残業代カットくらい、他の会社でもあるじゃないか」とは思いました。仕事内容には満足していたし、仲間や上司ともうまくやっていたので「ちょっとくらいガマンすればいいじゃないか」って。でも、会社として勢いがない状態に1年も2年も慣れきってしまうのは危険だなという思いが強まり、「1年以内」でなんとかケリをつけようと。それで2001年5月には転職サイトに応募しました。
 実際に、2001年7月には残業代がカットになりました。でもこの状況を深刻に捉える声は少なく、ただ景気のせいにして終わり。そういう雰囲気も耐えられませんでしたね。


J・Sさん(30歳) 携帯ソフト開発ベンチャー⇒外資系ハードベンダーに転職

■脱出を考えたきっかけ
「すべて自己責任」に疑問を持った

 若い会社で勢いもあって、設立最初は本当に楽しかったんです。でも事業が拡大して、仕事量が爆発的に増えたあたりから、おかしくなって。企業としての若さ、体制のなさが裏目に出た。責任の取り方、プロジェクトの人員管理など、とにかくいい加減。「起きた問題は全て社員が自主的に解決すべき」という考え方に疑問を持つようになりました。
■J・Sさんが脱出日を設定した理由
「このままじゃ使い捨てにされる」と感じたから

 携帯電話用のアプリ開発をしていたんですが、技術的には刺激的な環境でした。2000年の秋、会社の設立当初は、夜中に技術談義に花を咲かせるなんてこともよくありました
 でも、2002年に事業が拡大して、メンバーの業務負荷が膨大になったんですね。体調を崩す仲間も多かった。「今度はだれが倒れるか?」が挨拶がわりになっていました。
 もっと効率よくまわせる体制作りが必要だと訴えても、上司は耳を貸そうとしない。会社の業績は上がっているのに、給与もほとんど上がらない。2002年の秋には連日の終電帰り、泊り込みに僕自身も肉体的な限界を感じていました。
 技術面での魅力は捨てがたい。でも、それを吸収する自分がボロボロになることへの危機感が募り「半年以内には辞めよう」と転職活動を開始。辞めるまでは8カ月かかりました。それでも自分のとっては早い脱出だったと思っています。

Part3 あなたの会社脱出日を計ってみよう

 最後に、あなた自身の会社脱出日をシミュレーションしてみよう。
 社会心理学の「ヒトと組織のマッチング」フレームをもとに、会社に対するガマンの限界度から会社脱出日を計るシミュレーターを作成してみた。
 まずは該当するYes項目、該当しないNo項目を数えてみよう。YesからNoを引いた合計で、今の会社の見切り期限が見えてくる。
 あくまで簡易シミュレーションなので参考値にしかならないと思うが、期日を意識するだけでも、会社との最適な距離(または辞め時)を見直すよいきっかけになるはずだ。


『うちの会社、将来性ないよな』
□ 業界、自社の未来を考えると、いつも暗くなる。
□ トップ・経営陣の外部評価が「不気味なくらい」良すぎ。
□ 自社製品・サービスを家族、友人に自慢できない。

『こんな理念、戦略じゃだめだよ』
□ 自社の経営方針、事業戦略に「ウソっぽさ」を感じてしまう。

『この仕事、やってらんないよ』
□ 担当業務について「たいした仕事じゃないけどさ」と前置きしてしまう。
□ 仕事を頼まれると、いつも「忙しくなるな」と気が重くなる。

『こんな人間関係じゃ……』
□ 尊敬できる上司、技術的に頼れる先輩が一人もいない。
□ 最近、周囲の社員がどんどん辞めていく。

『この待遇で働けっていうのか!?』
□ 必ず落ち込むので、友人と給与の話をしたくない。
□「この会社で自分は育った」と思えたことが一度もない。
□「なんでこんな人が」と周囲が思う人に限って昇進する。
□「働きやすそうな会社だね」と友人に言われると、つい顔がこわばる。

Yes【   】個 − No【   】個 =【    】個



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木下ミカエル(総研スタッフ)からのメッセージ
 会社を辞めるかどうか考える場合、動くことでのリスクに目が向きがちですが、あえて今回は「とどまることでのリスク」を取り上げました。
 辞めて一歩踏み出すことも、辞めずにとどまり続けることも、今の時代は同じくらいパワーが必要だと私は思うのですが、皆さんはどう思いますか?
 

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