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憧れの会社へのスピード転職を実現した「事前準備の裏技」とは?
30社から5社に絞り、わずか34日で内定したN・Hさん(32歳)
企業選定や職務経歴書作成・・・。いざ転職と思っても、応募までのプロセスは意外と長く、経験者であっても手強いもの。今回は周到な事前準備で虎視眈々と転職のチャンスを伺い、スピード転職を果たしたN・Hさんのケースを紹介する。
(取材・文/長谷川恵子 総研スタッフ/木下ミカエル) 作成日:03.04.30
THANKS! 転職は「何かあってから決断し、行動に移すもの」という意見も多いようです。一方で、事前準備をバッチリ決めておくとチャンスを逃さず転職できるとも聞きます。今回は、そんな転職活動をしたN・Hさんのケースを取り上げました。
PROFILE
大手ソフトウェアメーカー プロジェクトリーダー
N・Hさん(32歳)
91年、金融系コンピュータ会社に入社。プログラマとして銀行のオンラインバンキングシステムやメーカーの工程管理システムなどの開発に携わる。
96年、26歳のときにOracleを使ったデータベース開発に携わりたいと、大手OAメーカーの子会社に転職。プログラミングから、営業支援、納品後のサポートまで、幅広く業務を手掛ける。しかし、転職直後で30代以降のキャリアに不安を感じ、マネジメントスキルを身につけるべく、2回目の転職を意識するように。
98年、大手ソフトウェアメーカーA社に入社。
SCHEDULE 転職決意から内定まで34日
1998.8 30社から5社に応募
人材紹介会社を訪問し即座に応募
  3社の面接が決定
5社のうち3社が書類選考通過
1998.9 A社一次面接通過
人事部長と面接
  B社一次面接不合格
面接での「イヤな予感」的中
  C社も一次面接不合格
不採用通知届く。仕方ないか
  A社二次、三次通過、内定
思わず合格の理由と尋ねてしまう
1998.10 退社の意思表示、退社
上司に口頭で退社の意思を伝える
1998.11 A社入社
A社での勤務がスタート
||  キッカケ編  ||  30社から一気に5社を絞り込む
||  活動編  ||  2社落ちて、チャンスはあと1社に
||  後始末編  ||  あっけらかんと退職の意思を告げる
キッカケ編 30社から一気に5社を絞り込む

96年10月14日 チャンスがあれば

 旬の言語であるOracleを使ってデータベース開発に携わりたい。そんな気持ちから、ふたつ目の会社に入って2カ月。
 仕事自体は面白いが、最近、現場で第一線のプログラマとして働き続けるには、年齢的な限界があるような気がしている。今、僕は26歳だが、30を過ぎてもこの仕事を続けるか思案のしどころだ。

 最近は上流工程にも興味が出てきたし、お客さんからのヒアリングなどもしているけれど、もっと大きくプロジェクトを動かすノウハウも学んでみたい。年収も今は平均的だと思うが、もっと評価してくれる会社もあるかもしれない。

 特に今の会社に不満はないが、いいチャンスに恵まれればすかさず転職したいと思う。

98年8月2 日 手始めに20社を選ぶ

 いつも「いい会社があれば……」と思っているので、数カ月ごとに求人誌を買うようにしている。今日も近所の書店で久々に買ってみた。

 試しに、目に留まった求人広告をピックアップしてみる。数えると、20社になった。
 そこでふと人材紹介会社を通じて情報収集してみることを思いつく。気になる企業の情報や採用動向だけではなく、自分では気づかないほかの会社も紹介してもらえるかもしれない。

 軽いノリで、人材紹介会社に電話でアポイントを取る。


8月22日 一日で30社が5社に

 休日を利用して、人材紹介会社に出掛ける。残業が多いので、平日はなかなか行けないのだ。
念のためと思い、普段から用意しておいた写真や履歴書、職務経歴書も持っていくことにした。

 実は、この人材紹介会社には数年前から登録しているが、実際に利用するのは初めてだ。
 「試しに受けてみたらどうですか」というキャリアアドバイザーからの勧めもあり、実際に応募してみることに決めた。

 キャリアアドバイザーから勧められた企業に、もともと関心を持っていた企業を加えると、候補は30社ほどになった。そこから自分で5社を選び、個別の応募書類も5社分書き上げてしまう。この間、約1時間。事前に履歴書や職務経歴書を用意していたのが役に立った。マネジメントスキルを学べる環境を求めて転職することは自分の中ではっきりしていたので、「希望する職務内容」を企業ごとに書き分ける必要もほとんどなかった。

 こうして僕の転職活動が始まった。当初は、企業や転職市場についての情報収集と、自分の市場価値を知ることだけが狙いだったが、これも縁というものだろう。
 すぐに決まるとは思えないが、やるだけやってみよう。


9月1日 3社との面接が決定

 人材紹介会社から、「5社のうち3社の書類選考を通りました」とハガキで連絡が来る。
 3社の内訳は、ソフトウェアメーカーA社、そして生保系のシステム開発会社B社とシステムインテグレーターC社だ。本命はA社だが、通年募集をかけている企業なので、採用されるのは厳しそうな気がする。

活動編 2社落ちて、チャンスはあと1社に

9月2日 緊張感はないけれど

 顧客先から「会社に戻る」と言って、そのままソフトウェアメーカーA社の午後6時からの面接へ。大手だけあって、オフィスがきれいだ。駅から歩いて2、3分というロケーションの良さにも感激する。

 人事担当者が出てきて一対一で話す。志望動機や今までやってきたことをたんたんと聞かれ、たんたんと答えたという感じ。憧れていた会社だったが、ほとんど緊張はしなかった。互いに求めているものが合うことが大切なので、自分のやりたい仕事をきっちり伝えた上で、相手が自分に何を求めているのかを引き出すようなアプローチはしたつもりだ。面接のあと、適性検査を受けて帰ってきた。

9月4日 B社はイヤな予感

 午後8時から生保系のシステム開発会社B社の面接。人事と技術系の人が一人ずつ出てきて話をしたが、先方が求めるものと自分のやりたいことに、かなりギャップを感じた。
 「C言語はできるか」と聞かれて「やればできると思う」と僕が答えたことに、即戦力を求める先方としては不満だったようだ。

 こちらはこちらで、入社後はずっと開発業務ばかりでマネジメントスキルを磨くチャンスはなさそうなことがわかり、魅力を感じなかった。
 だんだんお互いに「ご縁がなさそう」という雰囲気になり、面接中に早くも落ちそうな予感。この会社でないとイヤだという気持ちもないし、まあいいか。


9月7日 C社も手ごたえなし

 午後6時から、システムインテグレーターC社の面接。1時間ほど話して、やはりたんたんと終わる。手ごたえなし。ここもやっぱり開発業務ばかりのようだし、もともとあまり興味のわかない会社だったので、態度に出てしまったかもしれない。

9月8日 A社の一次面接通過

 A社から一次面接通過の連絡が封書で届く。すぐに連絡し、ニ次面接の約束をする。

9月10日 B社は落ちた!

 案の定、B社からは不採用の通知が届く。面接中にわかっていたのでショックはない。

9月11日 そしてC社も・・・・・・

 C社からも不採用の通知。これも予想どおりだ。仕方がないか。

9月18日 あっけないニ次面接

 「お客さんのところに行ってきまーす」と会社を途中で抜けて、午後4時ごろからA社のニ次面接。

 今回はシステム部長との面接。最初から最後までずっとゴルフの話ばかりで、仕事の話は一切出なかった。こんな趣味の話ばかりでいいのかな?と思ったが、雰囲気は悪くなかった。一方で、これといった手ごたえもなく、結果は読めない。


9月22日 ホントに通過?

 A社から、電話で「三次面接に来てください」と連絡が入る。
 面接がああいう調子だったので、思わず「何で受かったんですか?」と聞いてしまった。世間話を通じて、人物としての僕を見られたということなんだろうか。「面通しだけなので、気軽に来てください」と言われる。


9月25日 オドロキの条件提示

 A社三次面接。専務と話すが、またゴルフの話で終始する。
 面接のあとに、人事から給与などの条件を提示される。
 なんと、年収は100万円ほどアップすることがわかった。さらに、これまでのように常駐先を転々とする働き方ではなく、自社のオフィスを拠点に腰を落ち着けて仕事ができるとのこと。もちろん希望どおりなので快諾する。これで内定だ。

 最初は年明けの入社にしてもらうつもりだったが、先方はすぐにでも来てもらいたいそうなので11月1日入社の方向で「調整する」と約束した。

後始末編 あっけらかんと退職の意思を告げる

10月1日 「あ、決まったの?」

 朝、喫煙ルームにいた課長に「転職先が決まったので辞めようと思うんですが」と切り出す。少し勇気がいったが、あっけらかんと言うよう心掛けた。

 課長は驚いたふうでもなく「あ、決まったの?」という感じ。実は、同僚をはじめ、転職活動していることは、社内でも普通に話していたのだ。彼もなんとなくわかっていたのだろう。あとで理由を聞かせてほしいとたんたんと言われた。

10月2日 メールが続々

 社内のいろんな人から、「どうして?」とか「飲みに行こう」とかメールが入る。転職についていろいろ話を聞きたいようだ。

10月5日 形式的な引き留め

 午後、ホテルのティールームで、課長から改めて退社理由などを聞かれる。
 「会社に不満はないが、A社のほうが条件がいいから」と正直に答える。
 課長も「そうだよな……」とうなずき、納得してくれたようだった。

 1回目の転職で会社を辞めたときは引き継ぎの問題ですごくモメたが、今回は形式的な引き留めだけで済んだ。辞める理由を明確に言ったのと、「あちらのほうが条件がいいから」という理由では、引き留めようがないからだろう。こちらも開き直っていたし・・・。


10月6日 引き継ぎの根回し作戦

 現在いくつか担当しているプロジェクトを、周囲に円滑に引き継いでもらうべく、関係者を飲みに誘うことにした。居酒屋で「よろしくお願いします」と頼み込む毎日だ。

10月30日 無事に退社

ついにこの会社での最終日を迎えた。いよいよ来月からは新しい環境だ。
・・・それにしても、うまく引き継ぎができるようにとセッティングした周囲との「飲み」が、ほぼ1カ月間続いたのにはまいった。でも、おかげさまで仕事の引き継ぎも滞りなく終わり、これで思い残すことはない。

今だから言える・・・反省の小部屋
入社前に職場の雰囲気をつかみたかった
 面接では、仕事風景は見せてほしいと言ってもあまり見せてもらえないので、仕事中の雰囲気がよくわからない。でも、入社までに一番不安だったのは、職場の活気とか雰囲気がわからないこと。難しいとは思うが、職場を見せてもらえるようにもっと頼めばよかったかなと思う。
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木下ミカエル(総研スタッフ)からのお願い
 チャンス到来!に備えて、普段から履歴書や職務経歴書を用意していたN・Hさん。私が転職活動したときには、事前に用意してなくて「一夜漬け」状態でしのいだ記憶があります。
 皆さんの場合はどうでしょう? 教えていただけるとウレシイです。

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エンジニアが転職を決意してから入社するまでのプロセスを日記形式で紹介。行動、感想、入社後の反省点などをリアルに綴る転職ドキュメントです。

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