NANDフラッシュメモリを中心とした不揮発性メモリチップ、およびそのメモリチップを使ったeMMC、USBメモリ、SDカード、SSDといった応用製品の開発を今後どのように進めていくのか。製品の中長期開発戦略を立てながら、製品の開発仕様策定、顧客へ向けた技術提案、さらに量産認定まで、全てのステップにわたって東芝のメモリ技術とビジネスを底上げするのが、メモリ応用技術部の役割です。
NANDチップの開発では、10nm世代でさらに進んでいく微細化と大容量化が重要な課題。そのためにはメモリセルのプロセス開発、回路制御技術、自社開発コントローラの性能向上、さらに、チップを極限まで薄く重ねて封入するパッケージング技術、eMMCやUFSといった新規格に対応した高速化技術など、さまざまな技術が求められます。
東芝が独自に開発したNANDメモリ応用製品の一例として、SDカードの中に無線通信機能を組み込んだ「FlashAir」があります。デジカメで撮った瞬間にスマートフォンに転送できるなど、デジタルライフの楽しみが広がります。このようにコンシュマーからエンタープライズの様なハイエンド市場まで、それぞれの市場におけるニーズを掘り起こし製品化を進め、市場を広げることも私たちの役目です。
私たち応用技術部が求めるのは、半導体関連で何か一つ強みになる専門知識をもつエンジニア。それは、メモリデバイスだけでなく、LSIコントローラ、ドライバーソフトなどなんでもいいのですが、それをベースにしつつ応用範囲を広げていってほしい。新しい製品の可能性をめぐって、社内の要素技術開発者と、そして世界中の顧客やベンダーと、深く有意義なディスカッションができる技術者が求められています。