優先順位をつけずに簡単なことから始める
時間の使い方を上手くしたいという気持ちはとても重要ですよ。それを持っているだけで、あなたは成長する可能性が十分あると思います。むしろそれを意識していない人が多くて、私なんかいつも怒ってるわけですから(笑)。
最初のうちは、時間がかかってもしょうがないんです。そのとき大事なのは、時間をかけて、最後まで仕事をやりきること。それを続けていけば次第にコツをつかんだり、要領がわかって、必ずスピードが上がってくる。しかも品質を落とさずに。それはもう如実です。
実は、優先順位をつけるというのは、難しいことなんです。重要なことからやろうとすると、手のかかることが最初に来たりする。すると、その負担が大き過ぎて、次のことができなくなりますから。なので私は、逆に「優先順位はつけなくていい」と言っています。目の前のできることからどんどん片づけて、難しいことは後で少し時間をかけてやるようにするんです。
すべての仕事にデッドラインを引いてみよう
効率よく仕事をこなしていけるよう、うちの会社ではどんな仕事にも「デッドライン」を引きます。「いつまでに、誰が、何を、どうする」と明確にする。だから、みんなものすごく仕事が速いんです。他の会社から中途採用で入社してきた人が気の毒なほど。彼らは必死になってるんだけど、最初はうちのスピードについてこれないわけです。
それを見ていると、「人間が環境の動物だ」とはよく言ったものだと思います。デッドラインをつければつけるほど、人は仕事が速くなる。あなたも自分ですべてにデッドラインを引いてそれまでに終わらせる努力を続ければ、必ず速くこなせるようになりますよ。仕事が増えてやりきれずに焦ることもあるでしょうが、今の気持ちを持ち続けてさえいれば、必ずできるようになってきます。
たとえば、時間を横軸に、能力レベルを縦軸に取ってグラフにしてみると、その人のキャパシティを測ることができます。同じ仕事をこなすのに時間が短くなれば、効率は上がってキャパシティも増えていく。人間誰しも、1日24時間という与えられた時間は同じだけど、能力をアップするのはいくらでもできるんですよ。