人当たりがいいことが人望ではない
人生の中には誰にでもアップダウンがあります。失敗して落ちることもあるけど、必ず上がってくるチャンスもある。横取りしてしまう上司は確かに悪い。だけど、人のものを横取りするようなことをしていれば、いずれはバレる時が来ます。今はあなたの評価が奪われていたとしても、どこかで誰かが見てて、あなたに陽が当たる時が訪れるんです。
あなたぐらいの年齢は、仕事でも次のステップに進む大事な時期でしょうね。だからと言って、横取りされたことでいちいち悩んでいては、気持ちもふさいで沈んでしまうじゃないですか。雰囲気も暗くなっちゃうし、顔つきだって悪くなる。「取られた」というマイナス思考から一歩進んで、「横取りされたっていいじゃないか」「自分はこのままでもいいじゃないか」ぐらいに大きく構えることができれば、気持ちもおおらかになるし、自分に自信が出てきて、その雰囲気が周囲に伝わるもの。結果的には人望を集めることになるんですよ。
人当たりがいいことを人望が厚いことだと誤解してはいませんか?部下の企画を取って上手く振る舞うような上司が、本当の意味での人望を集めているとは思えません。今のあなたは、自分の視野の範囲内だけで必死に考えているから、手柄を取られることに対して被害妄想のようになっているのでしょう。「横取りされてどうしたらいいか」と聞いてくること自体、まだ器が小さいんじゃないかな(笑)。
自分自身をきちんとセールスしよう
この上司がダメなら、もっと上の上司とコミュニケーションを取るのもいいと思います。僕は損害保険の営業を16年間やってきた中で、失敗をしても「次はガンバレよ」って許してもらえるタイプだったんです。同じ失敗をしても、怒られている人もいる。何が違うのか、怒られるタイプの人をよく見ていると、コミュニケーションが足りない。つまり、上司に対して自分をセールスできていないんですね。自分はこういう人間だという背景を把握できるコミュニケーションさえ取れていれば、上司だってミスを「まあしょうがないか」と思うんです。たとえば「家族の具合が悪くて困ってるって言ってたな、これくらいは仕方ないな」とかね。でも、そういった背景を知らないから怒ってしまうわけです。
僕だってたいしたコミュニケーションをしていたわけじゃないんですよ。でも、怒られるタイプの人は、明らかに普段からいつも下を向いてばかりで上昇志向がない。上の人とも話そうとか、つき合おうともしない。上司だって話をしたいと思ってるんですよ。なのに、それがわからない。コミュニケーションをとれば、自分をもっとわかってもらえるんです。
あらゆるどんな職業でも、基本は営業。つまり、自分自身をきちんとセールスできることが大切。たとえお医者さんでもセールスだと僕は思うんです。子供をあやしながら上手に診療してくれれば、お母さんだって安心するけど、強引に泣き叫んでる子に注射をするようだったらイヤですよね。そんな風に、いちばん大切なのは「こういう自分だ」とわかってもらえるよう、手を抜かないこと。それは社内の上司や部下に対しても同じだと思うんです。