そんな自信は持たなくていい
あなたは、社長にすべてを任されて、会社のナンバー2の立場にいるようだけど、社長の真意を理解できているのかな?社長が学歴や職務経歴にこだわっているのは、久々の正社員採用ということだから、採用の経験不足から、本人を知るためのデータとして、ほかに材料を見出せないからでしょう。学歴・経歴至上主義で言ってるのじゃないと思いますよ。
だから、もし応募がたくさんあったら、その中から、「学歴と職務経歴はこうですが、この人たちはこういうところが優れていますよ」と、客観的な要素をすべて並べてみたうえで、「自分はこう思いますが、社長はどう思われますか?」と、判断を委ねてみればいいんじゃないのかな。あなたは、「客観的事実を社長に伝える」という仕事を大事にすればいいんです。「会社に合う人物を見極める自信はある」なんて、そんな自信は持たなくていいんだよ。
小さな会社の採用は、社長の仲間づくり
社員が十数名の小さな会社であれば、結局はトップとの相性がすべてなんです。だから、採用時に最も重要になるのは、社長と肌が合う人かどうか。部下のあなたが自信を持って決めることじゃない。社長が相手を見て、「あ、こいつのこと、好きだな」という人を選ぶことだと思いますよ。社長の好き嫌いでいいんです。だって、仲間づくりなんですから。
ちなみに、僕の採用基準は、1つが素直であること。素直であれば、学んで成長できるからです。2つ目は明るく対応できること。そうすると、周囲の仲間といい仕事ができるんですね。そして、3つ目は会社の理念を理解していること。この3つの基準を持って採用することで成功しています。学歴や職務経歴は全く見ません。でも、それは今までに3000人を採用してきたなかで、わかったことなんです。
うちも社員が1000人を超えるまでは、僕が直接面接をして、採用を決めていました。その経験則から、学歴や職務経歴が、その人を見るファクターとしては、あまりに小さすぎるということを学んだんですよ。だからこそ、会社が十数名の規模のうちは、社員の採用と教育は絶対に社長がやるべきで、手放しちゃいけない。僕はそう思います。