手柄を立てる人は努力も苦労もしている
信じられないなあ。「自分が何の仕事をしたいか」じゃなくて、「ステータスのある仕事」って、くくりで考えるなんて。単に「カッコいい」って言われたいだけなんじゃないですか? それって中学生と同じレベルですよ。
だって、かつては私もファッション雑誌を見て、「モデルさんになれたらカッコいいな」って思ったこともあったけど、中学生時代の話ですもん。あなたは30歳にもなって、恥ずかしくないのかしら?
人の言うことは、どうしても良く聞こえるじゃないですか。その自慢話を全部信じて羨ましがること自体、幼すぎるんじゃないかと思うんです。それなりに手柄を立てる人は、誰も知らないところで努力や苦労をしてるはずですよね。よく言うでしょ、「白鳥は美しく優雅に見えるけど、水の中ではものすごい勢いで足を動かしている」って。そんなこともわからないのかしら。
転職してやれるかは自分次第
漫画家も華やかな仕事のようによく言われるけど、極めて地味な仕事です。ひたすらこもって、何とか締め切りまで頑張ろうと、ただ黙って絵を描き続けるんですから。それに、私は少女漫画からははずれてるジャンルなので、目標にできる先生のような人がいなかった。自分のスタイルを自分でつくってきた感じです。
私も新人の頃、同じスタートラインに立っていた漫画家の人たちがいたけど、だんだん差がついてくると、中傷したり、イヤミを言う人が出てくる。そういう人って「ひがみオーラ」が出てるから、つき合いたくなくなっちゃうんですね。
この仕事って、たとえ絵が技術的にすごく優れてなくても、人柄で仕事が来る人もいるんです。そういう人も反感を買います。でも、人柄だって大切なその人の取り柄ですよね。「ひがみオーラ」出してる人にいい仕事は来ません。あなたもマイナスのオーラをずっと出してるような気がするんですよ。それに気づかなくちゃ、変わらないのではないかしら。
残業ばかりのキツイ仕事って、多分、身体がキツイのであって、お友達は数億の仕事をまとめたり、有名人と仕事をして、精神的にはかなり負担を強いられてると思いますよ。有名人となんて、ご機嫌を取るのに神経をすり減らしてるはず。「有名人と仕事したけど大変だったよ」の、「大変だった」の部分を、あなたは耳に入れてないんじゃありませんか。
あなたの動機が通用するかしないかで言えば、「通用しません!」(笑)。でもね、やってみたいのだったら、ステータスがあると思う仕事に転職してみたらいいと思います。芸能人の付き人とか経験してみるといいじゃないですか。もしかすると、すごく苦労して「昔は良かったなあ」と思うかもしれない。その仕事をやるかどうかは、あなたが決めることですよ。