この職場でどうしたいかを考えてみよう
私も全日本女子バレーチームのキャプテンを経験してきましたが、監督を頂点に6人のメンバーを含め、30人近い女性ばかりの大所帯をまとめるのはとても大変でした。たとえ個々に能力があっても、メンバーの気持ちがばらばらだと、世界レベルでは勝てないチームになってしまうんですね。
オリンピックを目指す同じチームでさえ、全員が同じ趣味だとか、同じ考え方だなんてことありえない。まして仕事の職場では、お金のために働いている人もいれば、ステップアップのために働いている人など、いろんな目的や考え方を持った人たちがいますよね。そんな違う方向を向いた人たちがまとまるのは、すごく難しいのだという前提に、まずは立つことでしょう。
どちらかに入らないといじめられてしまうというのは、よくわかるんですが、最終的に、あなたはこの職場でどうしたいのでしょう?それによって、選択は変わってきますよね。例えば、1年はここでお金を稼ごうというのなら、職場の和を優先して、どちらかのグループに入っておくのもありだし、周囲に迎合せずに自分のペースでキャリアをつくりたいのなら、開き直って「私はどちらでもいいの」と、あえて宣言してもいいと思います。
リーダー格の人と一対一で話してみては?
みんなとうまくやっていきたいのなら、年齢やキャリアが周囲の人より上でないと部署内のまとめ役になるのは難しいでしょうから、ムードメーカーとして“かわいがられキャラ”を演じてしまうとか、部署内のイベントを提案してみるのもいいんじゃないでしょうか。
いずれの場合も、年齢やキャリアが上の人に、あなたから話しかけてみることが大事だと思うんです。もし、私だったら、ナンバーワンとツーの両方の人と一対一で個人的に話せる場を持ってみますよ。別のグループの人と仲良くしているのがわかると、いい顔はされないでしょうけどね。でも、すべてから逃げていたって、何も前には進みませんから。
人を見る時、苦手なタイプに対してはイヤなところばかり目に付くものです。でも、一対一で話してみると、必ず相手の方のいいところも見えてくるんです。そうやって、まずはささいなことでいいから相手を褒めると、悪い気分になる人はいないので、そこから近づけます。あなた自身、いろんな知識も身につけて、引き出しをたくさんつくっておく必要があります。そうやって道を開いていく努力も大切ですよ。