私たち2人とも、夢も目標もありません
光浦:私も同じ流されてきたタイプだわ。恵まれてるのもわかるし、すげー幸せなのもわかる。でもこけたら立ち直れないって不安なの。「目標は?」なんて聞かれても、「何がやりたいかわかりません」だよ。
大久保:私だって目標もなければ、先々も不安。でも、この前そんなことをインド人と話してたら、「そんなこと考えなくていいんだよ、今を生きれば」って言われて、「なるほどな」とインド旅行したくなった。
光浦:私なんか、夢や目標より「とりあえず笑いを取る」だね。夢や目標って、自分に確固たる自信がないと持てないよ。すごく難しいことだと思う。「目標つくらなきゃ」じゃなくて自然発生するのが一番いい。ああせにゃ、こうせにゃ、ばかりじゃノイローゼになっちゃうよ。
大久保:無理に力んで持てるものじゃないもんね。目標がないといけないみたいなレッテルを貼られるんだったら、そのほうがおかしい。流されてると思うなら、行けるとこまで流されたほうがいいって。変な所にたどり着いたら、イヤでも考えることになるから。
スイッチの切り替え方次第で仕事は頑張れる
光浦:もしかしたら、この人は目標に向かってガツガツしてないところが、上司にも気に入られて、会社員としても向いているのかもしれないよね。
大久保:なるほど、使いやすい。組織で真面目に働いていれば、そうだわ。
光浦:だからさ、この人はまず、自分が恵まれている星の下に生まれたことを受け入れて、人のために働くということを目標にすればいいんじゃないかね。それですべてが整理できちゃうじゃない。素晴らしいことですよ。私なんかさ、仕事が誰かほかの人のためになるってのは、後からついてくるラッキーな付属品で、ただ「気持ちいい」って脳内麻薬を求めてる感じだもん。
大久保:ああ、芸人さんはみんなそうだよね。自分中心の番組をもらって、自分のためのコントをもらって、それがお客さんにすごくウケるって、いろんないい条件が重なった場面で、「うわー、こんな気持ちいいことはない」って感覚を味わっちゃうんだよね。めったにないからこそ、それを味わいたくて続けちゃう。
光浦:そう、一度味わっちゃうと忘れられないんだよね。この人は、誰かのために、例えば好きな上司をつくって、その人に褒められるようにするとかさ、スイッチの切り替え方次第で仕事を頑張れるし、脳内麻薬が出たり、達成感を味わえたりするんじゃないかね。
光浦:私は仕事で迷って自分で選べないときなんか、よく好きな人や憧れの男性に転換するんだよね。その人から見たらどっちがカッコいいかなと、頭の中で選択肢を託すの。つまり、悩んだら好きな男性の目線を借りる。
大久保:うん、異性の視線、大事だよね。
光浦:この人がそういうことをするとさ、今までもラッキーに流されてきてるから、私生活でもけっこういい人と結婚できると思うんだよね。
大久保:この野郎、すごくいい人生じゃないか!