嫉妬する相手にないものを自分に見つけましょうよ
センスがものをいう世界は芸能界も同じ。センスのある人に対する嫉妬心というのは、多分打ち消せないですよ。そこを苦しくても認めるべきだと思いますね。センスがいい人って天性のものだから、いくら頑張ってもかなわないんだもの。だから、そこはしょうがないとあきらめて、比較対象にしないほうがいいですよ。今いる環境の中で、その人にできなくて自分にはできる仕事が必ずあるから、そこを早く見つけて自信をつけてほしいな。
私も「わあ、スゴい」と思うような若いタレントに出会うことがあります。でも、その子はここがスゴいけど、あの子にはないこの部分が私はできるとか、瞬時に考えますね。くやしいと思って嫉妬するよりも、同じ現場で仕事をするなら、自分がどうすれば目立つか、そのことを考えて試すほうが楽しいです。もちろん、それで間違ってなかったと思う時もあれば、敗北感を味わうこともあります。でも、いつも嫉妬してくやしがっているだけじゃ、自分がどんどん醜い顔になっていっちゃう気がするんです。
私の場合は、負けず嫌いなんですね。でも、他人と比較するのじゃなく「自分の力はこんなものじゃないだろう」っていう、自分に対する負けず嫌い。だから、自分に不足しているところもよく自覚してます。そこを指摘されて「ここをこうした方がいい」なんて言われると面白くないんです(笑)。もちろん、尊敬できる人に言われれば素直に「そうだ」と心に響くんですけど。
居心地いい場所で、煮詰まった自分をリセット
嫉妬が悪いとは思わないんです。それがなくなってしまったら競争心もなくなっちゃうので、嫉妬する自分も素直にかわいいと認めていいんじゃないかな。嫉妬を感じた瞬間って、自分がコンプレックスを持っているとか、足りないところを自覚したわけだから、それを受け止めて自分がどう仕事をしていくか。相手をどう負かすかじゃなく、嫉妬心のエネルギーを違う方向に意図的に向ければいいんですよね。
嫉妬を感じた時や行き詰まった時、落ち込んで暗くなるとか、意地悪をするのではなく、そのエネルギーをプラスの方向に使うことで、人ってものすごく差ができていくと思うんです。私も「どうしよう」って落ち込んでる時、一方では日々仕事を増やして頑張ってる子がいるのを見て、はっとしたことがあります。みんなに与えられた時間は平等。嫉妬した子に意地悪していないで、有効に使ってもらいたいな。
自分の居場所を見つけることも必要ですよね。私は落ち込んでどうしていいかわからない気分になった時、居心地のいい場所に戻って、普通に友達や両親なんかとしゃべっているだけで、元気になりますよ。目の前のことしか見えていないと、すごく大きい問題に感じちゃうけど、実はちっぽけなことで、それを再認識できるとリセットされるんです。最悪、自分が大好きな仕事を失ったとしても、人間はそんなにやわじゃないから生きていけるさ!って、気持ちがラクになって、またやっていけると思える。そうやって落ち込んだり煮詰まった時に、必ずリセットできる居場所も持っておいてくださいね。