目標をクリアする小目標と課題を書き出そう
瞬発力があるというのは、目標に向かい「これをやろう」と、ぱっと飛びつき、明日になると「あれもやらなきゃ」と、次のことに飛びついて計画性がないから、何ひとつクリアできない結果になっているんじゃないかな? 大きな夢を達成させるためには、その途中で越えていく目標がいくつもあって、そのひとつの目標を達成していくためにも、いろんな毎日の課題がある。だからすべてを逆算して、ひとつひとつの課題と目標をクリアしていかなくてはならないんです。
例えば、柔道では、オリンピックに出るためには国内の最終選考会で優勝しなきゃならない。それに出場するには、国内の第一次予選に勝たなきゃならない。そのためには、地区大会で勝たなきゃいけないし、勝つだけの技術、体力、精神力が必要になってくる。その中の体力では腕・足の力が必要で、腕の力をつけるためには、どんなトレーニングしなきゃいけないかって、どんどん細分化してみると、今やらなきゃならないことが明確になる。
その小さな課題をひとつずつクリアしていくことによって、ひとつずつ目標を達成していく。そうやって、あなたの目指す目標から逆算する形で、目標と課題をすべて書き出して計画を立ててみるんです。そうすると、今やるべきことがはっきりと見えるので、瞬発力とか努力とかいうことではなく、すべてを当たり前のこととして、自分を入れ込んで行動することができるんですよね。
リラックスと緊張のメリハリをつける
とはいうものの、いつもいつもまじめにやるのは難しいし、それだけでも達成できないんですね。夢の達成のためには、リラックスと緊張をバランスよく、メリハリをつけてやっていくことが条件になる。今度の日曜日は休んで思い切り遊んで、月曜日からはまたこれをやっていくんだというふうに、自分でしっかり計画を立て、やるべき日とリラックスする日とを打ち出しておけば、遊ぶときも自信を持って遊べるでしょ。僕もオリンピック直前でも、休みの日と決めたら、後輩と遊園地のプールに行ったり、酒を飲みに行ったりしましたよ(笑)。
また、うまくいかずにつまずいたら、逆にそういうときこそ、いろんな道を探せるチャンスです。山の中でも一本道しか知らないと、迷ったときに焦ってしまうけど、そこは柔軟性を持って、もう一回自分がわかる所まで引き戻して、また違う道から仕切り直して挑戦する。それもダメだったら、また違う道を探していくというやり方でいけば、ひとつひとつの目標をクリアするにも、いろんな角度から見て判断できるだけの自分になれます。