我慢することで発見できることもあります
好きなことに没頭できて充実しているというのは素晴らしいこと。ただ、物事には限度があります。あなたにはグルメ貧乏であるという自覚があって、不安がよぎっているのですよね。それならば、ここで思い切ってエンゲル係数を減らしてみましょうよ。だって、お金が湯水のようにあって好き勝手に生きていけるわけではないんですよね。堅実な生活に切り替えるのが、あなたのためにもなると思うし、我慢してみることで何か新しい発見だってあるかもしれません。
お金の使い方って、その人を表すひとつの指標のような気がするんですね。衣食住に使っている金額を円グラフにして、ある程度バランスが取れている使い方をしている人は、すべてにおいてもなんとなくバランス感覚がいいのかなと思うんです。その中でもこだわりがある部分にお金をかけるのはかまわないんですが、あなたの年齢で貯金ができないほど毎日食べ歩いているというのは、ちょっと問題がある使い方じゃないでしょうか。もし、彼女ができて結婚しようとしても、家を建てるとか、二人で旅行に行くこともできないし、将来を考えても不安でしょ。
趣味も徹底して追究できれば仕事になります
お金をたくさん出せば、美味しいものが手に入るのは当たり前。それがいちばん楽な方法なんですもの。でも、飽食の生活を続けていたら、素朴な美味しいものもわからなくなっちゃうんじゃないかしら。本当に食べることが好きなのだったら、お金ばかりかけずに、もっと深めてみてはどうかしら。美味しいお米のルーツをたどって、その農家に田植えから教わって自分でお米を作ってみるとか、ワイナリーに行って修業してみるとか。
私は18歳のときから芸能界でこの仕事をやっていますが、趣味もすべて仕事になっているんですよ。最近だとワイングラスをデザインしてプロデュースしたり、わんちゃんのお洋服をデザインしたりとか。そのワインのお仕事でいただいたお金を、今度は介助犬や盲導犬のユニフォームの製作費に充ててお配りしたりもしています。趣味のワインとわんちゃんが、チャリティーの部分にまでリンクしているんですね。
私は好きになったものを中途半端にできなくて、極めないと気持ちが悪いんです。だからソムリエもチーズ鑑定士の資格も取りました。あなたと同じで食べることも大好きなので、今度はお料理の本を出すことが目標。あなたも食べることを深く追究してみたり、なぜ美味しいかを伝える力をつけて、例えばグルメライターになれたりしたら素敵じゃないですか? 「これを食べてください」とか「このレストランを評価してください」って、人のお金で食事ができるようになるんですよ。好きな趣味が仕事につながれば、こんな楽しいことはないでしょ?