「不思議ちゃん社長」と、割り切りましょう
うるさく口出しされるのは、さぞ迷惑でしょうが、自分の中で公私を分け、プライベートの領域に関しては、どんなに言われても聞き流すことですね。あなたも占い好きなら、もっと勉強をして、逆に社長が質問してくるくらい、占いに詳しくなってしまうという手もありますよ。会社が今の事業と別に、占いの看板を出せるくらいにしてしまうとかね(笑)。
社長を説得して、口出しするのを止めさせようとしても無理だと思うんですね。この社長の行為は、ある程度の規模の会社であれば、社会的問題になってしまうようなことなんだけど、小さな会社のオーナー社長ということだと、会社の方針を決めるのは、すべてこの社長ですものね。ここは「不思議ちゃん社長」だから仕方ないと割り切って、うまく付き合っていくことに重点を置いたほうがいいでしょう。
ただ、口出しするだけでなく、もし、社長がお守りをもらったり、お祓いをしてもらうというような行動に出てきたら、なるべく古い歴史がある、伝統的な仏閣神社のようなところでお願いするようにしたほうがいいと思います。欲の深いカルト的なやからに間違ってつかまってしまったら、大変な目に遭ってしまいますからね。その点は気をつけてください。
占いで意思決定をするのは、賢い方法ではない
僕としては、占いで意思決定をするというのは、賢い方法じゃないと思っているんです。そもそも、近代社会の中で、占いや宗教的なものによって組織が判断をくだすのは、ルール違反ですから。かといって、プライベートでは、信教の自由が保証されている。一方で認められ、もう一方では認められないという矛盾の中に存在するのが、占い。社会的に「怪しい」と言われ続けるのは仕方ありません。そんな中で占星術研究家という職業の僕は、「占いは好きだけど、占いを好きな自分は嫌い」という、社会的な立場から見た自己矛盾を、常に抱えていますよ。
占いの使い方として一番いいのは、占いや宗教などの「伝統的世界観」と、経済や科学などの「近代的世界観」の両方をちゃんと理解した上で、物事を多角的に見るトレーニングツールにすることです。占いを人事に持ち込んで、相性を判断するようなことは、よくないと思います。占いが示す相性というのは、人と人との関係性がどのようなものか、という傾向だけ。相性に善し悪しなんてありません。自分の人間関係を、よりよくするための分析ツールとして使えばいいんですね。
あなたが、もし、社長以上に詳しくなろうと勉強する気になったら、占いのハウツーよりも、さまざまな占いの背景にある歴史や神話、考え方の大本となる部分を学んでみてください。とても奥深い世界ですし、一生の趣味になると思いますよ。