見切りをつけることもひとつの前進
私はね、悪役をやっていた現役時代、どんなことを言われても「だから何さ!」って思っちゃったほうで、もともとが落ち込まないタイプなんだよね。だからやってこれたけど、あなたの場合は、言われると苦痛になって、いちいち落ち込んじゃうんでしょ。だったらはっきり言って、違う仕事に就いたほうがいいよ。
怒鳴られても、業務的に「申し訳ございませんでした」「そうですか、かしこまりました」って、マニュアル通りに言って、心から謝っていないオペレーターの人って、聞いていてもわかるもの。でも、そうやって仕事として割り切って対応することができるから、続けられると思うんだよね。
だから、嫌だな、こわいな、って毎日思うってことは、その仕事に向いていないんですよ。それがストレスとして積もっていったら、いつか体を壊してしまうし、取り返しのつかないことになっちゃう。よく相談事で「頑張れば何とかなる」とか、「今を我慢すればいいときが来る」みたいな励まし方をする人がいるけれど、頑張るばかりが人生じゃないし、見切りつけたほうがいい仕事だったら、きっぱり辞めたほうが、絶対にいいと私は思う。それが、あなたにとって前に進むことになると思うな。
好きな仕事なら、ついついやってしまうもの
だって、好きな仕事だったら楽しくできるし、家に持ち帰ってでも頑張ってやっちゃうものでしょう。気がついたら夜中になってたとかね。そういうのが向いている仕事だし、確実に伸びる。プロレスラーでいったら、練習時間や試合が終わって、あとは寝るだけになっても、ここで腹筋しておこうって考える。そういう人は必ずその成果が出てくるものだから。
あなたにオペレーターのキャリアがあって、その仕事を続けたいと思っているのなら、苦情ばかりで怒鳴られないようなオペレーターの仕事があると思うから、そういう仕事を探してみたらどうだろう。コールセンターで働くにしても、カスタマーサービス係の仕事をするにしても、同業で違う仕事を吟味して探すことができるんじゃないかな。
頑張って前に進むべきだとか、ダメならあきらめるとか、とかくそのどちらかを選択してしまおうとするけれど、そうじゃないはず。同じような仕事で横の選択もできる。前に進むことも後ろに下がることもできないんだったら、横だってあるんだよ、ってことです。