あいさつは人間の基本! 辞めて正解
その会社は最低やね。辞めてよかった。だって、あいさつは人間の基本やから。今、僕が住んでいるマンションでもそうやけど、日本人はエレベーターの中で一緒になった人にあいさつしないんだよね。海外の人たちはあいさつするけど。それっておかしいやろ?知らない人同士だと目を合わせないようにするから、日本人はコミュニケーションがへたくそなんよ。
会社の面接にいって退職理由を聞かれたからって、困ることはない。「あいさつもしない会社だったから辞めました」とハッキリ言う。そのことを認めてくれる会社はきっとあるから。「あいさつもしないなんて気分が悪くていられない」。僕はそれで大いにええと思う。
モナコでは目線をそらさず友達をつくった
初めてモナコに住み始めたころ、こんなことがあった。僕がこんな怪しい格好をしているから、周りの人たちが、ぐーっとにらむように見てくるの。「一体、お前は誰や?」って顔で。そこで、僕がすぐに目をそらしたらあかんの。それで終わりになってしまうから。相手に負けずに3秒間、ぐっとにらみ返す。すると向こうは「ハーイ」って、笑い返してくる。その目線の強さには、僕もすごく勉強させられた。
例えば、朝、娘を学校に送って行った後、コーヒーを飲みに喫茶店に入る。すると、みんなが僕をぐーっと見てくる。だから僕も毎日ぐーっと目線を合わせてにらみ返す。そんなことを続けていたら、2週間でその店に来る常連客みんなと友達になれた。言葉のコミュニケーションはほとんどできなかったけど、目線を 3秒合わせれば話しかけてくるから、片言で答えると「そうか、お前日本人なのか」ってことになる。「そのエスプレッソの飲み方は違うぞ。フランス流はこうやるんだ」って教えてくれたり。そのとき、この国も悪くないなと思った。
つまりは、こっちが相手に答えようとする姿勢を見せることが大事。いい顔をしていれば、相手もいい顔をしてくれる。多分、あなたもあいさつをしないという会社の状況に負けてしまったのだと思うよ。僕はモナコに行ったとき、話せない状況に負けたくなかったから3秒以上みんなと見つめ合った。だから、あいさつをしたいと思ったら、下から覗き込んででも、相手の目を見る。それくらいの強い気持ちは大事です。 もしも次の職場でも同じようなことになってしまったら、今度はその場の状況を自分で打開するようにしなさい。下から相手の目を覗き込んで、「おはようございます」って言うくらいの根性でいったらええ。