叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「誰も指導してくれない…」

大学まで経済学部に所属していて、新卒でSEとして今の会社に入社しました。採用面接の時に「うちの会社はきちんと教える体制が整っているから心配ないよ」と言われていたのですが、いざ入社してみると、社員全員が手持ちの仕事で精一杯で、教えてほしいことがあっても相手にしてくれません。プログラムの知識などをまったくもっていない私は、今後この会社でどう行動すべきなのでしょうか? (IT・22歳)

逆手に取って 成長してみろ!
今週の叱り役

デザイナー
ドン小西

1950年、三重県生まれ、68年に文化服装学院卒業。81年に(株)フィッチェ・ウォーモを設立後、アバンギャルドなデザインを提案し続け、熱狂的なファンに支持されると同時に経営手腕も発揮。TV、雑誌などでの辛口ファッションチェックも人気を集めている。

教えてもらおうと頼っていては成長できない

仕事を覚えるのは独学なんだよ。学びたければ自分から動いて周りをよく見ること。もう学生じゃないんだから、何でも教えてもらおうと待ってちゃダメなんだ。給料をもらえるだけありがたいと思わなくちゃ。何でもマニュアル通りに教えてもらおうと甘えてるんじゃないのかな?

僕が昔入ったアパレル会社は、入社してすぐに経営陣が逮捕されるような事件があって、もうごたごた。教えてもらえないどころか、レディースのメーカーなのに「メンズをやるからつくれ」と突然言われ、全て独学でやったよ。自腹でメンズの服を買って縫い目を全部ほどき、型はどうなっているのかを調べたり、わからないことがあると、夜中に業務用トラックに乗せてもらって、会社から工場まで行って技術者に教えてもらったり、図書館で調べものもしたし、異業種の先輩にも相談してみたり、ありとあらゆることを手探りでやった。とにかくすべてが独学だったんだ。

そういう中で「小西のやることは面白いな」と言われるようになっていったんだ。だんだんと会社の中で認められるようになって、部下も大勢持たされて、 28歳の時に会社から「ウチの社長にならないか」と言われてさ。その時は「とんでもない」と思ったけど、「そうか、僕も社長になれるのか」と気づいて、 29歳で自分の会社を立ち上げることになったんだ。

つまり、人を頼って全部教えてもらおうとしてたら成長しないってことだよ。自分の頭で考えて自分で行動していく。それでもわからない時は人に聞けばいい。もし、最初から大手企業で教育を受けながら、自分だけの仕事に没頭できる環境だったら、今の僕はいなかった。誰も指導してくれなかったからこそ、今の自分があると思ってるよ。

旧態依然とした職場にはない、素晴らしいメリットがある

IT 系ってことは、社歴が浅いのに、会社の体制が整わないうち規模が大きくなっていく会社が多い業界だよね。会社側もシステムを整えていかなきゃならないはず。そういう若い会社だからこそ、自分の能力を買ってもらえるチャンスがあるってことだよ。提案や意見を通したり、力を発揮しやすいし、功績だって認められやすい環境。不満に思ったらただの不満でしかないけれど、逆手に取って考えてみれば、いいことばかりだと思わないかい?

だってもし、何でもこと細かく教えられて指図されていたら、自分の出る幕がないじゃないか。そうやって「自分の能力を試してもらえない」と辞めていく人だってたくさんいる。あなたの会社は、旧態依然とした古い体質の会社ではできないことが学べるメリットがあるんだ。

しかも、人間はシステムの中にいったん入ってしまうと、物事を「点」でしかとらえられなくなってしまうんだ。でも、自分から学び取っていくことで、点を線から面にまでとらえることができるようになってくる。つまり、独学することで、周りをよく観察する力や空気をつかむ力も養えるんだよ。もしも何十年後か、あなたが成功した暁には「今の僕があるのは、誰も教えてくれなかった経験があったから」なんて、カッコよく言えばいいじゃないか。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
マグスター
PHOTO
鈴木慶子

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