条件が悪くなっても私は転職をお勧めします
私の意見を言わせていただくと、条件が悪くなっても、ここであなたに転職をしていただいたほうが、ご家族の将来のためになるのではないかと思います。奥様が別のお仕事であれば、また話も変わってきますが、公務員となると、一度退職した後、民間と比べて復職はかなり難しくなります。もし、奥様がダウンされたり、退職せざるを得ない状況になってしまった場合、それまでの奥様の収入が、当てにできなくなってしまいます。まずはそのことを認識していただきたいと思います。
雇用環境の男女格差が是正されてきているとはいえ、女性にとってフルタイムで男性と同様の条件で長く勤めるのは、それほど容易なことではありません。そのことは、データを見てもわかります。私の知る限り、日本で働く女性のうち、正社員は約半数です。また、年収300 万円以上を得ている女性は、約3分の1。その中でも、公務員というのは、20年、30年と、長く働くことができる仕事のひとつです。
看護師、美容師といった技術や資格を持った職種、専門職に就いていた女性は、退職しても同じ職種への復帰が見込めますが、先にお話ししたように、公務員の復職は難しいですから、奥様が一度リタイアされ、育児が一段落して次の仕事を探されようとしても、「正社員で年収300万円以上」という職を得るのは、かなり困難であるということが、おわかりいただけるかと思います。
一生、大黒柱でいられますか?
一昔前であれば、一家の大黒柱は男性で、女性は家計の補助程度の仕事でよし、とする考えが主流でしたし、あなたもそう思っていらっしゃるのかもしれません。しかし、今のご時世で、一生、大黒柱でいられる可能性があるとは言えない、という現実を認識していただきたいのです。年功序列が崩れ、大手企業であっても倒産、縮小する時代。夫婦でリスク管理をシェアするという考えは、もはや当たり前です。長い目で、公務員を続けていった場合の奥様の年収を考えてみてください。
私も、働きながら2人の子どもを育ててきましたが、やはり、夫の手を借りることがなかなかできない状況でしたので、保育園から連絡が入ると、私の母や姉、ご近所の方たちにお願いをして、支えられながらなんとかやってきました。あなたの奥様は、保育園からの呼び出しの度にご自身が早退をされているようですから、ご主人であるあなただけが頼りのはず。ここは柔軟になって、あなたが家族優先の転職を検討され、子育てが落ち着かれてから仕事優先に切り替え、より良い条件を目指して再チャレンジする、という道も考えてみてください。