「健康保険」が適用されるものについて教えてください。
勤務先の健康保険に加入していますが、適用される範囲と内容を具体的に教えてください。
(A・Nさん、ほかからの質問)
診療・治療費の本人負担が原則3割です。
健康保険加入者が業務外の疾病や負傷した時、またその療養のために仕事を休んだ時、そして死亡および出産時については健康保険加入者が業務外の疾病や負傷した時、またその療養のために仕事を休んだ時、そして死亡および出産時については保険給付がされます。また被扶養者の疾病・負傷、死亡および出産にも保険給付を受けることができます。
健康保険で治療を受けた場合、診療・治療費の負担は原則3割負担です。例外としては、小学校入学前の被扶養者は2割負担で、69歳までは3割負担、70歳~74歳までは、70歳になった月の翌月以後の診療分から自己負担が2割となります。ただし、現役並みの所得のある高齢者の自己負担は3割となります。そして、75歳になると後期高齢者医療制度に移行し「後期高齢者医療被保険証」が交付されます。これを健康保険証と共に医療機関や薬局の窓口に提出すると1割負担となります。こちらも、現役並み所得がある場合は、3割負担です。また、2022年10月からは、一定の収入要件(世帯単位で判定)にあてはまると、2割負担となります。
社会保険のひとつである健康保険は、「1週の所定労働時間と月の所定労働日数の両方が、一般の従業員の4分の3以上」(*1)なら強制的に被保険者となり、勤務期間が2カ月を超える労働契約なら入社日から適用されます。
もし勤務先で健康保険に入れないようなら、居住する市区町村で国民健康保険への加入手続きをしましょう。また、いずれにしても、75歳になると後期高齢者医療制度へ移行され、その保険証が各都道府県の後期高齢者医療広域連合から発行されます。
(*1)従業員数101名以上(厚生年金の被保険者数)の企業の場合、週の所定労働時間が20時間以上で、なおかつ決まった月収が8万8000円以上、雇用期間が2ヶ月を超える(見込みを含む)パートの人も、健康保険・厚生年金保険の加入対象です。
ただし、この条件は学生には適応されません。以下、詳細な条件です。
<5つの条件>
1.週の所定労働時間が20時間以上であること
2.賃金月額が月8.8万円以上(*2)(年約106万円以上)であること
3.2ヶ月を超えて使用されることが見込まれること
4.従業員101名以上(厚生年金の被保険者数)の勤務先で働いていること(*3)
5.学生でないこと(※夜間や定時制など、学生でも加入できる場合もある)
(*2)以下は1ヶ月の賃金から除外できる。
・臨時に支払われる賃金や1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:結婚手当、賞与等)
・時間外労働、休日労働および深夜労働に対して支払われる賃金(例:割増賃金等)
・最低賃金法で算入しないことを定める賃金(例:精皆勤手当、通勤手当、家族手当)
(*3)厚生年金の被保険者数が100人以下の企業でも、「労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することに合意すること)に基づき申し出している」又「地方公共団体に属する事業所」であれば、101人以上の要件を満たすことになっています。
(*4)以下の要件を満たす場合、1社で上記週所定労働時間20時間を満たさなくても、2社で合算することで被保険者になれる制度です。労働者自身が居住所を管轄するハローワークに申し出ることで、申出を行った日から特例的に雇用保険の被保険者(マルチ高年齢被保険者)となることができます。
・複数の事業所に雇用される65歳以上の労働者
・2つ以上の事業所(1つの事業所における1週間の所定労働時間が5時間以上20時間未満)の労働時間を合計して、1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・2つの事業所のそれぞれの雇用見込みが31日以上であること
この内容は、2023/10/06時点での情報です。
(文責:編集部、アドバイザー:松尾友子、冨塚祥子)
関連Q&A
こちらの記事も読まれています
新着記事
- 2024年4月16日ゼロからキャリアを再構築するための5つのステップと注意点
- 2024年4月11日悪循環になりがちな4つの転職パターンと好循環を呼ぶ6つの方法
- 2024年4月5日3年ごとに転職を繰り返したくなるのは何故?市場価値はどうなる?【転職相談室】
- 2024年3月27日連休を上手く使って転職活動を一気に進める方法
- 2024年3月26日転職でミスマッチが起こる要因とは?未然に防ぐ方法
- 2024年3月14日転職先で経験や知識を活かして活躍するためには?
- 2024年3月13日自分のスキルは、どのように伝えれば良いのでしょうか?【転職相談室】
- 2024年3月8日クリエイターの転職で重要な役割を果たす「ポートフォリオ」の作り方