2006年にCMでデビュー。
その後、テレビドラマや映画で大活躍。
2009年には映画『重力ピエロ』などで
数々の賞を受賞した。
注目の若手俳優に聞く
自分の欠点と向き合うこと、そしてその欠点をさらけ出すことが大事
俳優で食べていこうと決意したのは、20歳のとき。転機になったのは、『重力ピエロ』という映画です。その映画に出演して、芝居をすることの楽しさを知りました。将来への不安がなかったわけではないです。ただ、不安以上の楽しさがあったのだと思います。
映画の撮影の中で一番大きかったのは、俳優の加瀬亮さんとの出会いです。加瀬さんからは、「弱いことはいけないことではない」ということを教わりました。人間は欠点だらけだけど、それは悪いことではない。自分の欠点を知って向き合うこと、そしてその欠点をさらけ出すことが大事なんだと。
それまで僕は欠点を隠そうとしていたんです。そうではなく、欠点をさらけ出すことで変われる自分がいるというか、さらけ出すことで新しく生まれるものがある。人間味や個性を出すことができる。そういうことを教わってからは、芝居をするのが楽しくなったし、もっといろんなことに挑戦してみようと思えるようになりました。自信はないですよ。不安なのは変わらないです。でも、何でも恐れずやってみようと。いい意味での開き直りかもしれません。そんな風に意識が変わってからは、芝居がぐっと楽しくなりました。
8月からは、数々の名優が出演し、
ロングランを続けてきた舞台、
『ウーマン・イン・ブラック』に挑戦する。
ベテラン俳優の勝村政信氏との2人舞台は、
緊張と不安との戦いだという。
仕事は人と人とのつながり。つながる実感がやりがいになる
芝居が楽しくなったとはいっても、やっぱり仕事ですから苦しいこともたくさんあります。この仕事って、辛いことのほうが多いんじゃないかと思います。今回『ウーマン・イン・ブラック』という舞台に出るのですが、2人芝居なのですごく緊張しているし、やはり不安です。稽古中もわからないことだらけで、考えなくてはならないことも多くて。なんでこんな大変な仕事を引き受けてしまったんだろうと(笑)。
実は昨年、蜷川幸雄さん演出の舞台に出させていただきました。そしてまた舞台の話をいただけたというのは、自分にとってとても嬉しいことだったんです。仕事って人と人とのつながりだなあと。そういうつながりを感じられると頑張ろうと思えますよね。
一緒に舞台を作っていく人たちだけでなく、少しずつ向上していく自分を見ていてくださる方々の存在も大きいです。そういう人たちに支えられているから苦しいけどやってこられたと思います。
今回の舞台では、主人公に起きた恐怖体験を、主人公と一緒に舞台上で再現していくという役で、そういう意味ではお客さん目線なんです。その日その日に来てくださったお客さんと一緒に恐怖を体験できるというのは素敵なこと。つながりをたくさん感じられるというのがすごく楽しみです。それを感じながら毎日稽古をしています。
毎回、壁です。この舞台に限らず、映画でもテレビドラマでも。デビューしてからずっと高い壁ばかりです。でもそういうのを一つ一つ乗り越えていく経験が自分を変えていく。変わっていく自分を感じられることも仕事の喜びなんじゃないかと思うんです。やってるときはそれどころじゃないですけど(笑)。
やって後悔するよりも、やらない後悔のほうがずっと辛い。
この仕事に向いていると思ったことはないです。逃げ出したいと思うことも。2人舞台なんて今すぐ逃げたい(笑)。
僕は今年で26歳になりますが、同世代の人って会社に入って数年経っていますよね。同じように感じている人、きっと多いのではないでしょうか。でも、すごく苦しいけど続けている人や現場で戦っている人もいる。そういう人の話を聞くと、やっぱりもうちょっと頑張ろうって思うんです。
プライベートでは難しいことにわざわざ挑戦しないです。でも仕事だとやらなきゃならないから、普段ならとてもやらない領域にもどんどん踏み込んでいく。ここ何年かはずっとそういう状態できたので、だから自分は変わることができたんじゃないかなと思います。
20代って劇的に変わっていく年代だと思うんです。いろんなことを経験して、失敗も成功もして。その経験が身になって、30代を迎えられるのかなと。だから、どんな仕事も失敗してもいいやくらいの気持ちで臨んでいます。正直、こわいですけどね。でも、こわいからってやらないと後悔すると思うんです。やって後悔するよりも、やらない後悔の方が辛い。だったらやって後悔したほうがいいですよね。僕はそう思って開き直ってやっています。でも、やっぱりこわいですけどね(笑)。
『ウ−マン・イン・ブラック<黒い服の女>』
英国発ゴシック・ホラーの傑作と評される人気の舞台『ウ−マン・イン・ブラック<黒い服の女>』。“恐怖”という感覚を見事にエンターテインメント化した作品として、12の言語に翻訳、世界40余国で上演され、今年で27年目のロングラン公演になる。舞台に登場するのは、たった2人の男。中年の弁護士と若い俳優が、過去に体験した世にも恐ろしい出来事を、劇中劇の形を借りて再現していく。
公演日程:2015年8月7日 (金) 〜2015年8月30日 (日)
原作:スーザン・ヒル、脚色:スティーブン・マラトレット、演出:ロビン・ハ−フォ−ド、翻訳:小田島恒志、出演:岡田将生/勝村政信
会場:東京(渋谷)・PARCO劇場 (名古屋、新潟、大阪 公演あり)
http://www.parco-play.com/web/program/wib2015/
EDIT/WRITING | 高嶋ちほ子 | DESIGN | マグスター | PHOTO | 栗原克己 |
スタイリスト | 大石裕介(DerGLANZ) | ヘアメイク | 奥平正芳(CUBE) |
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