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会議への向き合い方、仕事の盗み方――中堅社員にも役立つ「入社1年目の教科書」

2011年に発売され、42万部のベストセラーになっている書籍『入社1年目の教科書』。新入社員が仕事を進める上で大切な「53の基本」が示されたもので、新入社員はもちろん、「中堅社員でも実践できていないことが多く、役に立つ」と幅広い年代に支持されています。

著者の岩瀬大輔さんは、ライフネット生命保険の代表取締役社長。東京大学卒業後、ボストンコンサルティンググループなどを経てハーバード大学経営大学院に留学。30代でライフネット生命保険の副社長になり、ダボス会議の「ヤング・グローバル・リーダーズ 2010」に選出された岩瀬さんならではの、仕事における原理原則とその具体的方法が語られています。

このほど、このベストセラーの“超実践版”が登場。1月に発売された『入社1年目の教科書 ワークブック』では、既刊本の「53の基本」を要約し「この項目で押さえるべき重要なポイント」を示したうえで、初級編、中級編、上級編の3段階に分類。それぞれの項目で自身の行動のチェックリスト、著者によるQ&Aなどが紹介され、よりわかりやすく、実践に移しやすい内容になっています。

今回は、より幅広い年次の方が参考にできるよう、「上級編」の中からいくつか抜粋し、ご紹介します。

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「予習・本番・復習は3対3対3」

 会議や打ち合わせは参加するだけでなく、予習・本番・復習を同比率で重視し、動くこと。かける時間ではなく「向ける意識」の比率を同じにすることが大切だ。

 会議前は、議題や参加者を確認し、資料を読み込み、不明点を事前に確認するなどして準備を行う。そして会議本番は参加者の意見をしっかり聞いてメモを取り、何か発言できるようにすること。必要に応じて議事録も取っておこう。

そして、会議後は決定事項とToDoを確認して実行に移す。多くの人は予習・復習がゼロになりがちなので、慣れるまでは「前」と「後」の行動量を意識して増やすといい。

Q 忙しすぎて「予習」「復習」をする時間がない場合は?

 仕事の時間配分を誤っているだけ。ここで言う比率とは、量と質を合わせたものであり、時間だけのことではない。

 予習と復習がゼロの人は、例えば顧客と1時間の約束を取り付けたら1時間を面会の時間に充てるが、「本番3、予習3、復習3」の人は面会時間を40分にし、前の10分で顧客に確認したいことをリストアップ。それを面会時間内でしっかり確認し、終了後10分で要点と次のアポイントメールを送るなどし、確実に仕事を前に進めている。

Q 「決定事項の確認」なんて必要?

 多くの人を巻き込んで仕事をすると、どうしても認識のギャップが生じる。決まったことを整理し、フォローするのは、ギャップを埋めるため。

 社長が「やりましょう」と言ったとしても、ある会社では「決定事項」であり、ある会社では「取締役会にかける」という意味で使われたりする。このように微妙なずれは良く怒ることなので、お互いの認識を擦り合わせるべき。ほとんどの仕事は、認識のすり合わせが必須事項であると覚えておこう。

「仕事は盗んで、まねるもの」

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 受け身で教えてもらう仕事には限界がある。本気で成長したければ、能動的に手に入れることが大切だ。

 自分のスタイルを形成するには、他人の行動や言動を盗み、真似をすることが必要不可欠。だからこそ多くの人に会い、さまざまなものを見る機会が必要になる。

 レポートの書き方、プレゼンでの話し方、人との接し方、日々の生活習慣など、上司や先輩の仕事ぶりを常に観察しよう。そして「自分もそうやりたい」「そうでありたい」と思ったことは、まずはその通りに真似をしてみる。そのうえで、自分なりにさらなる工夫・改善を加えていくといいだろう。

Q いったい何をどう真似すればいい?

 まずは「観察」を。例えば、先輩の営業に付いていくとしよう。受付の人とどういうやりとりをして、同部屋に入ってどのように待っているのか。相手が部屋に入って来た時にどういう挨拶をして、どのように名刺交換をして、アイスブレイクにはどんな話をして、どのタイミングで本題を切り出すのか。そして最後に、どのような会話で退出したのか。すべてを「完コピ」するつもりで注意深く見るようにしよう。

Q 誰も教えようとしないし、盗み見ることもできない雰囲気なのですが…

 そういう風土の会社であっても、同じ課、同じ部の先輩が参加する会議はあるはず。そこでのプレゼンを始め、電話のやりとり、コピー機に置いたままの資料を渡す瞬間など、盗み見るチャンスはある。むしろ少ない機会で観察する技術を磨き、そこから気付きを得ようとする力を養っていけば、あなたの吸収力はぐんと高まるだろう。人の優れたところを見つけるのが上手な人は、成長も早い。

「情報は原典に当たれ」

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 巷にあふれる情報に踊らされることなく、信頼できるものに自らたどり着くことが重要だ。

 情報は見せ方によって姿や意味を変えてしまうもの。情報発信者は、意図を持って情報を取捨選択し、加工している。メディアの報道、記者会見、SNSで流れてくる情報などを無条件に信用することは避け、原典に当たる癖をつけよう。社内の噂話も同様で、いたずらに信じないよう気をつけよう。

 最も効率的な情報収集は、かつて同じテーマについて情報収集した人のリストを参考にすること。それが「参考文献」になる。場合によっては、同業他社やライバル企業も情報収集対象になる。

Q ソースがあやふやなネットの切り貼りのような情報の場合、どう調べればいい?

 SNSなどで流れてくる情報を対外的に使う場合は、必ずネタ元をたどっておかなければならない。

 しっかりとした情報であれば、検索をかけ続ければ何らかのオフィシャルな情報にたどり着くはず。例えば、故スティーブ・ジョブズの「俺はカネをたくさん稼いだけど、人生の幸せを得られなかった」という言葉が流布しているが、いくら検索しても出典が出てこないので、これはデマである可能性が非常に高いと判断できる。

Q 原典に当たったら、分厚い本だった。全てに目を通すべき?

 普通の人は1000ページにわたる分厚い本を目の前にすると気力が萎えるもの。まずは斜め読みでもいいし、関心のあるところだけでも十分。ただ、こういうものに気後れしない強さは大事。読んでみると意外と読めるものなので、ぜひチャレンジを。

「53の基本」を参考に、できていること、できていないことを洗い出そう

 今回ご紹介したのは、「53の基本」のうちのわずか3項目であり、全体のごく一部。例えば、即レスの重要性、宴会芸をやるときの心構え、お金の使い方など、さまざまな分野における「それ知りたかった!」という項目がさまざま解説されています。入社1年目の方は、この本を参考に1年の振り返りを行い、できていること、できていないことを洗い出してみるといいでしょう。そして、若手~中堅社員の方にとっても、まだできていない項目の検証や、「基本に立ち返る」際に役立つはずです。

 なお巻末には、岩瀬さん直伝の「メモ術」や「アポ取りのコツ」、そして「敬語の基本一覧表」も。日本を代表するトップランナーの「仕事のノウハウ」を習得できる1冊です。

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▲参考書籍:『入社1年目の教科書 ワークブック』/岩瀬大輔/ダイヤモンド社

 

 EDIT&WRITING:伊藤理子